低下する栄養価、変えなければいけない「食環境」
私たち自身が健康のために変えることができるのは、外部環境である「食環境」と内部環境である「生活習慣」です。
この二つの環境を、どのように変えればよいのかを考えていきましょう。
現代食の特徴と問題点を具体的に説明します。
現代食を栄養学的に分析してみると、炭水化物、脂肪、たんぱく質という三大栄養素であるカロリーは摂取過多で、これを代謝するために必要な副栄養素であるビタミン、ミネラル、ファイバー(食物繊維)などは欠乏しています。
この副栄養素の失調は、私たちの知らないあいだに進行し、アンバランスな食生活習慣をつくっているのですが、その理由として三つのことが考えられます。
(1)素材の栄養価の低下と素材の利用率の低下
(2)加工食品の増加
(3)ライフスタイルの変化
素材の栄養価の低下と素材の利用率の低下
野菜は50年前と比べると、その栄養価が8分の1から20分の1(5〜12.5%)くらいにまで落ち込んでいるといわれています。
ビタミン、ミネラル、ファイバーの摂取に関しては、現代の野菜にあまり期待しないほうがいいのです (でも野菜は、気をつけてたくさん食べなければいけません。
まだ見つかっていない有用な栄養素ファイトケミカルもたくさん含まれています)。
素材そのもののビタミンの低下に加えて、スーパーなどで売っている野菜は、摘んだ時点でのビタミンがそのまま温存されているわけではありません。
摘んでからの時間経過、運送時の加工処理法、家庭での調理によって、ビタミンはどんどん失われていきます。
つまり、昔と比べて素材の利用率も低下しているといってよいのです。
また、野菜に予想喪失量が書いているわけではありませんから、基本的には、ビタミンの摂取量は当てずっぽうなのが現状です。
なんとか工夫して野菜をバランスよく摂取してもそれがすべて吸収できるわけではないので、なんとも心もとないというしかありません。
では、ビタミン摂取量が不足し続けるとどうなるかといえば、ありあまるカロリーを代謝しきれず、あまったカロリーはすべて脂肪となってしまいます。
これが生活習慣病の引き金になっていることは間違いありません。
「ビタミンCは気をつけてとっている」という方もいるかもしれませんが、Cだけでは代謝は改善されません。
なぜならエネルギーをつくったり、身体の細胞をつくったりする「代謝」を行うためには、13種類すべてが過不足なく一定以上摂取され吸収されていなくてはならないからです。
13種類のなかで1種類でも1しかとれていなければ、ほかのビタミンが10とれていても全部のビタミンが1までしか代謝に利用できないのです。
ビタミンは1種類たりとも不十分なものがあってはならないのです。
加工食品の増加
現代食は、加工されずに私たちの口に入るものはないといってもいいくらい加工食品だらけです。
一般的な加工食品のほかにも、精米のように機械で食物に手を加えることも、とれた野菜を遠方から運ぶことも加工ですし、家庭で行っている料理も加工なのです。
このような加工を当たり前のように感じているかもしれませんが、それは、
「カロリーを温存して、ただでさえ少ないビタミン、ミネラル、ファイバーを削るか、壊すか、溶かしてしまう」のです。
私たちの食事は、そういう同じアンバランス (カロリー過多で副栄養素の失調した)を持った食品どうしの食べ合わせになっているわけです。
これでは「栄養過剰の栄養失調」にならないわけがありません。
では、どのような食品が現代には必要とされるのでしょうか。
その答えは「逆加工食品」。
つまり現代の通常の加工とは逆に「カロリーを削って、不足しているビタミン、ミネラル、ファイバーを温存した」食品が必要なのです。
じつはこの逆加工食品こそ『サプリメント』なのです。
サプリメントは、現代食で素材から失われ、加工の際にさらに削ってしまった不足した栄養素を補給、補完することを目的としてつくり出されたものです。
サプリメントは、決して病気を治すための薬としてとるものではなく、食事で不足している栄養素を補給するための食品なのです。
ライフスタイルの変化
前述したとおり、私たちは身体的ストレスの減少(つまり運動不足)と、さまざまな理由による精神的ストレスを抱えるようになりました。
私たちはこうしたストレスに対して、抗ストレスホルモンを副腎という内分泌組織から出すことによって、心身の恒常性と健康を維持しています。
この抗ストレスホルモンの分泌量の違いを見ると、人は身体的ストレスには強く、精神的ストレスには弱いということがわかります。
この抗ストレスホルモンを副腎でつくる際に大量のビタミンCが消費されます。
つまり精神的ストレスが多ければ多いほどビタミンの消費量も多くなってしまうのです。
当然、それに見合ったビタミンの補給が必要になります。
ちなみにドキッとした一瞬のストレスに対し、消費されるビタミンCの量は、500mgといわれています。
一日3食で100mgしかとれていない現状では、病気にならないほうが不思議ということになります。
サプリメントは、代謝のためだけではなく、現代社会でストレスに負けず、よりよく生きていくためにも摂取しておかなければならないのです。
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