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免疫ミルク − 関節リウマチの改善、生体防御機能の強化
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乳清タンパク − 強力な抗菌作用、免疫力のバックアップ
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田七ニンジン − 心臓病の予防、インターフェロンを誘発
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松葉エキス − 血管を強化し、動脈硬化、心筋梗塞を予防する
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高麗ニンジン − 免疫力改善、疲労回復、冷え性に効く
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紅麹 − コレステロール値の低下、血圧降下作用
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桑葉 − 高血圧の改善、肥満・高脂血症を予防
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月見草オイル − PMS、アトピー性皮膚炎の予防・改善
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亜麻仁油 − エネルギー代謝、血液循環の改善
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ローズヒップ − タバコの害を防ぎ、風邪を治すビタミンC効果
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ルイボスティー − 糖尿病の予防、アトピー性皮膚炎の改善
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ヨモギ − 灸の「もぐさ」効果、消炎・利尿作用
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ヤーコン − 血糖値の上昇抑制、善玉菌の増殖、整腸作用
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マリアアザミ − 肝臓の解毒機能促進、肝細胞の再生強化
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ビール酵母 − 疲労回復作用、免疫機能の活性化
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ノコギリヤシエキス − 前立腺肥大の効果が期待される
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セントジョーンズワート − 抗うつ作用にすぐれたハーブ
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スッポンエキス − 疲労回復、精力増強、動脈硬化予防
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シソ(シソ油) − 免疫系を調整し、炎症やアレルギーを防ぐ
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サラシア・オブランガ − 血糖値の上昇を防ぐ成分がある
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コラーゲン − 関節の痛みの緩和、肌の美容効果
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ゴマ − 老化防止、滋養強壮、免疫力の増強
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クマザサエキス − 免疫力の強化、抗ガン作用
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ギムネマ・シルベスタ − 肥満防止、糖尿病の予防
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ガルシニア・カンボジア − HCA効果で肥満を抑える
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カモマイル − 鎮静効果、敏感肌や冷え性の改善
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カプサイシン − 脂肪燃焼の促進、肥満の改善効果
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オリゴ糖 − 大腸に届いて腸内善玉菌を増やす
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エゾウコギ − 強壮・強精、抗ストレス効果
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ローヤルゼリー − 老化防止、強壮効果、更年期症状の改善
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ローズマリー − 脂肪の消化促進、集中力・記憶力の向上
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レシチン − 脳に必須の栄養素、高脂血症・動脈硬化の改善
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霊芝 − 虚血性、心疾患の予防、ガン細胞の増殖抑制
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卵黄油 − 動脈硬化・心筋梗塞の改善、アルツハイマー病の予防
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羅漢果エキス − 抗菌・消炎効果、確尿病予防、ダイエット効果
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ヤマブシタケ − 高い抗がん作用、ボケ防止効果に期待
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モロヘイヤ − 高栄養・緑黄色野菜の免疫力アップ効果
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メシマコブ − 日本で発見、韓国で実用化された抗ガン活性
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メグスリノキ − 肝機能改善、眼病にも効く、一石二鳥効果
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ミドリイガイエキス − リウマチ、関節炎、神経痛を緩和する
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マテ茶 − 新陳代謝促進、血圧降下、動脈硬化の予防
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マカ − 精力増強作用、受胎カアップ、ストレス解消
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マイタケ − 免疫力増強、抗ガン作用、血糖値・血圧調整効果
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ポーレイ茶 − コレステロール・中性脂肪減少、ダイエット効果
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プロポリス − 抗菌・抗炎症作用、期待される抗ガン効果
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プロテイン − コレステロール値の低下、更年期症状の改善
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プルーン − 整腸・緩下作用、貧血の改善、抗酸化作用
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ブルーベリー − かすみ目や疲れ目の改善、視力回復
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ビワの葉茶 − 食欲増進、アミグダリンの抗がん作用
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パパイヤ酵素 − 動脈硬化の予防、消化促進、整腸作用
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ハトムギ − イボとり、美肌効果、抗がん作用
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発芽玄米 − 高血圧予防、肥満防止、更年期症状緩和
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ノニ − 抗酸化作用、血行改善、抗菌作用
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ニンニク − スタミナ効果、殺菌・解毒・整腸作用
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乳酸菌 − 便秘や下痢の改善、ガンの予防、腸内環境の整備
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にがり − 豊富なマグネシウムのダイエット効果
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納豆菌 − 高血圧、動脈硬化、心臓病、血栓症の予防
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ナタマメ茶 − 歯槽膿漏、口内炎、蓄膿症の改善
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ドクダミ − 利尿作用、血管強化で高血圧予防
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冬虫夏草 − 心肺機能の強化、速やかな疲労回復効果
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甜茶 − 花粉症、慢性鼻炎、アレルギー症状に効果
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タヒボ − 細胞のガン化、ガン細胞の増殖を防ぐ
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スピルリナ − 必須アミノ酸ぞろいの高タンパク食
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スクアレン − 細胞に酸素を補給、各臓器を活性化
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食物繊維 − 腸内善玉菌を増やし、大腸ガンを予防する
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ショウガ − 血液循環を改善し、初期の風邪を予防する
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シジミエキス − 胆汁の分泌促進、肝機能の改善
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シイタケ菌糸体エキス − 抗がん作用、B型・C型肝炎の改善
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サメ軟骨 − ガン細胞を増殖させる新生血管を阻止
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小麦麦芽 − 老化防止、若返り・美容効果
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ゴーヤー(ニガウリ) − 糖尿病や高血圧を予防する
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コエンザイムQ10 − 若さを保つエネルギー産生の黒子
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ケフィア − 腸内の善玉菌を増やす、ガンを予防する
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ケール − 動脈硬化の予防、視力の回復・向上
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クロレラ − 体内の毒素を除去し、免疫力を高める
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黒酢 − コレステロール値を下げ、血流を改善する
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グルコサミン − 腰痛、膝の痛み、関節炎などに効果
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クエン酸 − 疲労回復効果、血流改善、免疫力強化
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グァバ − 糖尿病の改善、ダイエット効果
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キャッツクロー − 免疫力の増強、関節の痛みをとる
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キチン・キトサン − 血液循環、脂質代謝の改善
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菊イモ − 血糖値の上昇を抑え、糖尿病を予防
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ガラナ − 疲労回復、肉体的耐久力、スタミナ増強
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花粉(ビーポーレン) − 前立腺疾患にも有効な完全食品
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カテキン − 強力な抗菌力・抗酸化力の緑茶成分
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核酸 − 新陳代謝の促進、老化やボケの予防
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オレガノオイル − 精油成分の殺菌・鎮静効果、抗炎症作用
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大麦若葉エキス − 活性酸素を無毒化するSOD酵素
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エキナセア − 感染症の予防、免疫力強化
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梅肉エキス − 疲労回復、血液サラサラ効果
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ウミヘビ脂質 − 関節痛の緩和、糖尿病の予防
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ウコン − 肝機能の改善、抗ガン作用
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イチョウ葉エキス − 血行促進、痴呆症の改善
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イソフラボン − 更年期の症状改善、肌の美白・保湿作用、抗ガン効果
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EPA・DHA − 血栓を予防し、血液をサラサラにする
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アラビノキシラン − ガンを攻撃する免疫調整力
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フコイダン - 免疫力を高めるモズクのヌルヌル成分
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杜仲茶 - 高血圧の改善、ダイエット効果
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アロエ - 便秘の改善、健胃作用、美肌効果
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アガリクス - 免疫力アップ、抗ガン効果
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免疫ミルク − 関節リウマチの改善、生体防御機能の強化

初乳のラクトフェリンが赤ちゃんを守る
出産後3日間前後に出る母乳を「初乳」といいます。
この時期に分泌される乳汁は少し黄色味がかっており、とくにラクトフェリンという成分が1リットルあたり5〜10グラムも含まれています。
ラクトフエリンには免疫機能を高める働きがあり、母親の子宮という安全な場所から出てきた赤ちゃんのからだを、細菌やウイルスの感染などから守るための役割を果たしています。
そのために、とくに出産直後の初乳にラクトフェリンが多く含まれているのです。
免疫ミルクは、母乳以上に強力な母子免疫をもつミルクをめざして開発された免疫活性作用をもつ粉ミルクで、人間に感染しやすい細菌を無毒化して乳牛に投与し、乳牛の体内で産生される抗体成分(IgG=免疫グロブリン)やラクトフェリンなどの成分活性が損なわれないように、特殊製法で濃縮・乾燥・粉末化した脱脂粉乳です。
アレルギー症状の改善にすぐれた効果
免疫ミルクには、
(1)リウマチ性関節炎の改善(リウマチは抗体を異物と認識して炎症を引き起こす自己免疫疾患だが、免疫ミルクには抗炎症因子や生体の免疫力を高める成分があり、炎症による関節の痛みなどを緩和する)、
(2)アレルギー症状の緩和(侵入したアレルゲンは肥満細胞のIgG抗体に付着し、さまざまなアレルギー症状を起こす。
免疫ミルクにはIgG抗体へのアレルゲン付着を妨げる働きがあり、アレルギー症状を軽減する)、
(3)日和見感染を防ぐ(免疫力が低下した高齢者、病人の細菌感染を防ぐ)など、免疫力を強化する働きが期待されています。
乳清タンパク − 強力な抗菌作用、免疫力のバックアップ
母乳タンパクは、ほとんどが乳清タンパク

乳清タンパクは牛乳から作られるタンパク質で、強い筋肉を作る「理想のタンパク質」とも呼ばれ、低カロリー・低脂肪・高吸収率のタンパク質であることから、筋肉を酷使するボディビルダーや運動選手に人気の高いサプリメント(乳清=ホエイとも呼ばれる)のひとつです。
牛乳には2種類のタンパク質があります。
牛乳からチーズを作るときに、チーズに固まるタンパク質がカゼイン(牛乳タンパクの約80パーセント)で、
残った絞り汁(乳清)に含まれるタンパク質で、
残りの20パーセントを占めるのが、ラクトグロブリン、ラクトアルブミン、ラクトフェリンと呼ばれる乳活タンパク成分です。
ちなみに、人間の母乳のタンパク質構成は牛乳とは異なり、乳清タンパクがほとんどで、カゼインはごく少量しか含まれていません。
ラクトフェリンの抗菌・抗ウイルス作用
すべての細胞にはグルタチオンという抗酸化物質が存在して、細胞を活性酸素の攻撃から守り、体内の免疫システムを活性化させています。
年齢とともにグルタチオン量が減少すると、アルツハイマー病などの発症や老化を促進させますが、乳活タンパクにはグルタチオンを増加させ、免疫を高める働きがあります。
乳清タンパクの成分のひとつ、ラクトフェリンには強い殺菌作用があり、胃ガンの原因となるピロリ菌、病原性大腸菌0-157、腸内の悪玉菌などを減らす効果があります。
また、肝ガンに進行しやすいウイルス性のC型肝炎患者にラクトフェリンを投与したところ、ウイルスの量が大幅に減少したとの報告もあります。
田七ニンジン − 心臓病の予防、インターフェロンを誘発
三七ニンジン、雲南七とも呼ばれる高貴薬

中国南西部(雲南省・四川省・広西省)を原産地とする田七(でんしち)ニンジンは、おもに北方で採れるコウライ(高麗)ニンジンと同じウコギ科の多年草。
和名をサンシチニンジン(三七人参)といい、その名の由来は生薬として必要な大きさに根が育つまでに3〜7年かかるからとも、茎から伸びた3本の枝の先に7枚ずつ葉がつくからだともいわれています。
中国では古くから止血作用のある生薬としてよく知られていましたが、雲南地方では「金不換」(金では買えないもの)といわれるほど高価な秘薬として、雲南田七とも呼ばれてきました。
中国の医書『本草綱目拾遺』には、コウライニンジンが「補気第一、精がつく」のに対して、田七ニンジンは「補血第一、力があふれる」ように働くと記されています。
田七ニンジンには、ジンセノサイドなど5種類のサポニン配糖体やパナキシノール、有機ゲルマニウムをはじめ、田七ニンジン特有のデンシチンや田七ケトンという成分が含まれています。
薬用ニンジン独特のにおいはパナキシノール(精油成分)で、強い殺菌作用があります。
デンシチン、田七ケトン、有機ゲルマニウム

アミノ酸の一種であるデンシチンは、止血や痛み止めの働きがあり、外傷や胃潰瘍に効き目をあらわします。
近年、中国で田七ニンジンから発見された田七ケトンには、現代人がかかりやすい冠状動脈疾患(狭心症、心筋梗塞など)の改善にすぐれた効果があります。
有機ゲルマニウムには、抗ウイルス作用のあるインターフェロンを誘発する働きが期待されています。
松葉エキス − 血管を強化し、動脈硬化、心筋梗塞を予防する
松の葉や実を食べてパワーにした仙人力

針葉樹マツの葉は、古来より不老長寿の薬とされてきました。
細かく刻んだ松葉をすりつぶし、それを弱火で煮て絞った油液は「松葉精」と呼ばれ、血液をきれいにする民間薬として広く利用されています。
生の松葉を枝からとって、数本ずつ食べる健康法もあったようです。
中国の仙人伝記『列仙伝』によれば、ウマに負けないスピードで走った梶山の仙人は松葉と松の実だけを食べていたそうです。
また『本草綱目』には、
「松葉は松毛ともいい、悪瘡を治し五臓(生命活動を支える心・肝・腎・肺・牌の働き)を安んじ、これを久しく服すれば、すなわち身軽く老いず、穀を断って飢えず乾かず」
と書かれています。
松葉から抽出した松葉エキスには、葉緑素(クロロフィル)、ビタミンA・C・K、鉄、リン、カルシウム、松ヤニ(ロウ質)、シネオール(精油成分)などが含まれています。
松ヤニ成分が心筋梗塞、脳卒中を予防
松葉エキスに含まれる松ヤ二には、ビタミンA・Cとケルセチンが豊富に含まれています。
とくに抗酸化作用のあるビタミンCとケルセチンには、血管壁を強化して動脈硬化を防ぎ、血流をサラサラにする働きがあり、心筋梗塞、高血圧、脳卒中を予防します。
また、頭部の血行も改善されることから、抜け毛を防ぎ、育毛を促進する効き目も期待されています。
樹木の精油成分から発する芳香物質を総称してテルペンと呼びますが、松葉エキスに含まれる精油成分シネオールには胆汁の分泌をうながす働きや、健胃作用、殺菌効果があります。
高麗ニンジン − 免疫力改善、疲労回復、冷え性に効く

コウライ(高麗)ニンジンは、中国東北部から朝鮮半島にかけて自生するウコギ科の多年草で、朝鮮ニンジンともいいます。
日本では徳川時代、時の8代将軍・徳川吉宗が日光の御薬園で採取した御種(ニンジンの根)を諸大名に配りその栽培を奨励したことから、オタネニンジンと呼ばれるようになりました。
親の労咳(結核)の薬にと、身を売って高価なオタネニンジンを手に入れた娘の話も伝えられています。
中国の医書『神農本草経』では、コウライニンジンを高いランクの上薬(生薬)と位置づけ、「五臓を養い……、久しく服すれば身を軽くして、長寿延年す」とそのすぐれた効能を記述しています。
五臓の働き、つまり中医学でいう心・肺・肝・腎・脾の諸作用を円滑にして、その機能を活発にするだけでなく、長く服用すれば長寿・延命が約束されるというわけです。
ストレス耐性を高めるジンノセサイドの働き
ジンノセサイド(サポニンの一種)というコウライニンジン特有の成分には、大脳の働きを鎮める鎮静作用がある反面、体細胞や臓器の働きを活発にする興奮作用があります。
この全く逆の効果を同時に併せ持つジンノセサイドの働きが、さまざまな心身症、不定愁訴症候群(全身の倦怠感、イライラ感)に悩む現代人のストレス耐性、病気に対する抵抗力を高めます。
コウライニンジンには、ジンノセサイド以外にもインスリンの働きを高める物質(アデノシン、ピログルタミン酸)や、血管を弛緩させる物質(AFG)も含まれており、糖尿病の予防、冷え性の改善への効果が期待されています。
紅麹 − コレステロール値の低下、血圧降下作用

赤い色の発酵食品に使われる漢方の生薬
日本で清酒、醸造酢、みそ、醤油などの発酵食品の醸造に用いられる麹菌は黄麹(アスペルギス属の糸状菌)ですが、中国や台湾などでは紅酒、紅老酒(紹興酒)、紅乳腐などの醸造には古来より赤い色の紅麹(モナスカス属の糸状菌)が用いられてきました。
紅麹は『本草綱目』に「消食活血、健脾燥胃(食物の消化を助け、血液の流れをよくして、内臓を強化し、胃をスッキリさせる)」とある漢方処方に配合される生薬なのです。
黄麹よりも繁殖力が弱く、保存管理が難しいために、日本では沖縄の加工豆腐(泡盛ともちゴメの紅麹で作る漬け汁で発酵させた「豆腐よう」)、新潟特産の「赤い酒」醸造に使われる程度でしたが、
1980年代に入ると、紅麹の健康効果を取り入れた機能性食品の開発が進められ、紅麹酢、紅麹みそ、紅麹パンなど、多彩な発酵食品が登場するようになりました。
モナコリンK、γ−アミノ酪酸の効き目
紅麹にはこれまでの研究で、コレステロール値の低下作用、ガンの予防効果、顕著な血圧降下・血圧上昇抑制(血圧調整)作用などが認められています。
なかでも紅麹に含まれるモナコリンKはコレステロール合成阻害成分で、動物実験では悪玉(LDL)コレステロールを低下させる働きが認められ、高脂血症の改善が期待されています。
また、紅麹の血圧を正常に保つ調整機能は、その有効成分が1996年に特定保健用食品の血圧調整に「関与する成分」に認定されたγ−アミノ酪酸であることがわかっています。
桑葉 − 高血圧の改善、肥満・高脂血症を予防
「ギャバロン茶」と同じ血圧効果がる

桑は熱帯から亜熱帯に自生するクワ科クワ属の落葉高木で、漢方では乾燥させた「桑葉」を生薬として用いてきました。
日本へは3世紀ごろにカイコとともに食草として伝えられました。
陰干しした桑葉は「神仙茶」と名づけられ、高血圧、咳止め、口渇(糖尿病)に効く健康茶として、とくに養蚕の盛んな地方を中心に古くから愛飲されていました。
桑葉に含まれる成分としては、おもな野菜と比較してみても、
カルシウム量がキャベツの約60倍、
鉄分が小松菜の約15倍、
総力ロテン量もホウレンソウの約10倍も含まれています。
最近では、緑茶を特殊処理して、血圧降下作用のあるγ−アミノ酪酸を増加させた「ギャバロン茶」が話題になりましたが、
桑葉にもギャバロン茶と同程度のγ−アミノ酪酸が含まれており、高血圧発症ラットを使った実験でも確かめられている血圧降下作用が期待できます。
桑葉のみの成分、DNJが糖尿病を改善する
近年、植物では桑葉のみに含まれる成分であるJ−デオキシノジリマイシン(略称DNJ)の働きが注目されています。
DNJは糖質を分解する酵素(α−グルコシダーゼ)の働きを抑えて、腸管からのブドウ糖の吸収を阻害し、食後の血糖値上昇をコントロールする効果があります。
また、DNJをラットに投与した実験では、インスリン分泌促進作用が確かめられています。
このほか、桑葉の成分には腸内の善玉菌を増やす、便通をよくする、体脂肪の余分な蓄積を抑制する、脂肪の排出をうながすなど、肥満や高脂血症の改善効果が期待されています。
月見草オイル − PMS、アトピー性皮膚炎の予防・改善
鬱症状という名の悪魔を追い払うハーブ

月見草はアカバナ科に属する北米原産の二年草で、正式名称はオオマツヨイグサ、欧米ではイブニング・プリムローズといい、薬用植物として扱われています。
夕刻に黄色の花を咲かせ、翌朝にはしぼむことから月見草と呼ばれて米東部海岸地域の先住民は1000年以上も前から、おできや外傷、咳や痛み止めの治療に用いてきました。
これが17世紀のヨーロッパに伝えられると、「王様の万能薬」と呼ばれて、珍重されるようになりました。
月見草の種子には体内では合成できない不飽和脂肪酸、つまり食物からとるべき必須脂肪酸であるリノール酸、γ−リノレン酸が豊富に含まれています。
リノール酸を多く含む植物油は、サフラワー油(紅花油)、ヒマワリ油、ダイズ油、綿実油などがありますが、月見草の種子オイルにはそれらにはないγ−リノレン酸が仝脂肪酸の7.5パーセントを占めています。
プロスタグランディンを作るγ−リノレン酸
γ−リノレン酸は、プロスタグランディン(生理活性物質)を産生する原料になります。
プロスタグランディンは血圧を下げる、血小板の凝集を抑制する、気管支を拡張する、子宮を収縮する、腸管の揺動を高めるなどの生理活性を調整しています。
プロスタグランディンの減少はホルモンのバランスに変調をきたして、女性ではPMS(月経前症候群=イライラ感、頭痛)を引き起こすほか、アトピー性皮膚炎を発症しやすくなります。
ただし、γ−リノレン酸は酸化されやすいので、抗酸化作用のあるビタミンE・Cなどと一緒にとりたいものです。
亜麻仁油 − エネルギー代謝、血液循環の改善
ローズヒップ − タバコの害を防ぎ、風邪を治すビタミンC効果
オレンジ・レモンを上回るビタミンC
ローズヒップはヨーロッパ原生種のドッグ・ローズ(犬バラ)、ローズ・カニーナなど、おもに野生バラの実のことです。
ドイツなど北ヨーロッパでは、冬の間のビタミンC不足を補うために、このローズヒップをハーブティーとして愛飲し、「北国のレモン」と呼ばれていました。
乾燥したローズヒップを熱湯で煎じてお茶として楽しむローズヒップティーには、さわやかな甘味とほのかな酸味があります。
酸味が苦手な人はハチミツを加えたり、ドイツ式にカルカーデ(ハイビスカス)と一緒に煎じると、飲みやすくなります。
甘い香りを放つバラの花が咲いたあと、最初は緑色だった丸い実はやがて橙色から濃い赤色に熟していきます。
完熟したローズヒップはオレンジやレモンの数十倍ものビタミンCを合んでいます。
風邪の引き始めにすぐれた効き目がある
ビタミンCは加熱すると壊れやすい性質がありますが、ローズヒップはビタミンCの吸収を助けて酸化を防ぐ水溶性ビタミン様物質、バイオフラボノイド(ビタミンP)を20パーセント含んでおり、熱を加えてもビタミンCが壊れにくく、体内でより効率的に吸収されます。
ビタミンCの所要量(1日の必要摂取量)50ミリグラムに対して、タバコ1本吸うごとに25〜1000ミリグラムのビタミンCを失うといわれます。
また、風邪のひき始めにはビタミンCの大量摂取がすぐれた効果を発揮しますので、とくに愛煙者はローズヒップのハーブティーを飲む習慣をつけて、タバコの害を減らし、風邪の予防や疲労回復に努めたいものです。
ルイボスティー − 糖尿病の予防、アトピー性皮膚炎の改善

カフェインを含まず飲みやすいお茶の味
ルイボスはアフリカ大陸の最南端、喜望峰の北に位置するセダルハーグ山脈一帯の山野のみに自生する針葉樹で、その名前は現地語で「赤い潅木」を意味します。
古くから、先住民が不老長寿、万病平癒のために、ルイボスの葉を煎じて飲んでいました。
1930年ごろ、現地の開業医・ノーティエ博士がルイボスの原種に改良を加え、人工栽培による農産物化に成功し、現在では同国の重要な輸出産品になっています。
日本に紹介されたのは比較的最近のことです。
ルイボスの細かな葉を採取して発酵させ、乾燥させたものがルイボスティーですが、学名のアスパラサス・リネアリスにちなんで、アスパラリネアとも呼ばれています。
なお、ルイボスティーには、コーヒーや緑茶、紅茶に含まれる成分のカフェインは含まれていません。
期待される抗酸化力、抗アレルギー作用
ルイボスティーには、リン、カルシウム、カリウム、マグネシウムなど主要なミネラルが豊富に含まれています。
とくにリンとカルシウムの比率が、からだに理想的な1対1の構成比となっています。
また、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが人間の体液組成比率とよく似ており、ルイボスティーのミネラル成分がからだになじみやすく、全身の細胞を活性化して、生体の機能を正常に保つ働きが期待されます。
最近では、ルイボスティーの抗酸化力、抗アレルギー作用が明らかになっており、糖尿病や白内障の予防、アトピー性皮膚炎や口内炎などへの効果が注目されています。
ヨモギ − 灸の「もぐさ」効果、消炎・利尿作用

草餅、ヨモギ酒、薬湯など多彩な利用法
ヨモギは日本各地の道端や荒地など、いたるところに自生するキク科の多年草で、地下茎を縦横に伸ばして繁殖する強い生命力をもち、若葉を食用にする代表的な春の野草のひとつです。
春先の若葉は3月3日の雛祭りに供える草餅やヨモギ団子に結き込んだり、おひたし、ごま和え、菜飯にして食べるほか、
5月5日の端午の節句には厄よけとして屋根にのせたり軒先に差したり、またショウブとともにヨモギを菖蒲湯に入れる薬湯の風習が伝承されています。
古くから民間療法の定番とされており、切り傷、食あたり、下痢止めなどに効く薬草として、外用・内用ともによく用いられてきました。
沖縄では「ふうちばあ」と呼び、乾燥した葉を煎じて健胃剤として飲んだり、リカーに漬けたものをヨモギ(薬用)酒として利用しています。
葉裏の綿毛は、灸の「もぐさ」に用いる
特有の香りがあるヨモギの葉の表面は濃い緑色で、菓裏には白い綿毛があります。
真夏に採取した葉をよくもみ綿毛だけを集めたものが、東洋医学の灸に使われるもぐさ(文)です。
灸の効果には、経穴(ツボ)への温熱刺激以外にも、立ち昇る煙に含まれる独特の香り、シネオール、α−ツヨンなど精油成分の働きが、さらに治療効果を高めているものと考えられます。
中国ではヨモギの葉をがいようといい、単独では消炎、収赦、止血、止潟薬に、何種類かの合方(組み合わせ)では腹痛や下痢止め、利尿、解熱、鎮咳、便秘などに用いられています。
最近では、過剰な活性酸素を消去するヨモギのSOD活性が注目されています。
ヤーコン − 血糖値の上昇抑制、善玉菌の増殖、整腸作用
アンデス高地で育つ巨大なイモのパワー

ヤーコンは中南米、アンデス高地原産のキク科多年草の根菜です。
塊根部はサツマイモに似ていますが、地中の養分を一気に吸い上げ、その数倍の大きさに成長する巨大なイモです。
古代インカ帝国の昔から、先住民のインディオたちにとって、ヤーコンの根は大切な栄養野菜として、その葉は煎じて血液をサラサラにする健康茶として飲まれていました。
ヤーコンの塊根部(イモ)に含まれる成分のうち、近年とくに注目されているのが、オリゴ糖、食物繊維、ポリフェノール、それぞれ特徴的な働きをもつ3つの有効成分です。
オリゴ糖は難消化性の甘味成分の総称です。
ヤーコンに含まれるオリゴ糖はフラクトオリゴ糖といい、やはりそれが含まれるタマネギの3倍以上、ゴボウの2倍以上もあります。
フラクトオリゴ糖はそのまま腸内に届いて善玉ビフィズス菌を増やし、便通を整える働きがあります。
血糖値の上昇を抑えて糖尿病を予防する
ヤーコンの食物繊維は約80パーセントが水溶性(食物繊維)ですが、フラクトオリゴ糖とともに腸内で善玉菌を増殖させ、悪玉菌の働きを抑制する整腸効果があります。
さらに糖質の腸管からの吸収を遅らせて、血糖値の上昇を緩やかにする働きもあるので、インスリンの過剰な分泌を抑制することになり、糖尿病の予防や治療にも役立ちます。
赤ワイン並みの含有量を誇るポリフェノールには、強い抗酸化作用とコレステロール除去作用があり、細胞の老化や動脈硬化、高脂血症のもとになる過酸化脂質をできにくくします。

マリアアザミ − 肝臓の解毒機能促進、肝細胞の再生強化

聖母に捧げるミルクが葉の斑点になった

南ヨーロッパの地中海沿岸地域を原産とし、広くヨーロッパ全土に自生するマリアアザミは、キク科オオアザミ属の二年草で、オオヒレアザミ、ミルクチスルと呼ばれることもあります。
夏の終わりに直径10センチメートルほどの淡い紅紫色の花を咲かせ、光沢を帯びた大きく厚い葉には乳白色の斑点とトゲがあります。
マリアアザミという名前の由来は、聖母マリアに捧げるミルクを運んでいた娘の手に、この葉の痛いトゲが刺さり、思わずこぼしたミルクが葉の上に白い斑点となって残ったからだともいわれています。
薬草としての歴史は古く、ギリシャ時代の薬草書には「シルポン」という名前で若葉や芽を食用とすると紹介され、葉を煎じて薬草茶にしたり、サラダとしても食べられていました。
おもに肝臓病の民間薬として、また母乳分泌の促進、強壮作用にも効果ありとされてきました。
肝臓の細胞を強化・再生するシリマリン
30年ほど前、マリアアザミの種子に含まれるシリマリンという成分が、肝臓病に対して高い有効性を示すことが判明したことから、シリマリンへの注目度が一気に高まりました。
1968年にはマリアアザミの種子の抽出物から作った医薬品がドイツで認可されています。
シリマリンには強い抗酸化作用があり、肝臓の細胞膜への毒素の侵入を阻止する働きや、過剰に発生した活性酸素を消去して肝細胞へのダメージを未然に防ぎ、新陳代謝を活発にして肝細胞の再生をうながす効果など、広く肝臓を強化する働きが期待されています。
ビール酵母 − 疲労回復作用、免疫機能の活性化
醗酵で作られた麦汁の栄養成分がたっぷり

酵母とは糖分に作用して、アルコールと炭酸ガスに分解する発酵菌のことで、みそ、醤油、パン、アルコール飲料などの発酵食品は、この酵母の働きを利用して作られています。
ビールの歴史は古く、紀元前3000年ごろ、メソポタミア平原でシュメール人が栽培した麦から麦芽を作り、それをパンに加えて発酵させ、ビールを作っていた記録が残っています。
ビールに使われる酵母は、パン酵母と同じサッカロミセス属の仲間です。
アルコールと炭酸ガスの飲み物であるビールは、オオムギの麦芽を煮て作った麦汁に、ホップとビール酵母を加え、アルコール発酵させて作ります。
発酵した麦汁は瓶詰めする段階で濾過されますが、下に沈殿したビール酵母は麦汁の栄養成分をたっぷり含んでいます。
豊富なビタミンB群が疲労回復に効く
数ある酵母の中でも、とくにすぐれた効果が期待されるビール酵母には、
タンパク質、ビタミンB群、食物繊維、核酸をはじめ、各種の消化酵素(マルターゼ、ラクターゼ、アミラーゼなど)、酵母や藍藻に多いグルタチオン、β−Dグルカンなどの有効成分が豊富に含まれます。
細胞の新陳代謝に欠かせないビタミンB群は、エネルギーの供給、疲労回復などにすぐれた働きをします。
抗酸化アミノ酸とも呼ばれるグルタチオンには肌の老化を防ぐ働きが、
β−Dグルカンは免疫機能を活性化して病気にかかりにくくする働きが期待されます。
最近では、ビール酵母に発ガン抑制作用がある、高血圧の改善に有効であるなどの報告もあります。
ノコギリヤシエキス − 前立腺肥大の効果が期待される
北米ネイティブアメリカンが食べていた強壮効果の実

ノコギリヤシは北米原産のヤシ科シュロ属の低木で、ギザギザしたノコギリ状の葉をつけ秋には濃赤色の実をつけます。
ノコギリヤシの果実は北米ネイティブアメリカンの食用として、また男性の強壮、利尿、鎮静効果のある民間薬として用いられてきました。
唱歌「郁子の実」で知られるヤシは、ココナッツの実をつけるココヤシのことで、ノコギリヤシとは異なる種類のものです。
19世紀には移民を通じてヨーロッパに伝えられ、強壮効果のあるハーブとして一般家庭にも広まりました。
しかし、その医学効果が取り上げられるようになったのは、ごく最近のことです。
1990年、フランスのシャンポール博士による「前立腺肥大症に特異的な効き目がある」という報告が、とくにヨーロッパ医学界の注目を集めました。
現在、このエキス成分はドイツ、フランスなどで医薬品に使われています。
前立腺を肥大させる酵素の働きを抑制
前立腺は膜胱の下、尿道のすぐそばにあるクルミ大の腺組織ですが、中年期以降には男性ホルモンに変化があらわれ、夜間頻尿、尿が出にくくなるなど、前立腺肥大症を起こしやすくなります。
前立腺が肥大すると5α−リダクターゼという酵素が分泌され、ジヒドロテストステロン(DHT)を作り出すので、さらに前立腺を肥大させるという悪循環に陥ってしまうのです。
5α−リダクターゼは皮脂腺にも存在して発毛や育毛を妨げる働きがあるので、この酵素が多く分泌されると脱毛症の原因にもなります。
ノコギリヤシにはこの酵素の働きを抑え、前立腺肥大症を緩和する働きが期待されます。
セントジョーンズワート − 抗うつ作用にすぐれたハーブ
鬱症状という名の悪魔を追い払うハーブ

オトギリソウ科の多年草であるセントジョーンズワートは「聖ヨハネの植物」を意味する言葉です。
聖ヨハネの誕生日ごろに咲くこの草の花びらをこすると、赤い液体がにじみ出したところから、イエスに洗礼を与えた聖ヨハネの血からこの草が芽生えたと伝えられています。
セントジョーンズワートは日本名を西洋弟切草(セイヨウオトギリソウ)といいますが、日本や中国でとれる同じ仲間であるオトギリソウもまた、止血・消炎・鎮痛などの効果を高める生薬「小連勉(しょうれんぎょう)」として、さまざまな漢方処方に用いられています。
ヨーロッパでは古くから「悪魔を追い払うハーブ」として、外用として切り傷・火傷・神経痛に、内服では不眠・不安症・更年期症状・うつ症状の改善などに用いられてきました。
ウイルス感染を予防する有効成分が分かった

セントジョーンズワートが有名になったのは、著名な『イギリス医学ジャーナル』誌にハーブに関する30例の研究が取り上げられ、抗うつ剤と同様の効果をセントジョーンズワートが示すという発表がなされたことからです。
しかも、うつ症状が軽減・改善しただけでなく、口の渇き、便秘、めまいなど、抗うつ剤使用にありがちな副作用も見られなかったのです。
近年の研究では、セントジョーンズワートの有効成分、ハイぺリカム(ヒペリシン、プソイドヒぺリシン)には、レトロウイルスの増殖を妨げたり、ウイルス感染を防ぐ効果があり、エイズ、ウイルス性肝炎、ガン、関節炎、乾癖、潰瘍の治療薬としての働きが期待されています。
スッポンエキス − 疲労回復、精力増強、動脈硬化予防

スッポンは南米を除く熱帯から温帯にかけて、アジア、アフリカ、北米に広く生息する水生のカメの一種です。
中国では3000年前の、周の時代に王室の膳に供したという記述があり、滋養強壮、不老長寿の食べ物として珍重されていました。
中華料理に用いるスッポンのスープは漢方生薬の効用が認められ、コイ(鯉)の生き血と並ぶ強精効果があるといわれています。
日本では関東以西に広く分布しており、関西ではその丸い甲の形から「まる」とも呼ばれています。
ほかのカメと違う点は甲羅が柔らかく、首が長いところです。
スッポンは甲、爪、膀胱、胆嚢を除く部分がすべて食べられ、スッポン鍋、スッポン雑炊などの料理が有名です。
生き血は酒を加えて、強精剤や造血剤として飲まれています。
食用として出回るのは国内産(静岡・鳥取・佐賀など)の養殖物がほとんどで、天然物となると台湾、韓国、東南アジアからの輸入物になってしまうようです。
旬は冬眠に入る前の秋から初冬で、この時期のスッポンが最も脂が乗っていておいしいといわれています。
コレステロールの血管沈着を防ぐリノール酸
スッポンエキスは、良質のタンパク質(アルギニン、リジン、ヒスチジン、フェニールアラニン、チロシン、ロイシン、グリシン、アラニンなど18種類のアミノ酸)、カルシウム、鉄、ビタミンB群などを含んでいます。
また、動物性脂肪でありながら不飽和脂肪酸であるリノール酸が多く、血中コレステロールの血管壁への沈着を防ぐ働きが期待されています。
シソ(シソ油) − 免疫系を調整し、炎症やアレルギーを防ぐ
漢方では体表の血行を促進する発汗・解熱剤

シソ(紫蘇)の原産地は中国南部、日本に渡来したのは平安時代といわれています。
シソは本来赤ジソのことで、青ジソ(大業)はその変種です。
赤ジソのシソニン、ぺリラニンが酸と反応して赤く発色することから、梅干し、シバ漬けなどの色づけに使われます。
また、香りの強い青ジソは料理の薬味や刺身のツマなど、芽から葉、実まで食用に供される香味野菜です。
漢方では乾燥葉と種子を生薬に使います。
風邪薬に用いる漢方処方「香蘇散」は、陳皮、香附子、乾妻、甘草に紫蘇を加えた五味を、食塩を加えた白湯で服用する発汗・解熱薬です。
シソの薬性は「辛温」で、体表(皮膚)、腸管、気管粘膜の血行促進など、からだの表裏を温める働きがあり、健胃・整腸、発汗・解熱、魚肉の食あたり予防(防腐・殺菌)の効果があります。
シソ油に含まれるα−リノレン酸の健能効果
シソの実、または同じシソ科のエゴマ(中国名・荏)から抽出されるシソ油には、いま話題の必須不飽和脂肪酸、α−リノレン酸が約70パーセントも含まれています。
不飽和脂肪酸には、「オメガ6」系のリノール酸(紅花油、ヒマワリ油、コーン油などの代表的な植物油)と「オメガ3」系のα−リノレン酸(シソ油、亜麻仁油、魚の油に多く含まれる)があり、
どちらも体内では合成できず、食べ物から補給しないと不足するので、必須脂肪酸と呼ばれています。
α−リノレン酸には免疫系の過剰反応を調整して、炎症やアレルギー症状を抑えるほか、体内でDHA(ドコサヘキサエン酸)に変化することから、「健脳効果」も期待されています。
サラシア・オブランガ − 血糖値の上昇を防ぐ成分がある
アーユルベーダでは糖尿病を予防する薬草

サラシア・オブランガは、インドやスリランカなど、雨の多い亜熱帯の森林に自生するキシキギ科サラシア属のつる性低木で、淡いグレーまたはオレンジ色の実をつけます。
タミール語ではボンコランチといいます。
アーユルベーグ(インドの伝統医学)では、このつる性サラシア属の植物(樹皮や根)がリウマチ、耳の疾患、ぜんそく、湿疹、淋病、口渇(糖尿病)の薬として、
あるいは殺菌力にすぐれた防腐剤などとして用いられてきました。
インドでは古くから糖尿病に効く薬草として用いられてきましたが、最近の研究でサラシア・オブランガに、サラシノールという血糖値の上昇を防ぐ成分が見つかりました。
長い歴史と臨床経験をもつアーユルベーダ医学の一端が、科学的にも解明されたことになります。
ブドウ糖に分解する酵素の働きを阻害する
食べ物に含まれる糖質は、小腸でα−グルコシターゼなどの酵素によってブドウ糖に分解されます。
ブドウ糖が腸管から吸収されて血液中に入ると、それを感知した膵臓からブドウ糖の細胞への取り込みをうながしたり、余分なブドウ糖を体脂肪として蓄積するように働くインスリンが放出されます。
食べすぎ(糖質のとりすぎ)はインスリンの処理能力に大きな負担をかけて、過度の肥満や血糖値のコントロールを失わせることから、糖尿病を引き起こす可能性があります。
その点、サラシノールには糖質をブドウ糖に分解する酵素(α−グルコシターゼ)の働きを妨げるので、糖尿病を防ぐとともに、肥満の改善、ダイエット効果が期待できます。
コラーゲン − 関節の痛みの緩和、肌の美容効果
細胞同士をつなぐたんぱく質の「接着剤」

コラーゲンは、とくに皮膚、血管、腱、歯などに含まれる繊維状のタンパク質で、人体を構成する全タンパク質の約30パーセントを占めています。
仝コラーゲン量の約40パーセントが皮膚に、約20パーセントが骨や軟骨に、そのほか血管や臓器などに多く含まれています。
繊維や膜の状態で存在するコラーゲンは、
(1)体内臓器の形を作り、それを支える「枠組み」、
(2)細胞と細胞のすき間を埋めて、組織同士をつなぎとめる「接着剤」として、その弾力性に富む性質を十二分に発揮しています。
体内ではコラーゲンの分解と合成が絶えず繰り返されていますが、年齢とともに合成される分より分解される速度のほうが上回るようになります。
体内のコラーゲン量が減少してくると、皮膚の張りが失われ、徐々に肌の老化が進むことになるのです。
効率よくとるには、ビタミンCや鉄分もとる
コラーゲンはゼラチンやにかわ(膠)の原料に、また食用としてよく利用されてきました。
熱によって溶けやすい性質をもっており、私たちは豚骨スープ、骨付き肉の煮込み、魚の煮汁(煮こごり)などの料理を食べることで、知らず知らずのうちにコラーゲンをとっています。
コラーゲンが熱によって変成したものをゼラチン、さらに加水分解して分子量を小さくしたものをコラーゲンペプチドといい、サプリメントの素材として用いられています。

コラーゲンには、骨・関節疾患の痛みなどの緩和、骨の形成促進、肌の美容効果などが期待されます。
コラーゲンを効率よく利用するには、同時にビタミンCや鉄分をとることが推奨されています。
ゴマ − 老化防止、滋養強壮、免疫力の増強
白ゴマ、黒ゴマ、茶ゴマ、金ゴマの4種類

ゴマは、アフリカ原産、ゴマ科一年草の種実。
紀元前3世紀の古代エジプトで、ゴマが健康によいことや薬用に使われていたことが象形文字で記載されています。
日本でも縄文時代の遺跡からゴマが出土しており、奈良時代にはゴマ油が作られました。
平安時代の『延喜式』には、ゴマは料理や菓子に、ゴマ油は食用、薬用、灯火用に使われていたことが記されています。
昔からゴマは老化防止や滋養強壮に効果のある食品とされてきましたが、その50パーセント以上が油脂分で、そのほかに20パーセントの良質タンパク質、ビタミンE、ビタミンB群、カルシウム、鉄などが豊富に含まれています。
ゴマには、その形や色から
- 白ゴマ(小粒で油の含有量が多い)、
- 黒ゴマ(大粒だが油の含有量は低い)、
- 茶ゴマ(油の含有量は多いが、生産量が少ない)、
- 金ゴマ(粒の色から黄ゴマとも呼ばれる)
の4種類があります。
ゴマ特有のセサミノールに強力な抗酸化作用
黒ゴマはアントシアニン(色素ポリフェノール)の抗酸化作用が免疫力を高め、ゴマ油の原料となる白ゴマにはコレステロール値を下げるリノール酸(不飽和脂肪酸)が多く含まれています。
また、ゴマに多く含まれるセサミノールという成分は、抗酸化作用のあるビタミンEとともに、油脂分の変質(酸化)によって体内に過酸化脂質ができにくくする働きがあります。
しかし、ゴマ油は非常にエネルギー量が高いので肥満につながりやすく、
またリノール酸も過剰にとりすぎると過酸化脂質の原因になりやすいので、くれぐれも注意してください。
クマザサエキス − 免疫力の強化、抗ガン作用
古くから万病に効く民間薬として知られている

クマザサはイネ科単子葉類ササ属の植物で、南は鹿児島県の屋久島から北は北海道の原野まで、日本全国に広く自生しています。
やせた土地や高山にあっても、地下茎を縦横に張りめぐらす、強い生命力をもっています。
1〜1.5メートルの背丈で何十本も密生して群生し、葉の幅は約5センチメートルほどの広さがあります。
葉の外側が白く縁どられる(隈どり)ことから「隈笹」と書いたり、冬眠から覚めたクマが好んで食べるので「熊笹」と苦いたりします。
葉を煎じたクマザサ茶が、胃腸病、糖尿病、高血圧、ぜんそく、風邪など、古くから万病に効く民間薬として用いられてきました。
漢方の本場・中国では若さを保つ竹という意味から、クマザサに「箸(じゃく)」という字をあてていました。
また漢方の古典である『本草綱目』には「九孔を利す」とあり、「目・鼻・耳・口・尿口・生殖器・肛門」への薬効が記載されています。
リグニン・パンフォリンに発ガン効果を期待
このようなクマザサエキスの健康効果は、豊富に含まれるタンパク質(遊離アミノ酸)のほか、抗酸化作用のある葉緑素、細胞膜を強化するササ多糖体にあると考えられています。
近年、九州大学の村上浩紀・山藤一雄博士らが行った、ガン予防に関する動物実験では、クマザサの葉から抽出したリグニンという物質に制ガン作用が認められたという報告があります。
また、クマザサに含まれる防腐作用をつかさどるパンフォリンという多糖類にも、免疫力を増強して、ガン細胞の増殖を抑える、抗ガン作用が期待されています。
ギムネマ・シルベスタ − 肥満防止、糖尿病の予防
ギムネマの不思議な作用

インド中南部の高原地帯に自生する、ガガイモ科のつる性植物で、学名はギムネマ・シルベスタです。
ヒンズー語では「グルマール(砂糖を壊すもの)」と呼ばれています。
この葉を噛んだ後に砂糖などをなめると、一時的に甘味を感じなくなる特異な作用があります。
インドの伝統医学・アーユルベーダでは糖尿病の治療薬として、また健胃・利尿・強壮作用のある薬草として、2000年以上も前から用いられてきました。
19世紀の半ば、インドに駐在していた英国人将校が、グルマールの甘味を消す不思議な作用について本国に報告したところ、たちまち化学者や生理学者の注目を集めました。
その後、英国の化学者フーパーが、グルマールの葉から甘味を抑制する物質の抽出に成功して、それをギムネマ酸と名づけました。
腸管の糖分吸収を妨げ血糖値の上昇を抑える

近年、ギムネマ酸がトリベルペンを骨格にしたグルクロン酸をもつ配糖体であることが明らかになりました。
甘味だけが一時的に消える理由は、ブドウ糖に似た分子構造のグルクロン酸が舌の甘味を感じる部分に結合して、その感覚を麻痺させるためではないかと考えられます。
また、糖分を吸収する腸管のレセプター(受容体)を、ギムネマ酸が先回りしてブロックすることで、余分な糖分を体外に排出させます。
ギムネマ酸には、食後の腸管での糖分吸収を妨げて、血糖値の上昇を抑える働きがあり、肥満の防止にも大きな効果が期待できます。
ガルシニア・カンボジア − HCA効果で肥満を抑える
アーユルベーダ医学では食欲を抑える薬

ガルシニア・カンボジアは、インドや東南アジアに自生するオトギリソウ科の果樹(マンゴスチンの一種)です。
オレンジほどの大きさの果実でさわやかな酸味があり、果実や果皮は乾燥させて貯蔵され、カレーの酸味づけや魚の塩蔵保存などにスパイスとして使われてきました。
インドの伝統医学であるアーユルベーダでは、食べ物の消化を助け、食欲を抑える薬として何世紀にもわたって用いられてきました。
肥満のメカニズムを考えてみましょう。
食事でとった糖質は小腸から吸収されてブドウ糖に分解され、全身の筋肉に運ばれて運動エネルギーに消費されます。
この摂取エネルギーが消費エネルギーを上回る場合には、余分なブドウ糖はグリコーゲンに変換されて肝臓に蓄えられます。
さらに余ったブドウ糖は脂肪に変換されて「体脂肪」となり、肥満の原因になるのです。
HCA(ヒドロキシクエン酸)が糖質から脂肪への合成を阻害する
ガルシニアの肥満抑制成分は、果皮に含まれるHCA(ヒドロキシクエン酸)です。

食前にガルシニアをとっておくと、HCAの働きによって糖質とタンパク質の代謝がうながされ、エネルギーの消費レベルを上昇させるとともに、ブドウ糖から脂肪を合成する酵素の働きを阻害するので、余分な体脂肪の蓄積を抑えて、肥満を予防します。
また、「食欲」は肝臓に蓄えられたグリコーゲン量によって左右されますが、ガルシニアのHCA効果によってブドウ糖からのグリコーゲン生成量が高まり、肝臓での蓄積量が増えるので、血液中のブドウ糖濃度が安定して、空腹感(食欲)が抑えられるのです。
カモマイル − 鎮静効果、敏感肌や冷え性の改善
花を摘んでハーブティーや入浴剤に用いる

白い小花を咲かせるカモマイル(オランダ語でカミツレ、フランス語でカモミーユ)は、ヨーロッパ原産のキク科のハーブで、大型で一年草のローマン・カモマイル、小型で多年草のジャーマン・カモマイルがあります。
香りの性質は少し異なりますが、ハーブとしての効能の面ではよく似ています。
カモマイルはギリシャ語で「地上のリンゴ」という意味があり、その名前のごとく、リンゴに似たほんのり甘い香りを漂わせます。
花の部分を摘んで、生または乾燥させたものをハーブティーとして飲む、ポプリにする、煎じ液をお風呂に入れるなどの使い方があります。
とくに皮膚が弱い敏感肌や冷え性の人に、また筋肉疲労の改善などにカモマイル・バスや足浴がよく効きます。
そのほかにも、やはり煎じ液をフェイシャル・スチーム、ヘアリンスなどの美容目的で利用する方法があります。
風邪の初期症状をとる、穏やかな鎮静効果がある
昔から「医者の薬」と呼ばれる、ヨーロッパでは代表的な医療用ハーブで、不安や緊張を取り除く鎮静効果をはじめ、風邪の初期症状(のどや鼻の痛み)には発汗・保温・解熱作用など、即効的な効き目をあらわします。
ドイツではカモマイルが歯肉炎の予防や治療に有効と認めており、濃いめのカモマイル・ティーやエキスをマウスウォッシュに用いています。
また、穏やかな鎮静効果のあるアピゲニンという成分を豊富に含み、就寝前に飲むと心地よい眠りを誘うので(睡眠誘導効果)、別名「グッドナイト・ティー」と呼ばれているほどです。
カプサイシン − 脂肪燃焼の促進、肥満の改善効果
トウガラシを食べると熱くなり、汗をかく

1846年、英国の化学者がトウガラシ(唐辛子)の種子やめしべの一部に含まれる強烈な辛味成分の結晶化に成功し、カブサイシンと名づけました。
南アメリカ原産、ナス科一年草のトウガラシは、熱帯から亜熱帯にかけて分布していますが、日本には江戸時代に中国から伝えられ、その後、「七味唐辛子」として広く愛用されるようになりました。
また、調味料としては中華料理のラー油、イタリア料理のタバスコ、韓国の漬物キムチなどに用いられています。
トウガラシを食べると、からだがカッカと熱くなり、汗をかくという(味覚性発汗)体験からもわかるように、カブサイシンには体内のエネルギー代謝を促進し、皮膚温を上昇させて全身の血液循環をよくする働きがあります。
しかも、運動による発汗(エネルギー代謝・放熱)とは異なり、カプサイシンには食べるとすぐに発汗をうながす即効性があるのです。
エネルギー代謝を活発にして、肥満を改善する
小腸から吸収されたカブサイシンは、血液中に入ると、副腎皮質に働きかけてノルアドレナリン、アドレナリンなどのホルモンを盛んに分泌させます。

すると、これがエネルギーの代謝を活発にして、肝臓や筋肉中のグリコーゲンの分解をうながすとともに、体内に備蓄され皮下脂肪が燃焼されるように働くので、その結果として肥満の改善にも役に立ちます。
日本でおなじみの「鷹の爪(赤トウガラシ)」は、ぬか床に入れたり(風味づけ・殺菌)、米びつに貼る(防虫効果)など、古くからその強力な殺菌・防虫効果も利用されてきました。
オリゴ糖 − 大腸に届いて腸内善玉菌を増やす
特定保健用食品でおなじみの難消化性素材
オリゴ糖は、厚生労働省から認められたトクホ(特定保健用食品)の機能表示で「おなかの調子を整える食品」の素材として数多く登場する、おなじみの難消化性サプリメントです。
オリゴ糖の「オリゴ」とは「少ない」という意味でブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)などの単糖が2個ないし数個結合したもので、食物繊維(セルロース)などの多糖類に対して小糖類と呼ばれています。
代表的なオリゴ糖には、
- フラクトオリゴ糖(天然にはアスパラガス、ニンニクなどに含まれる)、
- 大豆オリゴ糖(サラッとした甘味、カロリーは砂糖の半分)、
- ガラクトオリゴ糖(天然には母乳やウシの初乳に含まれる、甘さ控え目)、
- キシロオリゴ糖(食物繊維に酵素を作用させて作る難消化性のオリゴ糖)、
などがあります。
ビフィズス菌を増やして大腸の機能を高める
・人間の胃や小腸では吸収されずに、善玉ビフィズス菌のいる大腸まで到達できる。
・ビフィズス菌がオリゴ糖を分解して、増殖のための栄養として利用することができる。
・腸内の悪玉菌(有害物質を作るウエルシユ菌など)には分解されにくい。
つまり、これら難消化性のオリゴ糖には、腸内ビフィズス菌の増殖を強くうながして、
便秘や下痢を改善する、
タンパク質の消化吸収を助ける、
ミネラルの吸収を促進する、
脂質代謝を改善する、
虫歯や歯垢の原因にならない(甘味料)などの効果のほか、さらに抗ガン作用などが期待されています。
エゾウコギ − 強壮・強精、抗ストレス効果
運動能力がアップ!

エゾウコギは薬用ニンジン(コウライニンジンや田七ニンジン)と同じウコギ科に属し、シベリア、千島、中国北部にも自生する、北海道(旧蝦夷地)産ウコギの和名です。
ロシアでは「命の根」を意味するエレウテロコックという名で、中国ではウコギの樹皮を用いた強壮・強精効果をもつ生薬が刺五加(薬用酒は五加皮酒)と呼ばれています。
1960年、旧ソ連アカデミーのブレフマン博士による「エレウテロコック(エゾウコギ)の薬効は薬用ニンジンよりもすぐれている」という評価をきっかけに、エゾウコギに関する研究が一気に進みました。
1980年開催のモスクワ五輪では、旧ソ連の選手たちがエゾウコギエキスを飲んで活躍したことが話題となり、とくに世界のスポーツ界から注目を集めました。
薬用にんじんを凌ぐ薬理効果が話題
日本における研究調査は、1973年、北海道大学(農学部・薬学部)、道立衛生研究所を中心に推進され、北海道東部(美幌地方)での生育が認められました。
採取したエゾウコギの染色体が中国産やロシア産のものと一致したことから、同一種類であることが確認されました。
サポニン配糖体を含む薬用ニンジンに対して、エゾウコギの根や茎に含まれる7種類の配糖体はトリテルベノイド系の配糖体で、その薬理効果は薬用ニンジンの6倍強といわれています。
とくにエレウテロサイド、イソフラキシジンなどの有効成分には、強壮・強精効果、抗ストレス作用、疲労回復効果、全身の免疫力強化などの働きが期待されています。
ローヤルゼリー − 老化防止、強壮効果、更年期症状の改善
はちみつとローヤルゼリーは別のものだ

ミツバチの社会は1匹の女王バチ、少数の雄バチ、圧倒的多数を占める雌の働きバチの3種類で構成されています。
女王バチは王台と呼ばれる部屋で、一生涯ローヤルゼリーだけを食べて育ちます。
働きバチは生後数日だけローヤルゼリーを食べますが、あとは外に出て自分で集める花粉とハチミツを食べます。
やがて女王バチは働きバチの2倍以上の大きさになり、卵を2000個以上も生み続け、寿命は働きバチの約40倍も生きるといわれています。
ところで、ハチミツとローヤルゼリーは、作られる過程も、その成分も全く別の物質です。
ハチミツは、採取した花の蜜を働きバチの大顎腺から分泌する酵素によって変化させ、熟成させた甘味の強い液状物質です。
一方のローヤルゼリーは、働きバチが食べた花粉を体内で分解・合成し、咽頭腺から分泌される乳白色のクリーム状物質で、特有のにおいと酸味があります。
ローヤルゼリーの優れた老化防止効果

ローヤルゼリーには、必須アミノ酸、ビタミンB群、アセチルコリン、イノシトールなど400種類以上の有効成分が含まれ、女王バチの想像を絶するパワーの源になっています。
デセン酸はローヤルゼリーだけにある天然の抗生物質で、強い殺菌作用や制ガン作用があります。
また、インスリンとよく似た作用があり、体内の糖代謝を正常に保つように働きます。
やはりローヤルゼリーだけに含まれる成分である類パロチンは、人間の唾液腺ホルモン(パロチン)によく似た物質で、筋肉、内臓、骨、血管などの老化を防ぐ働きがあります。
ローズマリー − 脂肪の消化促進、集中力・記憶力の向上

免疫細胞を活性化してガンを押さえ込む
ローズマリーは地中海沿岸地方の原産、古くから「海のしずく」と呼ばれるシソ科の常緑小低木で、細く伸びた30センチメートルほどの枝に、松葉のように細く短い葉をびっしりつけた、家庭園芸でもおなじみの代表的なハーブです。
初夏に紫やピンクの小さい花をつけます。
生業または乾燥させた葉をオリーブ油やワインビネガーに漬けたり、葉をそのまま、あるいは粉末にして料理の香辛料に使います。
やわらかく甘い香りとほろ苦さがあり、魚や肉料理の香りづけ、煮込みや蒸し焼きに用います。
ラム(ヒツジ)肉との相性がよく、ラム肉特有の臭みをローズマリーの香りがうまくまとめてくれます。
とくにラム肉のローストには欠かせないハーブです。
ローズマリーには脂肪分の多い食べ物の消化を促進する働きがあります。
集中力を高め、記憶力を向上させる香り
ローズマリーのハーブティーは、樟脳に似た強い芳香があり、くせのないすっきりとした飲み口が特徴です。
ローズマリーの香りのもとは、葉や茎に含まれる揮発性の精油成分です。
最近の研究で、この成分に抗菌作用や抗酸化作用があることが判明しています。
ローズマリーの芳香がさわやかな刺激をもたらすモーニングティーは、朝が苦手な人の頭をすっきりさせ、一日のはじめに活力を与えてくれます。
神経性の頭痛の緩和、集中力を高め、記憶力を向上させる働きも期待されています。
抗菌・抗酸化作用があるローズマリーの香り(精油成分)を発生させる、特別な装置を内蔵した新しいエアコンや空気清浄機などが開発されているそうです。
レシチン − 脳に必須の栄養素、高脂血症・動脈硬化の改善
60兆個ある細胞膜の主成分がレシチン

レシチンは約150年前にフランスで発見され、卵黄からの分離に成功した成分です。
ギリシャ語のレシトス(卵黄)にちなんで、レシチンと命名されました。
レシチンを多く含む代表的な食品は卵黄と大豆ですが、サプリメントの原料には大豆レシチンが使われています。
1930年にダイズ油の製造工程で偶然に発見されたのだそうですが、当初はその用途がよくわからず、強精剤と考えられていたこともあるそうです。
レシチンはリン脂質の一種で、ホスファチジルコリンとも呼ばれています。
人間のからだを構成している細胞の数は約60兆個あるといわれていますが、その生体膜(細胞膜・核膜・ミトコンドリア膜)の主成分がレシチンです。
また、脳神経系や血液、骨髄、心臓、肺、肝臓、腎臓、胃腸など主要な細胞組織には多く含まれ、脳、神経、細胞内の情報伝達物質として、それぞれの機能調節をつかさどる働きのほか、肝臓の代謝活動にも大きくかかわっています。
動脈硬化を予防
レシチンは、リン酸、コリン、グリセリン、脂肪酸の4つの要素で構成されていますが、リン酸とコリンの部分は親水性で水の分子と結びつきやすい性質があり、グリセリンと脂肪酸の部分は親油性で脂肪の分子と結びつきやすい性質をもっています。
そこで、本来は溶け合わないはずの「水分と脂肪分」が、レシチンを介在させることでよく混ざり合い、コレステロールへ脂質)が血液中のレシチン水分に乳化するようになりますし、
その結果、脂質の代謝が盛んになり、余分なコレステロールが血管壁へ付着するのを防ぐことができるようになります。
さらに脂質代謝が活発になると、中性脂肪や悪玉(LDL)コレステロールが減り、善玉(HDL)コレステロールが増え、血液がサラサラになるので、高脂血症の改善、動脈硬化の予防にもよい影響があらわれます。
また、エネルギーの代謝効率がよくなり、血糖値の低下、肥満防止などダイエット効果も期待できます。
脳の神経線維を守るミエリン鞘を強化
レシチンの構成要素のひとつであるコリンは、体内に吸収されると脳まで届き、脳神経伝達物質のアセチルコリンを作る材料になります。
アセチルコリンは脳の中でいわばコンピュータの回路をつなぐ役割を果たし、さまざまな生化学的な情報のやりとりを強力にサポートします。
人間の脳内には約30パーセントものレシチンが存在して、約140億個ともいわれる脳細胞の活動を支えており、別名「脳の栄養素」とも呼ばれています。
ところが、人間の細胞は20歳を過ぎるころから、1日に2万〜3万個ずつ破壊され、年々減少する細胞の数が増えていきます。
脳細胞の破壊・減少もその例外ではありません。
脳の神経線経はレシチンでできたミエリン鞘という絶縁質で覆われていますが、このミエリン鞘が傷つくと神経線経が大きなダメージを受け、脳血管性痴呆症やアルツハイマー病の原因ともなります。
したがって、日ごろからレシチンをしっかり補給して、脳細胞の破壊を最小限に食い止める必要があります。
食品の乳化剤としての特性を薬品に応用
レシチンは、水分と脂肪分を混ざりやすくする特性(乳化性、湿潤性)を生かした食品添加物(乳化剤)として、マーガリン、ケーキ、アイスクリーム、チョコレートなど脂肪分を多く含む食品をはじめ、薬品の加工分野などにも広く利用されています。
霊芝 − 虚血性、心疾患の予防、ガン細胞の増殖抑制

漢方の生薬名である霊芝は、万年茸(マンネンタケ)の和名をもつ担子菌類サルノコシカケ科マンネンタケ属のキノコです。
クヌギ、コナラ、ウメなど広葉落葉樹の枯れ木、古木などに生えるキノコで、笠の色は赤褐色か淡褐色、笠の裏側は黄白色で無数の小穴があります。
笠と柄は乾燥するとそのまま長期保存ができることから、万年茸の名がついたといわれています。
古代中国では宮中に霊芝を生じると、「天下泰平のしるし」と喜び、瑞兆を視う宴を催したということです。
中国の薬草書『本草綱目』では、笠の色から赤芝・青芝・黄芝・白芝・黒芝・紫芝の6種類をあげ、「久しく食すれば、身を軽くして老いず、年を伸ばして神仙となる」と記し、
漢方生薬の中でも最高の「上薬」に位置づけています。
免疫細胞を活性化してガンを押さえ込む
霊芝が発揮するすぐれた効果は、多くの病院や研究機関の動物実験、臨床試験によって明らかにされつつあります。
中医学(中国の伝統医学)でいう療血(血流の滞り、粘性の血液)を改善する霊芝の働きは、冠動脈の血流改善、コレステロール値の低下、血栓の形成予防、高血圧の改善など、虚血性(血管が詰まり、血液が流れない)心臓病への効果を示しています。
ガン治療への研究も進められており、霊芝に含まれるβ−Dグルカンなどの成分に、抗ガン剤のようにガン細胞を直接攻撃するのではなく、
生体の免疫システムを強化し、マクロファージ(大食細胞)など免疫細胞を活性化させて、ガン増殖を抑え込む効果が期待されています。
卵黄油 − 動脈硬化・心筋梗塞の改善、アルツハイマー病の予防
民間療法のバイブル「赤本」に解説あり

卵黄油は鶏卵の黄身を約2時間、じっくりトロ火で煎ると最後に残る、ごく少量の油です。
鶏卵さえあればすぐに作れる卵黄油ですが、民間療法としての歴史は古く、その発祥は奈良時代とも伝えられています。
また、江戸時代には将軍が愛飲していたともいわれています。
古くから卵油とも呼ばれる家庭療法として用いられ、大正14年に発刊された『家庭における宴際的看護の秘訣』(通称「赤本」)にも、心臓病、若白髪などが改善された実例をはじめ、血行の改善、肩こり・腰痛の緩和、疲労回復、活力増強など多数の用例が紹介されています。
同書には、卵油の効用として
- 筋肉によい栄養源となる。
- 筋力だけでできている心臓の働きによい。
- 血のめぐりをよくしてハゲや白髪を防ぐ力がある。
- 血行不良が原因となる肩こり、筋肉の改善に役立つ。
- 外用すれば、痔にも有効である。
- 女性が最も気にする自然の美肌づくりにも大いに役立つ
など、おもに血液の循環をよくする働きがあげられています。
手軽にできる卵黄油の作り方レシピ紹介
参考までに、卵黄油の作り方を紹介しておきましょう。
はじめに鶏卵の黄身を10〜20個、フライパン、柄の長いしゃもじを用意します。
作り方の手順は、
(1)黄身をフライパンに入れ、トロ火にかける。
(2)煎り卵を作る要領でよくかき混ぜ、黄身がポロポロになってきたら、しゃもじで押しっぶしながら、平均に焼けるようにかき回す。
(3)さらにかき混ぜると、全体が狐色から、やがて濃い茶色に変わり、濃い異臭が出てくる。
(4)黒くポロポロになった黄身を押しつぶすようにすると、徐々にベトベトになり、黒い液体がにじみ出てくる。
(5)充分に油が出たところで火を止め、焦げないうちに黒い液体(卵黄油)を容器に保存する。
卵黄のレシチンがサラサラにする
卵黄油には細胞膜の構成成分であるリン脂質が約30パーセント含まれています。
このリン脂質の中にはレシチンが含まれています。
レシチンには血液中のコレステロールを乳化させる働きがあり、コレステロールなどが血管壁に付着して、動脈硬化を促進したり、血栓を形成するのを防ぐ効果があります。
レシチンにはさらに、血中の中性脂肪や悪玉(LDL)コレステロールを減少させ、善玉(HDL)コレステロールを増加させる働きがあります。
その結果、過酸化脂質の増加による血栓の付着を防止して、血管の内腔(通り道)を広くすることから、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの循環器疾患を予防します。
血中の脂質か減少することで、血液かサラサラになり、全身の血行もよくなるので、冷え性やのぼせなど更年期の不快症状、低血圧、肩こりなどにも大きな効果が期待されています。
また、レシチンには筋肉を強化する効果があり、とくに心筋(心臓を動かす筋肉)を強化して心臓の機能を高める作用があり、動悸・息切れや心筋梗塞の予防に効果を発揮します。
コリンとDHAがアルツハイマー病を防ぐ
やはりレシチンを構成するコリンは、脳の中に届いて脳の伝達物質であるアセチルコリンに変化し、神経細胞間で生化学的な情報をやりとりする重要な媒体となります。
また、近年の分析研究では、卵黄油にDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれることが判明しています。
アセチルコリンもDHAも、ともにアルツハイマー病への薬理効果が研究されており、卵黄油に含まれるコリンやDHAをとることは、痴呆症の予防にも有効であると考えられます。
羅漢果エキス − 抗菌・消炎効果、確尿病予防、ダイエット効果
すぐれた抗菌・消炎作用のど飴に配合

羅漢果は中国の山西省の山岳地帯にしか自生しない、ウリ科多年草の果実です。
香りが高く非常に強い甘味があり、中国では古くからこれを乾燥させて保存し、不老長寿の薬として珍重してきました。
また、漢方の生薬「神栄」としても、活熱・止咳・去疾・肺の湿潤・造血・胃腸の機能促進・利尿・便秘など、病気の予防や治療に用いられてきました。
羅漢果の名前は、仏教修行者が到達をめざす完成の境地「阿羅漢呆」に由来するとも、清朝時代に山間部の少数民族ヤオ族の医師・羅漢がその薬効を明らかにした功績ともいわれ、清朝の国王は他国への持ち出しを禁じていた貴重な果実でした。
現代の中国では、羅漢呆を原料にした咳止め、ぜんそくの発作を抑えるシロップ剤や錠剤、熱湯を注いで飲む固形剤などが作られています。
日本でものど飴などに配合され、すぐれた抗菌・消炎作用が認められています。
甘さは砂糖の400倍なのに低カロリー
1983年、甘さが砂糖の300〜400倍という羅漢果の甘味成分に着目した徳島文理大学生薬研究所の竹本常松教授らは、驚くほど低カロリーの新しい甘味成分モグロサイド(配糖体トリテルペングリコシドの一種)を発見しました。
モグロサイドは難消化性のオリゴ糖と同じ食物繊維の仲間で腸管から吸収されにくく、ほとんどエネルギー(カロリー)になりません。
したがって血糖値の上昇を防ぎ、インスリンの過剰分泌を抑制することから、糖尿病の予防・治療にも、肥満改善のダイエットにもよい甘味成分として、大きな期待が寄せられています。
ヤマブシタケ − 高い抗がん作用、ボケ防止効果に期待

ヤマブシタケは日本では数が少ないサンゴバリタケ科のキノコで、クヌギ、クルミ、シイなど広葉樹の樹幹や切り株に自生しています。
ウサギが長い耳を垂らしたような形をした子実体の中央部から先端部分は針状になっており、さらに針の表面には胞子が垂れ下がって見えます。
中国では猥頭荘(ホウトウクウ)と呼ばれ、昔から食用にされていたようです。
薬効が紹介されたのはつい最近のことで、1978年に刊行された『中国薬用真菌』には「消化不良や胃潰瘍、神経衰弱、身体虚弱に効く薬用・食用キノコ」と記述されています。
ヤマブシタケの和名が登場したのは、大正時代のことなのだそうです。
山伏は山野を駆けめぐる修験者ですが、彼らが着る鈴懸衣の前後に渡した結袈裟にある「丸い飾り」が、キノコの形によく似ているところから、当時の薬草研究者・白井光太郎が命名したということです。
抗がん効果やボケ防止効果が期待される

薬用キノコ類に多く含まれるβ−Dグルカンは、これまでの臨床研究でも高い抗ガン作用が確認されていますが、
ヤマブシタケに含まれる5種類のβ−Dグルカンのうち、ガラクトキシログルカン、マンノグルコキシランはヤマブシタケだけに含まれている成分で、際立って高い抗ガン効果を示しています。
また、脳細胞の老化がもたらすアルツハイマー型痴呆症の進行を遅らせ、神経細胞成長因子の生成を促進するヘリセノン、エリナシンという物質が含まれることが判明し、ヤマブシタケのボケを予防する働きが期待されています。
モロヘイヤ − 高栄養・緑黄色野菜の免疫力アップ効果

カルシウム、カロテンをたっぷり含む
モロヘイヤはシナノキ科の一年草で、草丈25〜30センチメートルほど、シソに似た葉は刻むとオクラのような粘り気が出てきます。
味にはとくにクセがなく、生業のままサラダやおひたし、和え物、酢の物に、または天ぷらにしてもおいしく食べられます。
つい20年ほど前、日本では沖縄などでの栽培が始まったばかりですが、モロヘイヤはきわめて栄養価の高い健康野菜として注目されています。
とくにカルシウム、カロテンの含有量が高いという特徴があります。
カルシウムではホウレンソウの約9倍、ブロッコリーの約10倍、プロビタミンA(体内でビタミンAとして働く)であるカロテンはホウレンソウの約5倍、ブロッコリーの約19倍もあります。
このほかにも、ビタミン跳、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、鉄分などが豊富に含まれています。
王様のスープが生体の免疫力を強化する
原産地はエジプトを中心とする地中海東部地方で、古代エジプトではすでに食用とされていました。
その昔、アラビアの王様(マリク)が内臓不調の折に、このスープを飲んだところ、みるみる元気になったことから、「王様(マリク)のスープ」を意味するモロヘイヤと呼ばれるようになったということです。

モロヘイヤのぬめり成分は粘液多糖類で、血中の過剰な中性脂肪やコレステロールを低下させるほか、生体の免疫力アップや細胞の保水力を高める働きがあり、
花粉症、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患への効果も期待されています。
メシマコブ − 日本で発見、韓国で実用化された抗ガン活性

女島の古桑の木に発見された薬用キノコ
メシマコブは、担子菌類のタバコウロコタケ科キコブタケ属のキノコです。
一般によく知られるサルノコシカケの近縁種で見かけもよく似ています。
メシマコブという名前は、たくさんの野生種の桑が生育していた長崎県男女群島の女島(メシマ)で、コブ状に寄生した野生株が多く見られたことから「メシマ・コブ」とつけられました。
メシマコブの学名、フエリナス・リンテウス・アオシマには、発見者である青島清夫氏の名前が入っています。
近年、養蚕業の衰退によって桑の木が少なくなり、現在では女島でも野生株を見つけることが難しくなっているようです。
担子菌類は植物に寄生して栄養分をもらうキノコですが、メシマコブは桑の古木に寄生して、はじめはコブ状からしだいに扇状に育ちます。
桑の木についたメシマコブの胞子は、糸状の菌糸を伸ばして大きくなると、やがて成長した菌糸が集まって菌糸体を作ります。
さらに菌糸体は目に見える大きさのキノコの笠や軸(子実体)となり、これが食用部分になるのです。
笠の長径が8〜12センチメートル(こぶし大)に育つまでに10年ほどかかり、大きいものでは30センチメートルを超える20〜30年ものもあるといいます。
抗腫瘍活性の比較研究で高い値を示した
中国では桑の木に生えるキノコを、その笠の裏側が黄色いところから、「桑黄(サンファン)」と呼んで、2000年以上前から長く珍重されてきました。
中国の代表的な薬草書『本草綱目』にも、桑黄は慢性病の諸症状に著効があると紹介されています。
1968年、めぼしい担子菌類の薬用キノコを集めて行われた池川哲郎博士(国立がんセンター研究所)らの抗腫瘍活性の比較研究で、メシマコブが非常に高い値を示しました。
その池川博士の研究成果に触発された山名征三医師(広島・西条病院)が、ガン患者の協力を得て行った臨床投与試験においても、すぐれた抗ガン作用が確認されたのですが、
当時は野生の桑の木が激減して、野生のメシマコブが入手困難であったこと、人工栽培が難しいなどの理由で、せっかくの研究が中途で頓挫するという憂き目を見ることになります。
韓国での取り組みは国家的プロジェクト
その後、貴重な日本での研究成果をもとに、韓国での開発研究が開始されるとともに、メシマコブの菌糸体の培養技術が完成したのです。
そして、産学共同の薬理研究が科学技術省主管の国家的プロジェクトとして推進されることになり、そこで関東されたメシバコブエキス製剤が1993年に韓国政府から抗ガン剤として認可されました。
この開発研究は韓国内で高く評価され、とくに功績のあった韓国生命工学研究所の愈益東博士は、韓国のノーベル賞ともいわれる1998年度の茶山技術賞を受けています。
抗がん剤との併用で、すぐれた治療効果
韓国ではメシマコブという名前は使いません。
しばらく前までは中国名の桑黄(サンファン)で呼ばれていました。
現在では学名の「フエリナス・リンテウス」の頭文字のPLをとり、日本・韓国から集めた13種類のメシマコブ菌糸体の中から、最も変異のない菌株にPL2株、PL5株という名前をつけました。
人工培養に成功したPL2株、PL5株から熱水抽出したエキスを、PL2、PL5と呼んでいます。
韓国では抗ガン作用のある医薬品として、おもに抗ガン剤との併用で使われており、すぐれた治験成績がいくつも報告されています。
メグスリノキ − 肝機能改善、眼病にも効く、一石二鳥効果

千里眼の木、長者の木とも呼ばれている
わが国の特産種であるメグスリノキは、本州宮城・山形県以南、四国、九州の標高700メートル前後の山地に自生するカエデ科カエデ属の広葉樹で、イチョウのように雌雄異株、樹高が10〜25メートルにも達する落葉高木です。
初夏にはひとつの花序に3つの花をつけます。
メグスリノキの学名であるアーサー・ニッコインシス・マキシムは、栃木県日光で採取されたことに由来しています。
中国にはない日本の固有種であり、漢字(中国)名はありません。
葉を煎じた汁で洗眼すると「目の病気によい」という古来よりの民間療法から、ずばりメグスリノキ(目薬の木)と呼ばれるようになりました。
自生する地域によって、チョウジャノキ(長者の木)、センリガンノキ(千里眼の木)、ミツバナ(三つ花)などの異名があります。
はやり目、ものもらいに効く大衆民間薬
江戸時代の代表的な薬草書『大和本草』ではメグスリノキにふれていません。
それは東北の一部から関東北部だけで多く使われ、全国的にまだ知られていなかったためと考えられます。
当初は、メグスリノキの葉、小枝、樹皮を煎じた汁で目を洗い、ただれ目(眼瞼縁炎)、はやり目(流行性角膜炎)、ものもらい(麦粒腫)などの眼病の治療に使われていました。
それとは別に、少し後になって煎じた液を濃縮、黒い飴のように固め、それを絹の小袋に入れ、ハマグリの貝殻に封じたものが売られるようになりました。
使用時には.杯に入れた小袋に清水を加えてもみ、にじみ出た液を指などにつけ、これで目を洗うという膏薬型洗眼薬です。
江戸時代に用いられたメグスリノキも、これらと同じ膏薬型の洗眼薬であったと思われます。
ちなみに、顔を上に向けて薬液を滴下する点眼式の目薬が登場するのは、1867(慶應3)年の「精錆水」が最初で、明治初期からは西洋医学の浸透によって、現在のような点眼式目薬が主流になっていったのです。
葉や樹皮に含まれるロドデンドロール
1970年代に入ると、星薬科大学・伊沢一男名誉教授が薬用植物採集のフィールドワーク中に学生たちにメグスリノキの存在を教え、それがきっかけで同大学生薬学教室が本格的な成分研究に着手するようになったのでした。
伊沢名誉教授の著書『薬用植物大百科』には、
(1)葉に含まれるタンニンには、細菌の増殖を抑える抗菌作用、傷を修復させる収赦作用があり、それがさまざまな目の疾患に有効に働くのではないか。
(2)葉や樹皮に含まれるロドデンドロールは、肝機能を改善し、解毒作用を高める効果があるので、黄痘症状をとり、肝臓疾患に有効な成分であるなど、メグスリノキに期待されるさまざまな効果について記述されています。
東洋医学理論「肝気は目に通ず」を実践
星薬科大学の篠田正人教授らは、「肝障害を起こさせたモルモットにメグスリノキのアルコール抽出液を投与したところ改善が見られた」とする学術発表を行っています。
この発想は、漢方の古典『素間』にある
「肝気は目に通ず。
肝和すればすなわち、日は能く五色を分かつなり(肝は目を通して外界と交流し、ものを視る目の機能に反映される。
肝の働きが衰えると目が疲れやすくなり、逆に目を酷使すると肝の機能を損なうこともある)」
に通じるものであり、目と肝臓の働きに密接な関係ありとする東洋医学の理論を実証することになりました。
最近では肝機能改善のためにメグスリノキの乾燥葉をお茶として飲む人が多く、結果的に目にもよいという一石二鳥の効果が期待されています。
ミドリイガイエキス − リウマチ、関節炎、神経痛を緩和する
マオリ族が精をつけた食品

ミドリイガイはニュージーランドの近海にだけ生息する、光沢のある緑色と丸みを帯びた三角形の殻が特徴的なイガイ(始貝)科パーナ属の二枚貝です。
和名を「モエギイガイ(萌黄飴貝)」といい、その属名パーナから日本の水産業者の間ではパーナ貝とも呼ばれています。
熱帯地域を除く世界中でとれる、殻が黒紫色のムール貝(紫胎貝)と同じ仲間の月です。
ニュージーランドの先住民、マオリ族は昔からこの貝をそのまま食用としていますが、スペイン料理のパエリヤ鍋、ワイン蒸しなどでおなじみのムール貝にも負けない美味です。
マオリ族の間には「この貝を食べれば痛みが去り、からだに春が戻ってくる」という意味の伝承歌があり、古くから痛みの除去や「精」をつける食品として珍重されてきました。
注意学の理論でも活血作用が説明できる
1960〜1970年代にかけて、ミドリイガイから抽出したエキスの米国での研究が進み、それまで知られてきた関節リウマチの痛みだけでなく、神経痛、腰痛にも効果があることが判明しました。
ミドリイガイエキスを希釈して用いた、英国のホメオパシー病院での臨床治験でも、その改善率がリウマチ75パーセント、関節炎45パーセントという結果を示しました。
元静岡薬科大学学長の小菅卓夫博士らは、中医学(中国の伝統医学)におけるリウマチの治療理論からミドリイガイの薬理作用を考察したところ、
コウライニンジン、甘革などの生薬と同じ「補気作用」をもち、しかもそれらを大きく上回る活血効果があったと報告しています。
マテ茶 − 新陳代謝促進、血圧降下、動脈硬化の予防
南米で飲まれている健康茶

マテ茶は、イグアスの滝で有名な中南米のブラジル西部、アルゼンチン、パラグアイとの国境に接するパラナ川流域に産する、モチノキ科の常緑樹ゼルバマテの葉や茎を用いています。
スペイン語でマテは「ヒョウタン」をあらわす言葉で、ヒョウタンの容器に入れたマテ茶をボンピージャーと呼ばれるストローを差し込んで飲む習慣にちなんで名づけられました。
古くから先住民のインディオやガウチョ(南米のカウボーイ)たちが飲んでいたポピュラーな健康茶で、現在ではブラジルをはじめ南米各地で、日本人に緑茶を飲む習慣があるのと同じようにマテ茶が愛飲されています。
緑茶、紅茶、コーヒーよりもカフェインの含有量が低いので、胃への刺激も少なく、サッパリとしたマテ茶の味は、子どもたちが飲むにも適したお茶です。
心身を活性化させる特有成分のマテイン
グリーンマテ(緑茶タイプ)とローストマテ(焙じ茶タイプ)がありますが、いずれも、ビタミンA、ビタミンB群、鉄分、カルシウム、コリン、マテインなどが豊富に含まれています。
コリンは体内でアミノ酸から合成される水溶性のビタミン様物質で、血管を拡張して血圧を下げる作用や、コレステロールを乳化させるレシチンを作って動脈硬化を予防します。
マテ茶にはマテインというカフェインに似たアルカロイドで、カフェインよりも緩やかに作用する特有の成分が含まれています。
マテインには自律神経を刺激して、心身を活性化させる働きがあり、血液の循環をよくして、細胞の新陳代謝をうながす効果が期待されています。
マカ − 精力増強作用、受胎カアップ、ストレス解消

高地で育つマカ
マカはダイコンやカブと同じアブラナ科の宿根草で、原産地は南米ペルーの標高4000メートル級のアンデス山地です。
その栽培の歴史は古く、インカ帝国成立以前の約2000年前から、年間の平均気温は7度以下、冬は常時氷点下という厳しい気候条件の高地で栽培されていました。
紀元前1600年ごろと推定される考古学の発掘地域では、原始的な栽培場が発見されています。
インカ帝国の時代には、催淫剤や強壮剤として珍重され、アンデスの民の精力増強、受胎促進に大きな効果をもたらしたといわれています。
カブのようにふくらんだ球根状の塊茎をもつマカの根は、アンデスに住む人々にとって最も高い栄養価のある食べ物として辛さと甘さを抱き合わせた風味があり、新鮮な生のマカはそのまま焼く、蒸すなどの方法で調理し、食卓に欠かせない食べ物とされてきました。
マカの驚異の精力増強パワー − 馬や羊が繁殖能力を取り戻した
乾燥したマカは何年もの長期保存がきくことから、より高度の低い地域でとれるコメ、トウモロコシ、マメなどの穀類との交換がきく貴重な交易資源として扱われました。
乾燥させたマカは保存食として利用され、ドロドロになるまで煮込んでマカ粥にするなどの食習慣が、アンデスの人々の栄養補給源として、その生活と健康を支えてきました。
このほか、マカチチヤと呼ばれる甘くて芳しい発酵飲料の原料にもなっています。
ペルーなどの南米一帯を征一服したスペイン人は、ヨーロッパからウマやヒツジなど彼らの家畜を多数持ち込みましたが、ペルー高地での環境に適応できず、あまり子どもを産むことができませんでした。
しかし、アンデス先住民の勧めでマカを餌として食べさせたところ、次々に妊娠・出産する家畜が増えたといいます。
200年前のスペイン統治時代には、家畜の繁殖能力増強のために、アンデスの村に9トンものマカを供出するよう命じた記録が残っています。
ステロールの免疫機能調整作用に注目
マカには豊富な炭水化物、タンパク質、食物繊維、脂肪、必須アミノ酸、鉄分、カルシウム、リノール酸、リノレン酸、パルミチル酸などの不飽和脂肪酸、さらには植物油脂に含まれる植物ステロールも多く、
コメやムギ、トウモロコシにも劣らない栄養成分が含まれています。
植物ステロールには、小腸でのコレステロール吸収を妨げ、血中コレステロール値を低下させる働きがありますが、近年では良性前立腺肥大症を改善する効果や免疫機能調整作用(慢性関節リウマチの症状改善、花粉症などのアレルギー抑制)への応用研究も進んでいます。
スタミナ維持、性機能強化に大きな期待

古くからしばしば「アンデスの高麗人参」とも呼ばれ、南米の強壮剤として名を馳せたマカですが、1961年、ネズミを使った実験でマカの生殖能力増強作用が実証されています。
これまでの化学分析試験では、媚薬効果があることで知られる芳香成分、イソシオシアネートや、性機能増強作用があるといわれるグルコシノレートという成分などが検出されています。
粉状にすりつぶされた乾燥マカは、ペルーや欧米諸国ではスポーツ選手などのスタミナ維持や持久力強化、おもに男性の性機能を向上させるなどの効果が期待されています。
また、女性の月経不順改善(月経周期の正常化、不妊症の治療)、女性ホルモンの減少によるめまい、のぼせ、イライラなど更年期特有の不快症状の軽減への効果が期待されています。
マイタケ − 免疫力増強、抗ガン作用、血糖値・血圧調整効果

人工栽培が成功するまでは「幻のキノコ」
マイタケはサルノコシカケ科の食用キノコで、クリやナラ、シイなど広葉樹の根株に発生します。
直径15センチメートル前後、大きなものでは60センチメートル(5キログラム)にもなります。
歯ごたえがあり、風味もよく、煮物、汁の実、バター妙め、天ぷらなどにします。
扇子が重なり合うような形が「舞い姿」に見えることから、マイタケと呼ばれています。
30年ほど前にオガクズ培地などによる人工栽培が成功するまでは、まだ自生している天然物のマイタケが珍しく、長い間、幻のキノコともいわれてきました。
江戸時代には、マイタケを献上すると殿様から褒美が出たといわれる貴重なキノコで、それをロにした殿様がうれしさで思わず舞い上がり、マイタケ(舞茸)という名前がついたという説もあるほどです。
�]フラクションが血中脂質を低下させる
マイタケにはタンパク質が100グラム中3.7グラムと、キノコの中ではマッシュルームに次いで多く含まれています。
カリウムや鉄などのミネラル、ビタミンB群(とくにB1はヒラタケに次いで多く、Rはキノコ中トップの含有率)、エルゴステリン(ビタミンD)のほか、β−グルカンの含有率が高いことが知られています。
キノコ類の子実体に多く含まれる多糖類、β−グルカンは、体内の感染細胞やガン細胞を攻撃するマクロファージ(大食細胞)やNK(ナチュラルキラー)細胞、キラーT細胞を活性化させることで、細胞性免疫力を高め、強い抗ガン作h用を発揮します。
β−グルカンは直接ガン細胞を攻撃するのではなく、免疫レベルを上げて発ガンそのものを抑制するように働き、免疫賦活剤としての効果が注目されています。
そのほか、マイタケ独自の「�]フラクション」という物質に、血糖降下作用、利尿作用、血圧調整作用をはじめ、血中コレステロール値や中性脂肪値を低下させる働きが期待されています。
β−グルカンに強い抗がん効果がある
ブドウ糖や果糖など糖質の最小単位(単糖)が多数結合したものを多糖類といい、その多糖類のひとつにブドウ糖のみが結合したα型とβ型のグルカンがあります。
α型のグルカンにはデンプンなどが、β型のグルカンには紙の繊維質であるセルロース=β−(1−4)グルカンなどがあります。
このβ型グルカンの精製過程で4番目(A、B、C、D)に得られた分画(フラクション)であるβ−(1−3)Dタイプのグルカンに最も強い抗ガン作用が認められることが、最近の研究で明らかにされています。
これまでにも、β−グルカンほガンの治療薬としておもにキノコ類から抽出されており、カワラタケから抽出されるクレスチン(PSK)、
シイタケから抽出されるレンチナン(LNT)、
スエヒロタケから抽出されるソニフィラン(SPG)の3種類が、ガンの免疫療法剤として現在までに実用化されています。
抗がん剤との併用で副作用も軽減される

マイタケに含まれるβ−Dグルカンは、とくに「M(マイタケ)Dフラクション」と呼ばれていますが、
1998年の日本薬学会において、神戸薬科大学の難波宏彰教授が乳ガン、肺ガン、肝臓ガンの患者の中でガン細胞の退縮例が見られ、退編が認められない例でも腫瘍マーカーの低下、免疫細胞の活性増強などの改善が認められたと報告しています。
抗ガン剤(化学療法)との併用では、嘔吐や下痢などの副作用が軽減され、より強い抗ガン効果が得られるとされています。
ポーレイ茶 − コレステロール・中性脂肪減少、ダイエット効果

本場中国で「薬茶」と呼ばれる後発酵素
ポーレイ茶はミャンマーとの国境に近い中国・雲南省の高地に産し、葉が厚く大きい「雲南大業種」の茶樹から作られる後発酵茶です。
代表的な中国茶の種類には、
- 緑茶(不発酵茶)……中国では釜妙り茶、日本の緑茶は蒸して乾燥させる。未成熟な新芽を用いることが多い。
- 青茶(半発酵茶)……成熟した新梢を用い、中途で加熱して酵素活性を止める。ウーロン茶。
- 紅茶(強発酵茶)……充分に発酵させるブラックティー(紅茶)。
- 黒茶(後発酵茶)……まず釜妙り茶を製造し、そのあと乾燥させず、黒麹菌を用いて長期間発酵熱成させるポーレイ茶、
などの種類があります。
黒茶は中国で「薬茶」とも呼ばれ、後発酵茶特有のにおいがありますが、脂っこい食事と一緒に飲むと口の中がさっぱりして、まったく胃にもたれません。
脂っこい料理でもダイエット効果がある
ポーレイ茶という呼び名は広東語の発音で、北京語ではプーアル茶といいます。
茶葉を円盤状にする餅茶、茶葉を固めない散茶、長方形の樽茶、キノコの笠状の柁茶などの種類があり、古い年代物ほど価値があるとされています。
中国では食中食後にポーレイ茶を飲む習慣があり、脂っこい中華料理を食べてもスリムな体型を維持できることから、ダイエットに適した減肥茶と呼ばれています。
後発酵茶であるポーレイ茶には、血中のコレステロールや中性脂肪を低下させ、老化の原因となる過酸化脂質の生成を防ぐサポニンや、整腸作用をうながすタンニン(茶の渋味=カテキン)などの有効成分が多く含まれています。
プロポリス − 抗菌・抗炎症作用、期待される抗ガン効果

巣の内部を無菌状態に保つ抗菌ペイント
プロポリスはミツバチの巣から取り出される樹脂状の物質で、「ハチヤニ(蜂脂)」とも呼ばれます。
水に1滴垂らすと、水の表面でさっと広がって、ヤニ特有のにおいが漂います。
ミツバチは松などの樹木から集めた樹液に、自分が分泌する唾液(酵素)を混ぜ合わせ、さらにミツロウ(蜜蝋=ピー・ワックス)や花粉(ピー・ポーレン)を加えたものを、巣の入り口や通路の内側に塗りつけます。
ミツロウとハチヤニ(プロポリス)は混同されやすいのですが、全く違う物質です。
ミツロウはミツバチの下腹部から分泌された脂肪が固まったもので、ロウソクや口紅の材料、建物の内装用ワックスとして使われています。
巣の内側に塗られるワックス状のプロポリスは、外敵から巣を高度な無菌状態に保ちます。
樹木は外敵から身を守るための抗菌成分を樹液に含んでおり、プロポリスにも当然すぐれた抗菌力があるのです。
ひとつの巣には5万匹以上のミツバチがいますが、外から帰ってきた働きバチは抗菌ペイントされた通路を通るたびに、プロポリスの関所で消毒されていたのです。
プロポリスの名前は、ギリシャ語のプロ(前面を)、ポリス(都市国家)を語源としており、ミツバチがこれを巣の入り口に塗ることで、内部に外敵や雑菌が入らないようにする防御物質としているのです。
プロポリスの効用は古代ギリシャ、ローマ時代からよく知られており、アリストテレスは『動物誌』の中で皮膚疾患、切り傷、感染症に効果があると書いています。
ヨーロッパや南米のブラジルでは、プロポリスが火傷、ニキビ、イボ、帯状庖疹などの民間薬として古くから使われていました。
しかし、わが国のプリポリスの歴史は意外と浅く、1985年に開催された国際養蜂会議において、関節炎や感染症にプロポリスを用いた治験報告がなされたことをきっかけに、プロポリスの薬理作用などの解明が一気に進みました。
40種類以上のフラボノイド成分が効く
プロポリスに含まれるおもな成分は、樹脂、ミツロウ、精油、花粉、フラボノイド類、微量の有機酸やビタミン・ミネラル分などです。
40種類以上も含まれるフラボノイド(色素成分)には、毛細血管を強化して、動脈硬化を予防し、免疫を高める作用があるといわれています。
これまでの研究で、プロポリスの抗菌性、鎮痛・抗炎症作用、細胞組織の再生促進、抗酸化作用、免疫力増強、麻酔効果などが次々に明らかになっています。
抗生物質耐性菌の出現で困惑する医療現場でも、耐性菌の心配が少な星プロポリスの強力な抗菌力が注目されています。
産地やミツバチの種類で効き目がある
1991年、第50回日本癌学会総会において、「プロポリスから抗ガン物質を発見した」という国立予防衛生研究所・松野哲也氏らの報告があったことから、抗ガン作用への期待が大きくふくらむことになり、
その後も動物実験などの基礎研究や臨床報告が積み重ねられています。
プロポリスの含有成分は、原産地の樹木やミツバチの種類によって微妙な差があるといわれています。
プロポリスの原料としてミツバチが採取した樹木(樹液)の種類が、抗菌・抗炎症作用や免疫強化の成分を含むユーカリやポプラか、
あるいは外傷や皮膚炎に効く成分を含む針葉樹かによって、それぞれのプロポリスの効果が異なると考えられています。
わが国では、早くから輸入されてきたブラジル産のプロポリスが、一般に広く使われているようです。
プロテイン − コレステロール値の低下、更年期症状の改善
20種類以上のアミノ酸でできている

プロテインとはタンパク質の英語名で、炭水化物(糖質)、脂肪(脂質)と並ぶ一二大栄養素のひとつです。
生体の構造を形作る20種類以上のアミノ酸が結合して、性質の異なるタンパク質が無数に作られます。
サプリメントでいうプロテインは、高タンパク質、良性タンパク質というほどの意味合いをもっています。
19世紀までに、タンパク質は動物のからだの成分(動物質)として、血液や卵白のアルブミンなどが知られていました。
オランダの化学者ゲラルド・ムルダーは、これら動物質はいろいろあるように見えるが、成分には共通した根元的なものがあるという仮説を発表しました。
その後、仮説は妥当ではないとされましたが、ラテン語のプロティオス(第一義的)からついたプロテインの名前は、現在もタンパク質の呼び名として使われています。
また、「卵白」を意味するドイツ語の中国語訳「蛋白質」は、そのままわが国の用語として定着しています。
必須アミノ酸で決まる食品のタンパク価
プロテインの質を考えるときに重要なのは、プロテイン・スコア(タンパク価)です。
人間のからだにとって必要なアミノ酸のうち、体内では合成できない、つまり食物からとらなければならないアミノ酸(ロイシン、イソロイシン、リジン、メチオニン、フエニールアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、ビスチジン、アルギニン)を「必須アミノ酸」といい、
そのほか体内でも合成できるアミノ酸を「非必須アミノ酸」と呼んでいます。
タンパク価とは、生体の健康維持に欠かせない必須アミノ酸が食品に含まれる割合をあらわしています。
植物性プロテインでは大豆が一番
動物性プロテインには、卵、牛乳、肉類がありますが、いずれもタンパク価は95〜100と高く、必須アミノ酸がすべて含まれています。
とくに注目を集めているのが乳清(ホエイ)タンパクです。
牛乳からチーズを作るときの上澄みに含まれるタンパクで、ラクトグロブリン、ラクトフエリン、ラクトアルブミンなど免疫機能を強化する成分があります。
植物性プロテインの代表は大豆です。
穀類のタンパク価がコメ(白米)67、小麦粉52程度なのに対して、ダイズ(乾燥大豆、豆乳)のタンパク価は86と必須アミノ酸のバランスがすぐれています。
大豆タンパクには甲状腺ホルモンの分泌を促進して、基礎代謝を高める働きがあり、免疫システムの維持などにかかわるアミノ酸のアルギニンを多く含んでいます。
コレステロール値を下げて心臓病を予防
最近では、
「アジア諸国は欧米と比べ心臓疾患が少ない。
両地域にある大きな違いは食生活で、とくにアジア諸国で食べられる大豆の多さがあげられる。
大豆にはイソフラボンが含まれ、これがコレステロール値を制御する働きを示すと考えた」
という発表(米国メイヨー・クリニック)があり、1998年には、大豆イソフラボンの摂取で、血中コレステロール値が10パーセント低下したという報告がなされています。
このように大豆プロテインにコレステロール値の制御、心臓病の危険性を低下させる働きが認められたことから、FDA(米国食品医薬品局)では大豆プロテインを含む食品に「心臓の健康について効果的」という内容でのラベル表示を検討しているということです。
大豆に含まれるイソフラボンは体内で女性ホルモン様物質として働くことから、中年期以降の女性における更年期症状の改善や、骨租髭症の進行を遅らせる効果が期待されています。
プルーン − 整腸・緩下作用、貧血の改善、抗酸化作用

カリフォルニア州が世界最大の生産地
プルーンはバラ科の果樹、外皮は紫色、果肉は城頭色の実をつける西洋スモモの一種です。
コーカサス地方、カスピ海沿岸の西アジアが原産地で、ギリシャ、ローマを経て伝えられた西ヨーロッパで乾果用に育成されたものです。
一般にスモモのことを英語でプラムといいますが、プラムの中でも発酵せずに乾燥できる種類のものを、とくにプルーンと呼んでいます。
1855年、折からのゴールドラッシュにわく米国西海岸のカリフォルニアに、フランスからダージャン種のプルーンが持ち込まれました。
豊かな陽光と肥沃な土壌などの好条件に恵まれ、同地のサンタクララ、ソノマ、サクラメントなどの峡谷地帯で広く栽培されるようになり、現在では世界におけるプルーン供給量の4分の3を占める最大の生産地になっています。
プルーンの豊富な鉄分が貧血を改善する
古くはローマ時代から薬用に用いられたプルーンですが、欧米でもミラクルフルーツ(奇跡の果物)、ワンダーフルーツ(不思議な果物)と呼ばれて広く活用されてきました。
生のままでもおいしく食べられますが、ドライ(乾燥)にしたほうが、プルーンに含まれる各種の有効成分を効率よくとれるという利点があります。
また、それを加水分解して成分を濃縮したプルーンエキスも、手軽なサプリメントとして広く利用されています。
プルーンに含まれる糖質のほとんど、約93パーセントはブドウ糖と果糖から成っており、すぐに腸管から吸収され、効率のよいエネルギー源として活用されます。
プルーンにはとくに体内に酸素を運び貧血を予防する鉄分が、バナナの約13倍と多く含まれています。
米国で1933年に行われた動物実験では、食品ではレバーに次いで貧血改善効果が高く、ホウレンソウやキャベツよりもすぐれた効果を示したことが報告されています。
食物繊維のペクチンが便秘を改善する
プルーンには水溶性食物繊維であるペクチンがリンゴの4〜5倍も含まれており、すぐれた整腸・緩下作用、便秘改善作用が期待できます。
米国の病院などでは妊婦にプルーンジュースを飲ませて、便秘や貧血の予防に役立てているということです。
朝食にプルーンを一緒にとる欧米の習慣は、毎日の快適な便通をうながす食事の知恵といえるでしょう。
目の網膜機能を高め、疲れ目に効果があるビタミンAもプルーンには多く含まれているのですが、ビタミンAにはこのほかにも皮膚の乾燥や角質化を防いで肌を保湿する効果もあり、うるおいのある肌、つややかな髪を保つ働きが期待されています。
活性酸素を吸収する能力がとくに高い
このほかのビタミン類では、強力な抗酸化作用をもち、コラーゲンの生成に不可欠なビタミンC、やはり過剰な活性酸素を消去する抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぐビタミンE、また補酵素として働き、全身の代謝にかかわるビタミンB群などが含まれています。
抗酸化作用の強いフェノール類のネオクロロゲン酸も多く、悪玉(LDL)コレステロールの酸化を阻止して、血栓ができにくくしたり、毛細血管を保護する働きが期待されています。
最近、米国で行われた研究でも、からだに過酸化脂質(細胞の酸化)を発生させ、脳の老化の元凶といわれる活性酸素を吸収する能力「ORAC(酸素原子吸収能力)」を測定した結果、プルーンが上位50の野菜・果物・豆類の中で最大の数値を示したということです。
ブルーベリー − かすみ目や疲れ目の改善、視力回復

ジャムで視力が向上した空軍パイロット
最近、ブルーベリーの果皮に多く含まれるアントシアニンという色素が、目にとてもよい働きをすることが明らかになりました。
もともとヨーロッパやアメリカでは、ブルーベリーの果実や葉から抽出したエキスは、古くから糖尿病をはじめ、壊血病、泌尿器病の治療に用いられましたが、まだ「目」に対しての効果は知られていませんでした。
しかし、第二次世界大戦中に、ドイツ軍への夜間攻撃を行うイギリス空軍のパイロットが、大好きなブルーベリージャムを多量に食べた直後の戦闘では、「薄明かりの中でも敵機がよく見えた」という証言があり、
それが航空関係の医師や研究者の興味を引いたことから、ブルーベリーの著しい視力改善効果が注目されるようになったのです。
視力を高めるメカニズム
1964年、マルセーユ大学のジュール教授らは、37名を対象にした研究結果を統計学的に処理して報告しました。
ブルーベリーエキスには目の網膜における「光に対する反応度」の顕著な改善と、薄明かりの中で視力が高められることが確認されたのです。
その最大の効果は投与後約4時間であらわれ、約24時間継続することが明らかになりました。
ブルーベリーエキスが視力を高めるメカニズムを説明します。
眼のレンズにある水晶体から入った光は、さらに硝子体を通過して、スクリーンである網膜に像を結びますが、その視神経に対する刺激が脳に届いて、初めて「見える」と私たちは認識します。
網膜は幾層かのかなり薄い膜が重なってできていますが、その薄い膜にはたくさんの山と谷のような突起物があり、その突起した部分にロドプシン色素があります。
このロドプシン(色素)は光の刺激を受けると分解され、それが瞬時に再合成されるのですが、この分解と再合成の連続作用が脳(後頭葉の視領域)に伝達されて、初めて視覚として「見える」ようになります。
アントシアニンが15種類含まれている

ブルーベリーに多く含まれるアントシアニンには、このロドプシンの再合成を活性化させる働きがあり、それが著しい視力の改善や薄明かりの中での視力を高めるのです。
アントシアニンという色素は、ブルーベリー以外にも赤紫色をしたブドウ、紫色のナス、シソの葉や黒豆にも含まれていますが、ブルーベリーでは15種類ものアントシアニンを含むこと、さらに糖分と一緒に熱を加えたり、冷凍しても比較的安定であるということです。
視力回復のためには1日に120〜250ミリグラムのアントシアニンをとる必要があり、これを生の果実でとるとすればブルーベリーを1日に90〜180グラムも食べなければなりません。
ドライバーの視力がみごとに改善された
ブルーベリーエキスを飲んでいる運輸会社のドライバーを対象に行った調査があります。
ドリンク剤(ブルーベリーエキス等、ヘリグラム含有)を飲んで3〜4時間経過後、
「飲む前と比べて、目の疲れが、かなりとれた」と答えた人が5人、
「とれた」が28人、
「ややとれた」が1人、
「変わらない」が132人でした。
このほか、「飲む前と比べて、細かい字が、かなり見えるようになった」と答えた人が73人、「見えるようになった」が81人でした。
この調査に用いられたブルーベリーエキスは比較的少量の25ミリグラムなので、エキスの量をもっと増やせば、さらによい結果が期待できそうです。
ビワの葉茶 − 食欲増進、アミグダリンの抗がん作用
ビワの葉、生薬7種を煎じた枇杷葉湯

ビワは中国原産、バラ科の常緑果樹で、晩秋に白い花を咲かせ、翌年6月ごろ黄色い実をつけます。
果肉部分には皮膚や粘膜をじょうぶにするβ−カロテンが多く含まれています。
インドの仏典ではビワの木は薬王樹、葉は無憂扇と呼ばれ、中国を代表する薬草書『本草綱目』には「胃を和し、気を下し、熱を活し、諸毒を解し、脚気を療ず」と書かれています。
「枇杷と桃 菓ばかりながら暑気払ひ」という江戸川柳があります。
ビワやモモは果物として食べられ、これといった薬効もないのに、葉はあせもの薬や暑気払いの役に立つという機知に富んだ一句です。
江戸時代には、木桶に入れた枇杷葉湯を天秤棒でかつぎ、暑気払いに街を売り歩いたということですが、枇杷菓湯はビワ葉(菓裏の綿毛を除いたもの)をはじめ、肉柱、甘草など7種の生薬を水から煎じたものです。
枇杷薬湯に水あめを加えた飲み物が、のどの渇きをとり、食欲を増進させる大衆胃腸薬として用いられていました。
アミグダリンに期待される抗がん効果
ビワの種子(枇杷仁)にはアンズなどの種子にもあるアミグダリン(ビタミン臥)が多く、微量ながら葉にも含まれていることから、ビワの葉療法(温灸)にも使われています。
1950年、米国のクレブス博士がアンズの種から抽出したビタミン臥溶液中に、β−グルコシターゼ(酵素)を加えた液を腹水ガンに投与し、すぐれた効果を上げたことから、アミグダリンの抗ガン効果が一気に注目されるようになりました。

パパイヤ酵素 − 動脈硬化の予防、消化促進、整腸作用
ビタミンC補給には1日半個でクリア

パパイヤはメキシコからコスタリカにかけて、中南米を原産とするパパイヤ科の果樹で、木によって雌雄があります。
ハワイ種のパパイヤは高さ20メートル、果実は楕円形で直径約15センチメートルですが、それを品種改良したマレー種は高さ5メートルと低木で、果実は直径20センチメートルに達するものがあります。
世界各地の熱帯や亜熱帯で広く栽培されており、わが国では千葉県館山市のハウス栽培をはじめ、九州、沖縄地方などで栽培されています。
甘く熟した実はトロピカルフルーツの代表格ともいわれ、果肉は黄色やサーモンピンクでやわらかく多汁、中に小豆ほどの黒い種子があります。
とくにビタミンCが果物の中ではイチゴ、キウイフルーツに次いで多く含まれており、中型のパパイヤ半個分を食べれば約80ミリグラムのビタミンCがとれるので、1日の所要量(50ミリグラム)を軽くクリアできます。
肉を柔らかく分解し、消化もよくなる
このほか、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸など有機酸が豊富で、疲労回復に大きな効果があります。
果物には比較的少ないカロテンが100ミリグラム中85マイクログラムも含まれています。
食物繊維の一種であるペクチンも多く、整腸作用、便秘の解消に効果があります。
パパイヤの最大の特色は、何種類もの消化酵素を豊富に含んでいることです。
代表的なパパイヤの消化酵素は、果実や葉にも含まれるタンパク分解酵素のパパインです。
パパイヤが自生する南方地域では、肉料理に果汁をかけたり、果肉を付け合わせに食べていました。
そうすることで肉がやわらかくなり、消化もよくなることを長い経験を通して知っていたのです。
血栓をつきにくくして動脈硬化を防ぐ
サプリメントとしてのパパイン(酵素)は、熟していない青パパイヤ(果実)の乳液から結晶として得られるものです。
パパイヤ酵素には、タンパク質、脂質、糖質を分解する複合的な酵素作用がありますが、とくにタンパク質分解にすぐれた働きをするのがパパイン酵素です。
動脈などの血管壁に悪玉(LDL)コレステロールや血栓のもとになるフエプリン(血液の凝固成分)などが付着すると、血管の内腔が狭く細くなり、高血圧、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすリスクファクター(危険因子)となります。
パパイン酵素にはコレステロールやフェプリンなどを分解する働きがあるので、血栓が付着しにくくなり、血管の内径を広く太くして、血液の流れがよくなり、血圧を下げる効果があると考えられます。
また、パパイン酵素は、腸内善玉菌のビフィズス菌を活性化させるほか、腸内に残された未消化タンパク質を分解・排出する機能をもっています。
消化しきれないタンパク質は大腸で腐敗して有毒ガスを発生させたり、ニトロソアミンという発ガン物質に変わりやすいので、大腸内をきれいに掃除することで、肝機能の改善や大腸ガンの予防に大きな効果が期待されます。
キモパパインでの椎間板ヘルニア治療
パパイヤ果実中にパパインとともに存在する酵素に、傷んだ細胞(タンパク質)のみを分解するといわれているキモパパインがあります。
かつて椎間板ヘルニアの治療のために、女子プロゴルフの岡本綾子選手が受けたキモパパイン療法は、キモパパインを椎間板内に注射して椎間板軟骨基質の一部を分解し、ヘルニアによる神経の圧迫を緩和するというものです。
しかし、日本ではまだアナフィラキシーなどの問題から、厚生労働省の認可が得られていません。
ハトムギ − イボとり、美肌効果、抗がん作用
ジュズダマは硬く、ハトムギはやわらか

ハトムギは中国南部からインドシナ半島など、熱帯アジアを原産とするイネ科の一年草です。
ハトが好んでその実を食べることから、明治以降にこの名前がついたといわれています。
夏に穂状の花序をつけ、秋にはジユズダマに似た直径1センチメートルほどの実をつけます。
同じイネ科のジユズダマによく似ていますが、
(1)ジュズダマは多年草、
(2)ジユズダマの花序は上向きなのに対して、ハトムギは垂れる、
(3)ジュズダマの実はホウロウ質で硬く、指で押してもつぶれないが、ハトムギはやわらかく、指で簡単につぶせる、
などの違いがあります。
ジュズダマの根は川穀根(せんこくこん)といい、リウマチ、神経痛、肩こりに煎じたものを服用します。
川穀(せんこく)と呼ばれるジュズダマ(種子)は、あとで述べる「よくいにん=ハトムギの生薬名)」の代用として使われることもあったようです。
ハトムギにあるすぐれた利尿・健胃作用
薬用としてのハトムギの歴史は長く、中国の古書『神農本草経』にも「久しく服すれば、補虚、益気、軽身などの効果がある」などの記述があります。
わが国でも古来より薬用植物として栽培されており、『民間薬用植物誌』には、
- 根を煎じて通経剤とする、
- 実を煎じて利尿・健胃剤とする、
- 臓を丈夫にし、胃を強くし、食欲を増進する、
- 脚気にもよく効く、
- ノドがほれて痛むときには粉を吹き込むとよい、
などの効用が書かれています。
明治時代以前までは淘1反歩(約用アール)で4石(約180リットル)もの収穫があることから、四石麦(しこくむぎ)と呼ばれるほどでした。
戦後間もなくの食糧難時代には、救荒食物としての役目も担っていました。
漢方処方に用いる生薬・よくいにんの効き目
ハトムギは、コメやムギよりもカロリーが高く、良質のタンパク質、ビタミンB1、カルシウム、鉄分などが豊富で、食物繊維などはコメの約8倍も含むというすぐれた食品です。
また、利尿作用があることから、むくみなどの症状を改善し、神経痛やリウマチによる筋肉のこわばり(拘縮)をやわらげる効果が期待されます。
漢方では古くから、ハトムギの種子の外皮をむいたものをよくいにんと呼び、消炎、利尿、鎮痛、健胃、排膿、強壮作用のある生薬として、体内の水分代謝や血液の流れをよくして、新陳代謝を活発にし、解毒・排泄を促すよくいにん湯、麻杏薫甘湯などの漢方処方に配合されています。
コイクセノライドのイボとり抗がん剤
ハトムギといえば「イボとり」の民間療法でも有名で、とくに青年性イボによく効きますが、老人性の硬いイボにも有効だといわれています。
イボとりには少し濃いめに煎じたお茶や、皮をむいたハトムギを混ぜて炊いたお粥を食べると効果があるといわれています。
ハトムギ茶は昔から美肌茶としても定評があり、吹き出物などトラブル体質の肌を改善したり、荒れ性肌をつやのある滑らかな肌にする、すぐれた美容効果が人気を集めています。

1984年の日本癌学会総会では、国立予防衛生研究所の沼田光弘技官らが「ハトムギの中にガン細胞を抑える物質がある」と発表して話題になりました。
従来の動物実験でも、ハトムギにだけ含まれるコイクセノライドに抗ガン作用が認められており、ある種の腫瘍である「イボ」をとる効果も、コイクセノライドの働きによるものではないかと考えられています。
発芽玄米 − 高血圧予防、肥満防止、更年期症状緩和
精米する前の胚芽とぬかは、栄養素の宝庫

茶色のぬかに包まれた玄米は、収穫した米(稲もみ)からもみがらだけを取り除いたもので、この玄米を精米(精白)して、胚芽とぬかを取り除いたもの(胚乳)が白米です。
昔の人は、米偏に健康の「康」と書いて糠(ぬか)、米偏に白と書いて粕(かす)と呼びました。
玄米の中には一粒の種子が発芽して、成長するための栄養素が過不足なく含まれています。
玄米の胚芽部分に含まれるビタミンEは「若返りのビタミン」とも呼ばれ、茶色の色素成分であるフラボノイドとともに、強力な抗酸化作用によって、血管の老化を招く動脈硬化を予防したり、血液をサラサラにする働きが注目されています。
やはり胚芽に多く含まれるビタミンB群は糖質のスムーズな代謝をうながし、膵臓への負担を軽くして、肥満や糖尿病を予防します。
歯ごたえと食感が楽しめる発芽玄米の味
玄米は白米に比べて、炊きにくい、硬くボソボソする、ぬか臭い、消化がよくないなどの理由で、せっかく栄養価の高い食品であるにもかかわらず、長い間多くの人から敬遠されてきました。
しかし、最近になって玄米を一定の温度の水につけ、0.5〜1ミリメートルほどに発芽させた「発芽玄米」が静かなブームとなっています。
玄米をわずかに発芽させることで、硬い外皮もほどよい柔らかさになり、心地よい歯ごたえと食感を楽しめるようになりました。
玄米に限らず、植物の種子が発芽するときには、それまで眠っていた各種酵素がいっせいに活動を聞始して、成長のために必要な栄養素がフル稼働されます。
もともと、玄米にはさまざまなミネラル、ビタミン類、食物繊維が豊富に含まれていますが、発芽させた玄米ではとくに多く含まれるビタミンB群やビタミンEが最も効率よく利用できると考えられます。
発芽時に強力に働く酵素、抗酸化物質
体内で過剰に発生した活性酸素を消去し、過酸化脂質の生成を抑制するビタミンE、フラボノイドなどの抗酸化物質が、もともと胚芽部分には多く含まれているのですが、
発芽時にはさらに増加すると考えられており、その強力な抗酸化作用が期待できます。
日焼けなどで紫外線を浴びた皮膚には大量の活性酸素が発生し、それが過酸化脂質の生成につながり、肌のシミ、シワ、タルミなどの原因になります。
発芽玄米をいつも食べる習慣により、肌の老化を防ぐ抗酸化作用が期待できます。
このように、発芽時に最も活性化する酵素と抗酸化物質の増強作用が、発芽玄米に期待される大きな働きのひとつです。
注目を集めるギャバ、γ−オリザノール
脳の血流を改善して、脳への酸素供給量を増加させる働きや、ストレスをやわらげるアミノ酸の一種、ギャバ(γ−アミノ酪酸)が、精白米の約5倍、玄米の約3倍と、発芽によって含有量が飛躍的に増加するので、発芽玄米は絶好のギヤバ補給源になります。
いま話題のギャバには、
- 血圧の上昇を抑制する、
- 肥満の原因となる中性脂肪の増加を抑える、
- 腎臓や肝臓の働きを高める、
などの効果があります。
ギャバの誘導体にも、神経伝達物質として脳の緊張をほぐしてイライラを軽減し、血流を改善する効果が認められています。
ホルモンの分泌を盛んにして更年期症状を緩和し、自律神経の変調を改善するγ−オリザノールも多く含まれており、自律神経の失調に伴う頭痛、腰痛、全身の倦怠感、のぼせ、めまいなどの不快症状の改善に大きな期待が寄せられています。
ノニ − 抗酸化作用、血行改善、抗菌作用
驚異のフルーツが含んでいる有効成分

ノ二はハワイ、ポリネシア諸島など南太平洋の島々、オーストラリア、インド、沖縄など、熱帯から亜熱帯にかけて広く分布する常緑の潅木で、学名をモリンダ・シトリフォリアといいます。
わが国では最南端の八重山諸島に自生し、沖縄地方ではヤエヤマアオキといいます。
「驚異のフルーツ」とも呼ばれる果実のジュースは、とくにポリネシアの人々の間では万病に効く健康飲料として、約2000年も前から親しまれてきました。
ノニの果汁にはプロゼロニン、スコポレチン、アスコルビン酸、モリンドン、テルペンなどの有効成分があり、その根にはダムナカンタールという抗ガン物質が含まれています。
アスコルビン酸はビタミンCの前駆物質で、活性酸素を消去する抗酸化作用があります。
免疫力を活性化し新陳代謝を促す
主要成分であるプロゼロニンは、アメリカの生物学者ラルフ・ハイネキー博士がパイナップルの酵素の研究中に発見し、後に「ゼロニン」と名づけた物質(アルカロイド成分)ですが、スプーン1杯のノニ果汁にはパイナップル約10個分も含まれるということです。
プロゼロニンは、体内に吸収されるとゼロニンに変わり、全身の免疫機能を活性化し、新陳代謝を盛んにして、細胞の再生をうながす働きをするといわれています。
また、スコポレチンには血圧降下作用、抗菌作用、鎮静作用が、

モリンドンには細菌に対する強力な抗菌作用が、
樹木の精油成分であるテルペンには血行改善効果が期待されています。
ニンニク − スタミナ効果、殺菌・解毒・整腸作用
ニンニクのにおいのおとはアリシン成分

ニンニクはユリ科ネギ属の香味野菜で、球状に肥大した鱗茎部を食用としています。
原産地は中央アジアとも南ヨーロッパともいわれています。
紀元前の古代エジプトの時代には、王たちがピラミッドの建設に従事した労働者に食べさせて、重労働に耐えられる活力をつけさせた記録があります。
わが国へは中国、朝鮮半島を経て伝えられ、『古事記』『日本書紀』にもニンニク(太蒜)の記述が見られますが、おもに消化、鎮痛、解熱、強壮などの薬用や、魔よけに用いられました。
一般に食用として普及したのは戦後になってからのことです。
ニンニクを切ったり、つぶすと、アリインという成分が酵素のアリナーゼの攻撃を受けて、ニンニク独特の臭気のもと、アリシンという成分に変化します。
アリシンにはすぐれた殺菌・解毒作用や抗酸化作用があり、食中毒や風邪の予防、整腸・健胃にも効果があります。
アリチアミンのすぐれた疲労回復効果
また、疲労回復に欠かせないビタミンB1とアリシンが結びつくと、体内に吸収されやすいアリチアミンという物質に変化し、活性持続型B1とも呼ばれる、すぐれたスタミナ効果を発揮します。
ニンニクを細かく刻む、すりおろすなど、ニンニク臭を出すことで、よりアリシンの効果が高まります。
丸ごと加熱すると、アリシンに変化せず、ニンニク臭は出ませんが、そのにおい成分とは関係なく、ニンニクに含まれるスコルジニンという強壮成分が、毛細血管を拡張して新陳代謝を高めることから、神経痛、筋肉痛、冷え性などの症状が改善されます。
乳酸菌 − 便秘や下痢の改善、ガンの予防、腸内環境の整備
100兆個の勢力分布が問題

人間の体細胞は成人で約60兆個といわれていますが、腸管には約100種類、約100兆個もの腸内細菌が棲みついており、口から入る食べ物やそのときどきの体調によって、善玉(有用)菌と悪玉(有害)菌のシェア(勢力範囲)が微妙に変化するといわれています。
健康な赤ちゃんの腸内ではビフィズス菌(乳酸菌の一種)などの善玉菌が90パーセント以上を占めるのに対して、病気で寝たきりの高齢者ではウエルシュ菌などの悪玉菌が90パーセント(善玉菌は5パーセント前後)以上と、善玉菌と悪玉菌の割合が逆転してしまいます。
年齢が進むにしたがって、徐々に悪玉菌のシェアも広がり、ガンをはじめとする慢性病にかかる割合が高くなったり、また新陳代謝の速度も落ちるので、しだいに老化が促進されます。
悪玉菌の増殖を抑え、発ガン物質を抽出
乳酸菌が注目されるようになったのは、東欧ブルガリア地方の長寿村を調査したロシアの生物学者メチニコフが、「長寿の秘訣はブルガリア・ヨーグルトにある」と発表し、乳酸菌の一種であるブルガリア菌が一躍クローズアップされたことからです。
その後、牛乳などを発酵させてヨーグルト(発酵乳)を作る、乳酸菌の健康維持・増進効果の研究が一気に進みました。
乳酸菌は乳糖やブドウ糖を分解して乳酸を作る細菌の総称で、
- (1)円筒形をした乳酸梓菌の仲間、
- (2)Y字や棒状の形をしたビフィズス菌の仲間、
- (3)丸い球状をした乳酸球菌の仲間、
の3つに分けちれます。
このうち、(1)の乳酸悍菌と(3)の乳酸球菌の仲間は小腸内に多く棲みつき、食物に含まれる悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。
おもに大腸内に多く棲みついている(2)のビフィズス菌の仲間は、食べ物(内容物)が数日間滞留する大腸内で、悪玉菌の増殖を抑え、悪玉菌が作り出す発ガン物質などの有害物資を吸着して体外に排出する働きをしています。
善玉菌の代表格とされる乳酸菌ですが、実は発酵・醸造食品であるみそや醤油の中にも、ある種の乳酸菌が発見されており、あの辛いキムチ漬けも乳酸菌発酵によって作られています。
食物繊維お少ない肉食は悪玉菌を増やす
悪玉菌が優勢の腸内環境になってしまう代表的な要因は、
- (1)偏った食生活(タンパク質や脂肪の多い肉食中心で、食物繊維の多い野菜が少ない)、
- (2)ストレスの多い生活(過労や睦眠不足は胃酸や腸管の分泌液が少なくなる)、
- (3)病気や抗生物質の使用(ウイルス感染、ガンなどの病気は悪玉菌優勢になる。抗生物質は病原菌ばかりか善玉菌まで殺す)
などがあります。
そこで、外からヨーグルト、乳酸菌飲料、乳酸菌製剤を服用することで、腸内でビフィズス菌などの乳酸菌を増やしていけば、有害物質を発生させていた悪玉菌がいづらくなります。
肝臓の解毒作用を助けビタミンB群を作る
善玉菌優位の腸内環境を作る乳酸菌には、次のような効果が期待されています。
(1)便秘や下痢の予防……乳酸菌の中でもビフィズス菌は乳糖を分解して、大腸内で乳酸と酢酸を作る。
殺菌作用のある酢酸が悪玉菌を撃退し、腸管を刺激して蠕動運動を盛んにする。
(2)ガンの抑制・予防……乳酸菌にはニトロソアミンなど発ガン物質を体外に排出したり、免疫機能をつかさどるNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させてガンを防ぐ働きがある。
(3)ビタミンB群を作る……乳酸菌は有毒物質を発生させる悪玉菌を排除して、肝臓の解毒作用を助けるとともに、腸管でビタミンB群を作るなど、健康な腸内環境を整える働きがある。
にがり − 豊富なマグネシウムのダイエット効果
天然塩と一緒に作られる「にがり」

「にがり(苦汁)」といえば、豆乳を固めて豆腐を作るときに用いる凝固剤のことです。
にがりの原液は海水からの製塩過程で、天然塩と一緒に作られますが、海水を鍋で煮詰めて塩分を結晶化させて採取(製塩)するときに、最後に濾過して下に落ちたドロッとした溶液、それが天然にがり(原液)です。
パック入りの豆腐には、「塩化マグネシウム含有物(にがり)」と「塩化マグネシウム(にがり)」の2種類の表記があります。
塩化マグネシウム含有物(にがり)は製塩したあとに残る天然にがり液のことで、粗製海洋塩化マグネシウムと書かれたものもあります。
もうひとつの塩化マグネシウム(にがり)は、天然にがりを精製してマグネシウムの純度を高めたもので、それ以外の有用な海のミネラル分は取り除かれています。
天然にがりの主成分は塩化マグネシウムですが、塩化ナトリウム(食塩)、塩化カリウム、亜鉛、鉄、リン、塩化カルシウムなど、からだに必要なミネラルが豊富に含まれています。
にがりに含まれているミネラルの効用
1日100ミリグラム以上の摂取が必要とされる主要ミネラルのカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムのほか、体内でシャープな働きをする微量ミネラルには、インスリンの分泌や性的能力を高める亜鉛、血液・骨の働きに重要な鉄、リンなどのミネラルがあります。
天然にがりを水で薄めて飲用する「にがり」水は、全身の基礎代謝を高めて、肥満を防止する効果があります。
ここでは主成分のマグネシウムと微量ミネラルの亜鉛が活躍します。
体内では常に約3000種類の酵素が働いていますが、そのうちマグネシウムが300種類の酵素を、亜鉛が250種類の酵素の働きを応援して、旺盛な新陳代謝をうながします。
たとえば社員3000人の会社で、550人もの社員が働かなければ、会社の士気が下がるように、慢性的なマグネシウム・亜鉛不足は新陳代謝の不調を招き、やがては肥満につながります。
「にがり」水の飲用は、必要なミネラルの補給に有効な健康法です。
ダイエット効果をもたらすメカニズム
また、脂質(脂肪)や糖質(炭水化物)の腸管からの吸収を抑制して、肥満を防止する効果も期待されます。
肥満は最大の原因が「脂質や糖質がからだの中に蓄積されること」です。
脂質は体内に入ると十二指腸で胆汁により小さな油滴になり、さらに膵臓リパーゼという酵素によって分解されたのち、体内に吸収されます。
糖質は消化酵素によっていちばん小さい分子であるグルコースに変化し、小腸から吸収され、血糖としてからだじゅうに運ばれ、エネルギーとして利用されます。
一方、インスリンの働きで脂肪組織に取り込まれた血糖は、最終的には脂肪として蓄えられ、肥満の原因になります。
ストレスからくる女性の食べ過ぎを予防
その点、にがりに含まれるマグネシウムには、
- (1)膵臓リパーゼの分泌を抑えて、脂質の吸収速度を遅らせる、
- (2)脂肪組織へのグルコースの吸収を遅らせて、インスリンの過剰な分泌を阻止する、
2つの効果があり、肥満をしっかり防止するのです。
マグネシウムが慢性的に不足すると、心身のストレスが強まり、イライラする気分をやわらげようとして、とくに女性では
- (1)甘いものを食べたくなる、
- (2)間食しやすくなる、
- (3)食事量が増えることが知られており、その結果、肥満しやすくなります。
ここでも、「心身のストレスをやわらげ、食べすぎを防止する」にがり効果が強力な援軍になります。
納豆菌 − 高血圧、動脈硬化、心臓病、血栓症の予防
稲ワラの納豆菌が作る日本の伝統的発酵食品

ダイズの加工品である納豆は、蒸し煮したダイズに納豆菌または麹菌(麹カビ)をかけ、その発酵作用によって熟成させた、日本を代表する伝統的発酵食品のひとつです。
麹カビを利用して作られる納豆の仲間には、中国の豆鼓(トウチ)、大徳寺納豆、浜納豆などがあり、塩納豆、みそ納豆とも呼ばれています。
納豆菌を利用するものには、日本の糸引き納豆、雪割り納豆、干し納豆があります。
納豆菌は野草の枯草、稲ワラなど自然界に存在する枯草菌の一種です。
糸引き納豆で有名な藁萄(ワラづと)の水戸納豆は、蒸し煮したダイズを稲ワラで包み、稲ワラについている納豆菌の働きで自然発酵・熟成させて作ります。
ちなみに、水戸納豆の名前が有名になったのは、明治20年、水戸に鉄道が敷設されたときのこと。
駅前やホームで売られていたワラづと入り納豆をお土産にと、列車の窓から奪い合うほどの人気となり、それ以後水戸を代表する名物となったということです。
納豆になった大豆は、栄養素も大幅にアップ!
原料となるダイズは、昔から米・麦・粟・稗とともに五穀のひとつに数えられ、納豆のほかにも、みそ、醤油、豆腐、豆乳、湯葉など、日本人の食卓に欠かせない食品であり、
「畑の肉」と呼ばれる良質な植物性タンパク質は、8種類の必須アミノ酸をまんべんなく含んでいます。
これを納豆菌で発酵・熟成させて作った納豆の栄養成分は、ダイズそのものよりもビタミンB群が増加しており、なかでもビタミンB2はダイズの5倍も多く含まれています。
また、煮豆では約65パーセントだった消化吸収の割合が、納豆菌による発酵によって約90パーセントまで大幅に改善されます。
ごはん(コメ)に納豆という食事を考えてみても、コメの炭水化物(デンプン)が75パーセント、納豆のタンパク質35パーセント・脂質20パーセントという組み合わせとなり、やはりアミノ酸バランスにすぐれたコメとの相性がよいことがわかります。
最近では、動脈硬化に有効なポリアミンが含まれることでも注目されるようになりました。
病院で使う血栓溶解剤の効果を大きく凌ぐ
納豆菌はダイズのデンプンやタンパク質を分解するときに、アミラーゼ、タカラーゼ、プロテアーゼ、ナットウキナーゼなどの酵素を作りますが、ネバネバ成分にあるナットウキナーゼが発見されたのは、ごく最近のことです。
1980年、倉敷芸術科学大学・須見洋行教授は、米国マイケルリース血液研究所において「血栓を溶かす酵素一の研究を進めていました。
それまで人工的に作った血栓を酵素で洛かすのに、18時間で直径1〜2センチメートルがやっとでしたが、納豆のネバネバ成分にある酵素を使ったところ、2時間後には直径3センチメートルの血栓を溶かしてしまったのです。
しかもその血栓を溶かし、血液をサラサラにする働きの持続時間は、病院で使われる血栓溶解剤の数十倍にも及びました。
そこで須見教授は納豆菌によって生み出される「血栓を溶かす酵素」に、ナットウキナーゼという名前をつけたのです。
血栓溶解、血液サラサラの効果が長時間持続
心筋梗塞や脳梗塞などの治療に使われるワーファリンなどの血栓溶解剤(医薬品)は、その作用時間は4〜20分と短く、しかも点滴している間に限られます。
それに対して、口からとったナットウキナーゼの血栓を溶かす働きは、少なくとも服用後4時間、通常は8〜12時間持続するといわれています。
高血圧、動脈硬化、心臓病の予防に大きな期待が寄せられています。
ナタマメ茶 − 歯槽膿漏、口内炎、蓄膿症の改善
腎臓に形が似ているナタマメが腎臓病に効く

ナタマメはマメ科ナタマメ属、熱帯アジア原産のつる性一年草で、マメ科にしては少し大きめの花(3〜4センチメートル)と、平たく長いさやに10個ほどの白いマメ(長さ約3センチメートル)が含まれます。
日本では鹿児島県など九州を中心に暖かい地方で栽培されています。
ソラマメより少し大きく、成熟したマメは人間の腎臓によく似た形をしています。
漢方医学には「臓器に似た(形の)ものを以て、臓器を養う(治療する)」という考え方があります。
ナタマメの形が腎臓に似ていることから、漢方ではおもに腎臓の機能を高める生薬「刀豆」として用いられてきました。
腎臓の機能が衰えると老廃物め排泄作用も低下しますが、ナタマメには利尿作用があり、体内の解毒作用をつかさどる腎臓の働きを助けます。
日本における薬用植物、薬史学の泰斗、星薬科大学の伊沢一男名誉教授は、『薬用植物大百科』の中で、ナタマメの名前の由来について興味深い例証をあげています。
そのひとつ、中国からナタマメがわが国に渡ってきた江戸時代初期の『新刊多識』(寛永8年・1631年)には、「刀豆今案那多末米異名挟叙豆」との記述があり、この時代にはすでに漢名の刀豆を和名でナタマメ(那多末米)と呼んでいたことがわかります。
さらに『本朝食鑑』(元禄10年・1697年)には、
「わが国では刀の字をなたと読む。
木を伐る刀をなたというが、それがこの豆の形に似ているので、名づけたのであろうか」
と説明されていると紹介されています。
ナタマメの英語名はSwordBean(剣の豆)、学名の小種名gladiataもラテン語で剣をあらわすgla-diusに由来することから、東も西も同じ剣(刀)の名前がつけられたということは、実に興味深いシンクロニシティ(共時性)ではないでしょうか。
「ジャックと豆の木」は、ジャックが牛と交換した「魔法の豆」をまくと、たちまち雲の上の鬼の城まで伸びたというイギリスの昔話ですが、そのモデルはナタマメだともいわれています。
種子を煎じる時は、十分にアク抜きをする
ナタマメは東海地方以西で、古くから民間療法としてよく使われていました。
脱肛、出血、痔の痛みなどに、種子を煎じた液(乾燥したナタマメの種子4〜6個が1日の限度量)を1日数回に分けて服用、または直接患部に塗布して用います。
ただし、成熟したナタマメの種子にはアミグダリンという有毒成分があり、青梅にも含まれる青酸「シアン化水素」などを発生させることもあるので、よくアク抜きをしてから使う必要があります。
抗がん作用が期待されているコカナバリンA
ナタマメにはマメ類に多い食物繊維、サポニン、ビタミンB群、鉄分、亜鉛、マグネシウムのほか、話題の有効成分として、カナバニン、ウレアーゼ、コカナバリンAがあります。
アミノ酸の一種であるカナバニンには、体内にたまった膿を排出する作用があり、膿のたまる病気である歯槽膿漏などの歯周病、口臭、蓄膿症、痔などを改善する働きがあります。
ウレアーゼは尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解する酵素で、腎臓の機能を高めて血圧を下げ、むくみ(浮腫)をとる働きがあります。
コカナバリンAにはガンの発生を防ぐ働きがあり、ガン細胞を注入したマウスの実験では、コカナバリンAの投与によって、初期ガンの増殖を抑制するという成果が得られました。

ドクダミ − 利尿作用、血管強化で高血圧予防
デカノイルアセトアルデヒドの抗菌・殺菌力

ドクダミは東アジア一帯の湿地に生える多年草で、日本では沖縄から北海道南部にかけてほぼ全土に自生しています。
初夏から梅雨の時期にかけて、淡い黄色の花を咲かせます。
白い花びらのように見えるのは、実は植物学的には花を保護する等の部分です。
生のドクダミには特有の臭気があって、まるで周囲から吸収した毒をためているようでもあり、ドクダミ(毒溜め、毒矯め)の名前がついたといわれます。
秋には地上部は枯れてしまいますが、地中では根茎の枝分かれした部分から根を伸ばして繁殖する、生命力の強い植物です。
ちなみに生業のにおいを発する精油の主成分は、デカノイルアセトアルデヒドという物質で、ブドウ球菌や糸状菌に対して強力な抗菌・殺菌作用を発揮します。
黄色ブドウ球菌、糸状菌を撃退する生葉効果

ブドウ球菌の中でも病原性の高い黄色ブドウ球菌は、院内感染などで問題のMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)のように白血球の働きを弱め、抵抗力を失わせるので、免疫力の低い子どもや老齢者に食中毒を起こします。
また、糸状菌は皮膚や毛髪に感染する真菌の一種で水虫などを引き起こします。
これら病原菌を撃退するデカノイルアセトアルデヒドですが、乾燥葉ではその揮発性成分が飛んでしまうので、その効果は新鮮な生業だけに限られます。
昔から、よく洗った新鮮な生業をよくもみ、莫汁を直接おできや痔などの患部に塗ったり、蓄膿症では棒状に巻いた生業を鼻の穴に差し込むなどの民間療法が盛んに行われていました。
また、ドクダミの花がついたまま(仝草)を水洗いし、水を入れたコップに差して冷蔵庫に入れておくと、臭気とりに役立ちます。
花が枯れたら新しいものと取り替えるようにします。
ドクダミの薬効を貝原益軒が「十薬」と命名
江戸時代に貝原益軒が著した『大和本草』に
「和流ノ馬医用之馬二飼フ、十種ノ薬ノ能アリトテ十薬ト号スト云(わが国の馬医がこれを馬に用いると、十種の効能があるので、十薬と呼ぶことにした)」
という記述が見られますが、乾燥したドクダミの葉を「十薬」といいます。
厚生労働省が定めた日本薬局方にも「十薬」と記載されています。
ドクダミの葉は乾燥させると、揮発性のデカノイルアセトアルデヒドが分解し、殺菌作用は消えますが、
乾燥ドクダミ(全草)にはフラボノイド成分であるクエルセチン、ルチン(ビタミンP)をはじめ、とくに葉の部分にはクエルチトリンが、花穂の部分にはイソクエルチトリンが多く含まれています。
また、カリウムの含有量も豊富で、体内の過剰な塩分(ナトリウム)を排出して血圧を安定させるほか、神経細胞や筋肉組織を活性化させる働きがあります。
植物の色素成分で、強い抗酸化作用のあるフラボノイド成分に共通する働きとして、
便秘改善、消炎、血管拡張・強化、血小板凝集抑制、老廃物の排泄促進などが期待されています。
フラボノイド成分の血管強化、血圧安定作用
ドクダミに含まれる多彩なフラボノイド成分の中でも、クエルセチンには血管を拡張させて血圧をコントロールする作用、利尿作用、抗菌活性を高める働きがあります。
クエルチトリンには利尿作用、強心作用、毛細血管の強化、白内障予防、糖尿病予防があります。
ビタミンPともいわれるルチンは水溶性のビタミン様物質で、毛細血管の透過性をよくして、血管壁をじょうぶにする働きのほか、毛細血管の収縮や血圧降下にすぐれた働きをします。
冬虫夏草 − 心肺機能の強化、速やかな疲労回復効果
越冬の幼虫に寄生し、夏に生えてくるキノコ

冬虫夏草は、冬を地中で越す昆虫の幼虫やサナギにキノコ(胞子)が寄生し、体内で養分を吸収することで菌核を充満させ、夏には子実体を地上に伸ばしたものです。
日本にもクモタケ、セミタケ、カメムシタケなどがあります。
しかし、生薬に用いられる「冬虫夏草」は、とくにコウモリガの幼虫に寄生したキノコを指します。
標高3000メートルを超える中国四川省の高地、チベット高原などが原産で、長い間生薬としても希少資源とされていました。
しかし、1980年代に入ると冬虫冬草に含まれる活性物質(コルジセピン、ウラシル、ウリジン、アミノプリン、エルゴステリンなど)の分離ができるようになり、また発酵による大量栽培技術が進歩したことから、高品位の冬虫夏草エキスの生産が可能になりました。
かつて秦の始皇帝や楊貴妃の時代には、冬虫夏草は滋養強壮、不老長寿の高貴薬とされていましたが、その薬効について中国の医書『本草従新』には「肺(呼吸機能)、腎(エネルギー)を補う」と記されています。
中医学(伝統医学)では、気管支炎、ぜんそくの治療や、エネルギー消耗が激しい心臓病患者の体力回復に冬虫夏草を配した薬剤を処方しています。

1993年に北京で開催された陸上競技大会において世界記録を達成した8名の女子選手が、食事とともに冬虫夏草をとっていたことから、世界中のアスリートの間で大ブームが起こり、心肺機能の強化、筋肉疲労の回復サプリメントとして広く利用されるようになりました。
甜茶 − 花粉症、慢性鼻炎、アレルギー症状に効果
砂糖の75倍の甘みを持つ甜茶のルブソシド

『中薬大事典』には、甜茶として牛自藤(アカネ科)、土常山(ユキノシタ科)、多穂石村菓(ブナ科)の3種類が記載されています。
しかし、近年すぐれた抗アレルギー効果が注目される甜茶はそのいずれとも異なる種類の植物で、中国南西部の山岳地帯に自生するバラ科キイチゴ属、高さ2〜3メートルの潅木のことです。
桂林では「開胃茶」と呼ばれて食欲増進、咳止めなどに用いられていました。
正式名称を甜菜懸鈎子(てんようけんこうし)といいます。
甜茶の葉には、甜茶ポリフェノール、ルブソシドをはじめ、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄などが豊富に含まれています。
日本にきた当初は、砂糖の75倍にもなる甘味成分のルブソシドが注目されましたが、その後、甜茶ポリフェノールの抗炎症作用、抗アレルギー効果が認められ、現在では花粉症を予防するお茶としての期待が高まっています。
ヒスタミンの放出を阻害するポリフェノール

たとえば花粉(異物)が体内に侵入するとBリンパ球でIgE抗体が作られ、それが肥満細胞に付着します。
再び花粉が侵入するとIgE抗体がそれを感知して、情報を肥満細胞に送ります。
肥満細胞はこれを排除しようとして、ヒスタミンなどの化学物質を大量に放出し、その結果、くしゃみ、鼻水、目のかゆみなど、激しいアレルギー症状が出てきます。
その点、甜茶のポリフェノールにはヒスタミンの放出を阻害する働きがあり、しかも抗ヒスタミン剤の服用で出やすい眠気などの副作用がないことから、花粉症の予防に広く用いられています。
タヒボ − 細胞のガン化、ガン細胞の増殖を防ぐ
古代インカ帝国ではインディオが飲んでいた

薬草の宝庫ともいわれるアマゾン原産であるタヒボは、ノウゼンカズラ科に属する樹木で、樹高30メートル、幹の直径1.5メートルにも成長する夕べブイヤ・アベラネダエの靭皮部(内部樹皮)を粉末にしたものです。
1500年前の古代インカ帝国時代、インディオたちはその内部樹皮を煎じて、病気からの回復や日常の健康維持のために飲んでいたといわれています。
タヒボが脚光を浴びることになったのは、ブラジルのサンパウロ大学名誉教授で、植物学の権威、ウォルター・ラメダス・アコーシ博士によるタヒボの研究発表があったからです。
アコーシ博士は長期間にわたって、さまざまなステージにあるガンの患者に、タヒボの内部樹皮を煎じたものやチンキ剤を飲ませてみました。
すると、完治に成功した、病気の進行が止まった、病状が著しく好転したなどの効果が見られたといいます。
また、病状を改善するまでには至らない末期患者であっても、苦痛の少ない安らかな最期を迎えられたのだそうです。
高い抗がん作用発揮する色素成分、NFD
近年、日本においてもタヒボの研究が進められ、タヒボに含まれるキノン系の色素成分であるナイト・フラン・ディオン(NFD)が、正常細胞のガン化(発ガン)やガン細胞の増殖を抑える、高い抗ガン性を発揮することがわかりました。
このほかタヒボには、マクロファージを活性化させ、ガンの新生血管形成を阻害する働きなどが期待されています。
スピルリナ − 必須アミノ酸ぞろいの高タンパク食
高温・高アルカリ・高温の環境下で繁殖する
スピルリナは地球で最初に誕生した植物といわれる藍藻類の一種で、アフリカや中南米の亜熱帯地方、塩湖であるアラビア半島の死海などで生息する、緑色の藻です。
藻の仲間(藻類)には、アサクサノリなどの紅藻類、コンプ、ワカメなどの褐藻類、クロレラ、アオノリなどの緑藻類、スピルリナやスイゼンジノリなどの藍藻類があります。
一般の藻は淡水で生息するのに対して、スピルリナはたとえば有名な塩湖「死海」の海中で、高温・高アルカリ・高塩分という苛酷な環境をものともせずに繁殖する、強力な生命力をもっています。
16世紀のメキシコ高地に栄えたアステカ王国では、この地に多く点在した塩湖に自生していたスピルリナを常食していたという記録があります。
アフリカのチャド共和国でも、塩湖であるチャド湖、ヨアン湖に自生するスピルリナを、原住民の一部は昔から食べていたようです。
フィコシアニンのコレステロール低下作用
スピルリナという名前の由来は、ラテン語で「らせん(螺旋)」「ねじれる」の意味があり、細胞がコルクの栓抜きのようにらせん状にねじれた形であることからつけられています。
スピルリナ(乾燥)のタンパク質は100グラム60〜70グラムという高タンパク食であり、必須アミノ酸8種類をすべて含んでいます。
また、ビタミンA(β−カロテンの含有旦里はホウレンソウの約70倍)、カリウム、葉緑素も多く、そのほかにもスピルリナ特有の青色色素フィコシアニンにある、血中コレステロール値低下作用が注目されています。
スクアレン − 細胞に酸素を補給、各臓器を活性化
過酷な環境を生き抜く深海ザメの活力のもと

スクアレンは、深海ザメの肝油から抽出される物質で、深海ザメエキスとも呼ばれています。
サメ(フカ)は軟骨魚類からエイ、ギンザメ類を除いたものの総称ですが、深海に生息するアイザメの肝臓の油に含まれるスクアレンの量が約70〜85パーセントととくに多く、そのほかの深海ザメのスクアレン量をはるかに凌駕しています。
水深1000メートルを超える深海は、海面からの光も届かない暗闇の世界であり、想像を超える高水圧に耐え、低酸素という苛酷な環境で生き抜くためには、強靭な生命力の持ち主でなければなりません。
深海ザメの活力のもとは、体重の20パーセントもある巨大な肝臓にあります。
なかでもアイザメの肝臓の重量は体重の25パーセントを占めています。
さらに肝臓の25パーセントが肝油であり、その油性成分のほとんどはスクアレンで占められています。
必要な酵素を還元作用で作り出すスクアレン
1906(明治39)年、当時東京工業試験場で油脂化学を研究していた辻本満丸博士は、深海ザメの仲間である、アイザメやウバザメなどの肝臓の油から発見した物質「高純度不飽和炭化水素(脂肪酸)」に、スクアレンという名前をつけたのです。
この油性成分は無色、無味無臭、揮発性が低く、凝固点もマイナス45〜マイナス50度と低いことから、油の潤滑性がよく、皮膚への浸透性が強いことがわかりました。
1931へ昭和6)年、スクアレンの化学構造式が、ノーベル賞受賞学者であるスイス・チューリッヒ大学カーラー教授によって明らかにされました。
不飽和脂肪酸であるスクアレンは、常に化学的安定を維持しようとして、体内の水を還元して水素を取り込み、その結果、酸素を発生させます。
この一連の化学反応プロセスが極度に酸素濃度の低い深海にあって、アイザメが必要とする酸素を体内で補給する働きをしているのではないかと考えられているのです。
皮膚の新陳代謝を活発にするスキンケア効果
もともとスクアレンは人間のからだの中にも存在する油性物質で、とくに皮脂(皮膚表面と皮下脂肪組織)に多く含まれています。
しかし、年齢を重ねるとともにその量が減少して、シミ、シワ、タルミなど肌の老化が進むようになるのです。
そこで、アイザメの肝油を原料とするスクアレンは、当初、油の伸びがよく、皮膚への浸透性(湿潤効果)などの特性を生かして、高級化粧品などおもに外用(直接皮膚に塗る)での利用から始まりました。
全身の皮膚の新陳代謝を高めるスクアレンのすぐれた働きが、スキンケア化粧品に適していたのです。
肝機能の回復・強化、視力改善が期待される
その後、スキンケアなどの美容効果だけでなく、体内での働きについても研究が進みました。
良質な不飽和脂肪酸であるスクアレンには、成人で約60兆個あるといわれる体細胞に酸素を供給する働きが期待され、そのことによって各臓器の機能が高まります。
とくに肝細胞に豊富な酸素が供給されることで肝臓の活動が活発になり、肝機能の回復・強化、視力の改善などがはかられ、全身のホメオスタシス(恒常性の維持)が保たれると考えられています。
アイザメの新鮮な肝臓から採取されたスクアレンは、減圧蒸留処理によって精製されますが、おもに錠剤やカプセル状のサプリメントとして、
または栄養・美容クリーム、口紅、医薬用軟膏に配合されるなど、さまざまな形で広く利用されています。
食物繊維 − 腸内善玉菌を増やし、大腸ガンを予防する

食物繊維とは、人間の腸管(消化酵素)で消化されない食品に含まれる難消化成分の総体を指す言葉です。
植物は光合成によって炭酸ガスと水から炭水化物(炭素、酸素、水素分子の化合物である単糖類や多糖類)を作ります。
動物はそれを食べて生存・成長の栄養源とするのですが、草食動物であれば消化吸収できる植物の繊維質(粗繊維)を人間は利用できずに、そのまま便として排出することから、従来は無用の老廃物程度の認識しかされてきませんでした。
しかし、1997年に公表された「五訂日本食品標準成分表」では、これまでは炭水化物のうちの「繊維」としてきたものを、新たに「食物繊維」として独立させており、
それぞれの食品ごとに「総量」「水溶性」「不溶性」を明示することになりました。
ダイエタリー・ファイバーは6番目の栄養素
また、植物ガム、粘質物(マンナン)、海藻多糖類・ペクチン・ヘミセルロースの一部などの「水溶性食物繊維」、やはり海藻多糖類・ペクチン・ヘミセルロースの一部、セルロース、リグニン、キチンなどの「不溶性食物繊維」とに区分して、それぞれの主要成分を明らかにしています。
そのほとんどは炭水化物(糖類)ですが、一部にはキチンのように動物性(カニの殻)の食物繊維もあります。
近年、食物繊維における難消化性ゆえの効果に関する研究が進み、いまでは炭水化物(糖質)、タンパク質、脂肪(脂質)、ビタミン、ミネラルの五大栄養素に続く、6番目の栄養素(ダイエタリー・ファイバー)として重視されるようになりました。
食物繊維の働きが世界的に注目されるきっかけとなったのは、1971年、英国人医師バーキットによって発表された、欧米諸国に住む人とアフリカ原住民の統計的な医学上の比較研究でした。
欧米などの先進国では心臓病、糖尿病、脳卒中、ガンなどが急速に増えているのに、アフリカ原住民では糖尿病、動脈硬化、大腸ガン、結腸ガンなどが少なく、
同じ種族であっても欧米式の食事をとっている住民には欧米に増えている病気にかかる割合が高かったのです。
この背後にある要因を調査してみると、アフリカ原住民の食事は穀類や野菜など高炭水化物食で、繊維質(粗繊維)の摂取量が多いのに対して、
肉食中心の欧米人は穀類を精白パン(繊維質を取り除いた精白小麦粉を使用)でとっていました。
その結果、両者の食事全体を比較すると、アフリカ原住民の繊維質の摂取量が、欧米人のそれを大きく上回っていたのです。
その後、動物実験で高コレステロール食に食物繊維を加えて飼育すると、加えないグループより血中総コレステロール値が著しく低く、肝機能も正常であったという報告や、
赤色2号など有害な食品添加物を加えた餌を与えても、同時に粗繊維の多いダイコン、ニンジン、ゴボウなどを食べさせたラットのグループは正常に成長を続けたなどの研究が発表されました。
コレステロールの吸収、糖質の消化吸収抑制
従来、一括して租繊維と扱われていた食物繊維は、それぞれ分子構造などの解明が進むにしたがって、水溶性、不溶性の区別や、その働きの違いが明らかにされるようになったのです。
これまでに、難消化性である食物繊維のおもな機能としては、
- コレステロールの吸収を抑える、
- 糖質の消化吸収を妨げる、
- 腸内善玉菌を増やす、
- 便秘を改善する、
- 大腸(結腸)ガン・大腸憩室を予防する、
- 血圧を正常に保つ、
- 虫歯を予防する効果
などが判明しています。
ショウガ − 血液循環を改善し、初期の風邪を予防する
夏バテ防止、風邪の初期によく飲まれた生生姜

ショウガは熱帯アジア原産、節くれだった根茎を香辛料、食用、薬用に用います。
江戸時代には葉ショウガの早出し禁止令が出るほどの人気でした。
根茎の大きさで
小ショウガ(金時、谷中、弁慶)、
中ショウガ(三州、近江)、
大ショウガ(おたふく、印度)
などの種類があり、根ショウガ、甘酢漬け(ガリ)、おろしショウガ(肉や魚の消臭)でおなじみの香味野菜です。
漢方ではショウガの根茎を生妻、乾燥したものを乾妻と呼んで、
芳香性健胃剤、吐き気止め、鼻詰まり・悪寒・発熱など風邪症状の改善(発汗・解熱作用)、
関節炎・神経痛の緩和(消炎鎮痛作用)、
肉や魚の解毒に効く生薬として用いられてきました。
ヨーロッパでは「吐き気がしたらジンジャーエール(ショウガで香りづけした炭酸飲料)を飲め」といわれています。
生妻湯に顔しかめけり風邪の神虚子ショウガにはからだを温める効果があり、風邪の初期や夏パテ防止などに、生妻湯(おろしショウガを加えた水飴をお湯で溶いた)を飲む習慣がいまも家庭療法に引き継がれています。
全身の血行を改善し、血栓をできにくくする
ショウガに含まれる有効成分は、辛味のもとであり、殺菌作用と消臭効果をもつジンゲロン、ショウガオールがその代表格です。
胃酸の分泌を盛んにして食欲をうながす、血行をよくしてからだを温める(冷え性・肩こり改善)、風邪の諸症状の緩和にすぐれた効き目をあらわします。
このほか、ショウガには、血小板の凝集を抑え(血液の粘度を下げる)、血栓をできにくくする抗凝血作用物質があると考えられています。
シジミエキス − 胆汁の分泌促進、肝機能の改善
真シジミ、大和シジミ、瀬田シジミがある

シジミはシジミ科の二枚貝で、おもに淡水の河川や湖水、海水が混じる河口付近(汽水域)に生息しています。
貝塚からも多く発掘されることから、食用の歴史はかなり長いようです。
- 真シジミ(本州から九州にかけての淡水河川上流のきれいな砂地に生息し、殻長約4センチメートル、殻はハマグリ形で黒い)、
- 大和シジミ(日本各地の海水が入り込む河口付近に生息し、殻長約4センチメートル、殻は黒漆を塗ったような光沢がある)、
- 瀬田シジミ(琵琶湖、瀬田川の特産で、殻長約3センチメートル、殻は黒いが光沢がない)
などの種類があります。
真シジミは冬が旬で、その時期のものを寒シジミといいます。
瀬田シジミは春が旬、最も多く出回る大和シジミは一年を通じてとれます。
しかし、近年の水質汚染によって国内産シジミの収穫量が減り、最近では中国産や韓国産の近似種シジミが輸入されるようになりました。
味噌汁に溶け出すシジミのエキスごと食べる
昔から「二日酔いの朝は、シジミのみそ汁を飲むとよい」といわれるように、アルコールの飲みすぎで弱った肝臓を回復させる力があると考えられてきました。
また、中国の古い医書や江戸時代の文献には「シジミが黄疸に効く」という記述もあり、黄疸は肝炎など肝臓病特有の身体症状であることから、シジミが肝機能を高め、肝臓病を改善する身近な治療食として一般家庭に浸透していた様子がうかがわれます。
ふつう、シジミは赤だし(みそ汁)でいただきます。
シジミに含まれるビタミンB12などの水溶性成分は、砂を吐かせたシジミを殻つきのまま煮込んだみそ汁に溶け出すので、シジミの身(貝肉)だけでなく、みそ汁に溶けている栄養成分までしっかり飲み干したいものです。
シジミエキスの多彩な成分が肝機能を高める
シジミを殻ごと煮出した濃縮液汁から抽出して作ったシジミエキスには、
豊富なタンパク質(タウリン、メチオニン、シスチン、アルギニンなどのアミノ酸)、
ビタミンB群(B1・B2・B12)、
ミネラル(カルシウム、カリウム、鉄)
のほかにも、
アドノシン、イノシトールなどの有効成分が含まれています。
なかでも肝機能を高める働きにかかわる成分は、胆汁の分泌を高めるアドノシンという物質と、アミノ酸のタウリン、メチオニン、シスチンです。
腸管で脂肪を分解する際に必要な胆汁は、脂肪分の多い食事をするとたくさん分泌されますが、胆管(胆汁の通り道)が詰まると、通り道をふさがれた胆汁が血液の中に流れ出し、いわゆる顔や手足の皮膚が黄色くなる黄疸症状があらわれるのです。
そこで、アドノシンが胆汁の分泌を盛んにすると、別名、強肝アミノ酸とも呼ばれるタウリン、メチオニン、シスチンがそれをサポートして、胆管の滞りを取り除き、弱った肝臓の機能を回復・強化します。
アドノシンの胆汁分泌を盛んにする働きは、胆石を押し流す効果もあると考えられています。
また、イノシトールというビタミン様物質は肝臓に脂肪が付着しにくくするので、シジミエキスの肝機能改善効果を強力にサポートしています。
ビタミンB12が集中力、記憶力の向上に有効
さらに、シジミエキスに豊富なビタミンB群の中でも、とくにビタミンB12は造血作用や血流循環をよくして貧血改善に効くだけでなく、神経細胞中の核酸や、タンパク質、脂質の合成を補助・修復して、精神の安定や、集中力、記憶力の向上にも有効とされています。
シイタケ菌糸体エキス − 抗がん作用、B型・C型肝炎の改善
生命力の強い菌糸体

シイタケは笠状部分の裏側で、植物の種に相当する胞子を作ります。
地上に落ちた胞子から、本体である菌糸細胞が地中や原木の中で増殖して「菌糸体」となります。
やがてその菌糸体がいくつも集合して「子実体」と呼ばれる地上部分を発生させ、再び胞子を形成してシイタケができるもとを作り出すのです。
見た目には可食部のシイタケ(子実体)が母親で、目に見えないシイタケ菌糸体が子どものようですが、実はその逆で、シイタケ菌糸体こそが子実体を生み出す力をもった、母親ともいうべきシイタケの本体なのです。
この菌糸体の強靭な生命力を用する目的で、シイタケ菌糸体培養技術が開発されました。
これがバガス(サトウキビを搾った残りの繊維質)と脱脂コメぬかを混ぜた培養基を用い、雑菌の侵入を防ぎながら種菌を培養して得られた菌糸体から抽出されるエキス、シイタケ菌糸体抽出物(LEM)です。
がん細胞の増殖を抑え、慢性肝炎を改善する

シイタケ菌糸体エキス1グラムは、生シイタケ約1.5キログラム、干しシイタケ約150グラムに相当します。
つまり、シイタケ本体の各種有効成分がぎっしり濃縮されているのです。
たとえばシイタケに含まれるエリタデニンは、血中のコレステロールを減少させます。
β−1.3グルカンは免疫細胞の活性を高めてガン細胞の増殖を抑え、排除する働きがあります。
水溶性リグニンは直接的にウイルスに作用して、その働きを抑制すると考えられています。
そのほかにも、B型・C型肝炎の改善、血圧降下作用などの働きが期待されています。
サメ軟骨 − ガン細胞を増殖させる新生血管を阻止
サメ軟骨に新生血管を阻害する働きがある

サメの骨格はすべて軟骨からできています。
脊椎動物の中ではヤツメウナギなどの円口類に次いで原始的な動物で、魚類の板鰓目軟骨魚に属する古代生物とされています。
この軟骨には、ふつうの骨のようなカルシウムやリン、血管や神経組織がない点が大きく異なっています。
1993年2月28日、米国の人気ニュース番組で、29人のガン患者が16週間にわたるサメ軟骨(粉末)を経口的にとり続けた結果、末期の前立腺ガンで歩けなかった83歳の元ボクサーが、ジョギングできるまでに奇跡の回復を遂げたという報道がなされました。
この試みに協力したキューバ陸軍の医師グループによれば、軟骨には骨と違って血管がないが、それは血管の形成を阻害するタンパク質があるためだというのです。
ガン細胞は無秩序に自己増殖を繰り返しますが、主要な血管から栄養分を得るために新生血管を伸ばしていきます。
サメ軟骨にはその新生血管の形成を抑制する大きな分子のタンパク質が6〜7種類あるといわれています。
中華料理でよく食べるフカヒレはサメ軟骨
サメ軟骨の主要成分はムコ多糖体と呼ばれるコンドロイチン硫酸で、中華料理で食べるフカヒレのプルプルした粘性物質がそれです。
コンドロイチン硫酸は、もともとからだの細胞間の結合組織にあって水分の調節をしながら、繊維状のタンパク質であるコラーゲンと結びつき、皮膚に弾力性を保つ働きをしていますが、
ガン細胞の新生血管形成による増殖を阻害したり、血管形成病ともいわれる関節リウマチや糖尿病性網膜症を改善する効果も期待されています。
小麦麦芽 − 老化防止、若返り・美容効果
発芽に必要なエ栄養成分がすべて含まれている

コムギはイネ(米)とともに、世界で最も重要な食用作物のひとつで、原産地は地中海性気候の西アジアといわれています。
古代文明時代から栽培された記録があり、エジプトのピラミッドからはミイラとともに多くの穀物が見つかっています。
その発見によって、当時はコムギとオオムギが主食とされていたことが判明しました。
日本へは中国大陸、朝鮮半島を経て4〜5世紀に伝えられ、おもにうどん(製麺)の原料に用いられていましたが、明治維新以後に洋食の習慣が広まったことから、パンの原料としての需要が大きく伸び、現在に至っています。
コムギの種実には、表皮、胚乳、胚芽の部分があります。
表皮は小麦粉に加工する際に取り除き、フスマ(妓)として家畜の飼料に使われます。
コムギ粒全体の83パーセントを占める胚乳はコムギ粉として加工される部分です。
ところで、製粉の段階で胚乳と分離される胚芽は、その昔はヌカ(糠)としてさほど重視されていませんでした。
しかし、近年の栄養機能性食品ブームの高まりによって、さまざまな栄養素がギュッと圧縮されたコムギ胚芽、あるいは抽出されたコムギ胚芽油として、主要なサプリメントの仲間入りを果たしました。
現代の若者を襲う無気力はビタミンB1の不安
コムギの胚芽部分は全体のわずか2パーセントにすぎませんが、発芽に必要な成分をすべて備えた栄養素の宝庫です。
タンパク質、脂質、各種ビタミン・ミネラル、食物繊維などが豊富に合まれていますが、なかでもビタミンB群、ビタミンEの働きがとくに注目されています。
食パンや白米(胚乳部分)だけを食べていると、胚芽には含まれていて胚乳には含まれないビタミンB1や食物繊維が不足して、脚気や便秘、疲労感などの症状を招きます。
また、インスタント加工食品や人工甘味料を添加した炭酸飲料ばかりを多くとる若者は、慢性的なビタミンB1不足に陥り、その無気力ぶりが社会問題になっているほどです。
ビタミンEの約70パーセントは、とくに抗酸化作用の強いα−トコフェロールで占められています。
老化防止や美容に効果がある若返りビタミン
コムギ胚芽では、その消化に少々時間がかかりますが(難消化性の食物繊維が多い)、白米の約20倍もビタミンB1を含んでいるので、滞りがちな糖質の代謝をうながし、カルシウムの吸収を高めて、蓄積疲労を回復させるなど、全身の活力を取り戻す働きが期待できます。
コムギ胚芽に含まれる天然ビタミンEは、老化防止や美容に効果のある「若返りのビタミン」とも呼ばれています。
また、コムギ胚芽に含まれるビタミンEの約70%は、とくに抗酸化作用の強いα−トコフェノールで占められています。
血管の弾力性を高めて動脈硬化を予防する
1936年、米国のエバンス教授がマウスの実験で、牛乳だけで飼育したマウスの生殖能力が衰退したので、これにコムギ胚芽油を与えたところ、たちまち繁殖力が回復したことから、コムギ胚芽油から抽出した有効物質をトコフェロール(子どもを得られるアルコール)と命名したといわれています。
このことから、またの名をセックスビタミンとも呼ばれています。
α−トコフェロールなど、抗酸化作用をもつビタミンEには、体内で過酸化脂質が生成されるのを妨げる働きがあり、血管の弾力性を高めて、血液の流れをサラサラにするので、脳への酸素補給を高め、動脈硬化を防ぎます。
また、細胞の新陳代謝を盛んにして、紫外線や活性酸素の害で傷んだ肌の老化、シミ、シワの修復・改善にも、大きな美容効果が期待されています。
ゴーヤー(ニガウリ) − 糖尿病や高血圧を予防する
ゴーヤーとチャンプルーはビタミンC補給料理

ゴーヤーと沖縄では呼ばれるニガウリ(苦瓜)は、インド原産で熱帯地方に広く分布する、ウリ科ツルレイシ属のつる性一年草で、正式名称を「ツルレイシ」といいます。
ゴーヤーには各種ビタミン、ミネラル類が豊富に含まれていますが、とくにビタミンCがレモンの約3倍も多く、しかも熱を加えてもほとんど壊れないことから、代表的な沖縄料理、ゴーヤーチャンプルー(ゴーヤーと豆腐の油妙め)は、理にかなったビタミンC補給法といえましょう。
ビタミンCはやはり多く含まれるカロテンとともに、過剰な活性酸素を消去し、動脈硬化を予防する働きがあります
毎日のようにゴーヤー料理を常食する沖縄の人たちには、100歳以上(長寿者)の割合が全国平均の約3倍(人口に対する割合)で、しかもガン、心臓病、糖尿病での死亡率が低いことから、長寿の秘訣がゴーヤーの薬用野菜としての働きにあると考えられるようになりました。
ゴーヤーの苦味成分にあった血糖値降下作用
近年、米国、中国、日本などでゴーヤーの薬効成分に関する研究が急速に進み、ゴーヤーの果皮に含まれる独特の苦味成分(モモルデシン、チヤランチン)に、血糖値を下げる働きが明らかになりました。
モモルデシンはインスリンの分泌をうながし、チャランチンは血糖値をコントロールすることから、この2つの相乗作用によって血糖値が下がると考えられています。
また、紅茶の約4倍も含まれるカリウムは、過剰なナトリウム(塩分)摂取が引き起こす高血圧を予防する働きがあります。

コエンザイムQ10 − 若さを保つエネルギー産生の黒子
エネルギー源のATP産生に必要な補酵素

臓器や筋肉が円滑に働くためには、それを動かすエネルギーが必要です。
そのエネルギーのもと(燃料)になるのが、ミトコンドリア(細胞内の発電所といわれる小器官)が酸素とグルコース(ブドウ糖)を用いて作り出す、アデノシン三リン酸(ATP)という物質です。
食べ物の栄養素・炭水化物(糖質)、タンパク質、脂肪は、腸管から分子の形で吸収されます。
なかでもグルコース(ブドウ糖)は、さらに分解(解糖作用)されてピルビン酸となり、アセチルCOAを経てコバク酸となってクエン酸回路に入ります。
つまり、解糖作用・クエン酸回路・電子伝達というプロセスを経て、ミトコンドリアの細胞内でエネルギー源となるATPが作り出されるのですが、そのときに重要な役目をする補酵素がコエンザイムQ10です。
抗酸化力、免疫力の強化、心臓機能の維持にもすぐれた働きをもつコエンザイムQ10は、人間の赤血球を除くすべての細胞に存在し、常に体内で合成されています。
しかし、その合成能力は年齢とともに低下し、エネルギー生成力が不足するために、肌の衰え、免疫力の低下、疲労倦怠感、肩こり、冷え性などの老化症状があらわれるようになります。
2001年からサプリメント利用が可能に

日本では1975年から、心筋梗塞や脳卒中などの脳・心虚血性疾患、糖尿病、歯槽膿漏の治療薬(医薬品)に使用されていましたが、2001年の食薬区分改正によって、サプリメントとしての利用が可能になりました。
別名ビタミンQ、ユビキノンとも呼ばれています。
ケフィア − 腸内の善玉菌を増やす、ガンを予防する
日本ではヨーグルトキノコの名で親しまれる

ケフィア(ケフィール)は、中央アジアのコーカサス地方で常用される発酵乳飲料(酸乳飲料)で、近年、その多彩な健康効果が注目されるようになりました。
やはり発酵乳飲料である一般的なヨーグルトは、おもに原料の牛乳に乳酸菌(ブルガリア菌、テルモフィルス菌、ラクチス菌など)を加えて発酵させて作ります。
ケフィアはヒツジ、ヤギ、ウシの乳をいったん加熱、冷却したあとでケフィア種(種菌)を加え、一昼夜20度で放置したまま発酵させて作ります。
すると「ケフィアグレイン」と呼ばれる黄色いカリフラワー状のもと(塊)ができます。
そこに加熱・殺菌しておいた冷却乳を加えて、さらに2〜3日おいたものを飲むのです。
やはり中央アジア(モンゴル)の遊牧民が馬乳から作るクミスも、ケフィアと同じ発酵乳飲料ですが、こちらも腸の疾患や貧血の改善にすぐれた効果を発揮します。
日本でも10年ほど前から、ヨーグルトキノコの名前で親しまれており、腸内で善玉菌を増やして便秘を改善するなど、すぐれた整腸作用が美容や健康によいと評判になっています。
1877年には、早くもロシアの学者が胃腸病、便秘・下痢などの消化器疾患や、糖尿病に対するケフィアの改善効果を報告していますが、
その後、1908年にロシア生まれのフランス人で、ノーベル生理学・医学賞を受賞したメチこコフ博士が、「ケフィアへ菌)は腸内の悪菌の繁殖を抑制し、免疫能や生理機構を高めて、動脈硬化を改善し、老化を予防する」という内容の長寿論を発表したことから、ケフィアの名は世界中に知られるようになりました。
そのころから、コーカサス地方の長寿者に強い関心が集まるようになり、1970年代に入ると、米国、旧ソ連、ハンガリー、日本の研究者が相次いで調査に訪れ、
ケフィアの血中コレステロール低下作用、
心臓病や腎臓病の改善、
肥満の解消、
肝細胞の再生機能の賦活、
ウイルス感染抑制作用、
ガン細胞増殖の抑制など、さまざまな分野での研究発表が行われました。
抗がん作用がある
なかでも、近畿大学・久保道徳博士はマウスのエールリッヒ固形腫瘍に対する実験で、ケフィアの抗腫瘍作用を点滴や静脈注射(血液に直接作用させる)ではなく、経口投与(餌として食べさせる)で検討し、それが有効であることを確認した研究論文の中で、
「ケフィアの抗腫瘍作用は、腫瘍細胞に対する直接作用ではなく、免疫系、とくにマクロファージ(大食細胞)を介した作用であることが明らかにされつつある」
と述べています。
つまり、ケフィアを食事でとることで、腸管での善玉菌による整腸作用や免疫物質の産生がなされるというわけです。
ケフィアを構成する乳酸梓菌(棒状)や乳酸球菌(球形)などの乳酸菌や、腸管内のビフィズス菌など、いわゆる善玉菌たちは、各種の酵素の助けを借りながらビタミンB群を作ったり、免疫を高める物質を合成しています。
その一方、ウエルシュ菌など悪玉菌の増殖を抑え込み、悪玉菌が作り出す有害な活性酸素や腐敗物質にストップをかけることで、ガン細胞の発生や増殖を防ぐ働きが期待されているのです。
ケフィア(種)菌を牛乳に混ぜ合わせ、発酵させて作る「ヨーグルトキノコ」は、雑菌が入ると食中毒を起こす恐れがあります。
くれぐれも、(1)良質な種菌を選ぶ、(2)清潔な容器で作る、といった注意を怠らないよう心がけたいものです。
ケール − 動脈硬化の予防、視力の回復・向上
青汁で野菜をとれば、理想的な栄養状態になる

アブラナ科の野菜であるケールは、南ヨーロッパ原産で、キャベツやブロッコリーの原種と考えられます。
ツリーケールという木立性の大業種は、タバコの菓ほどの大きさになる1枚の葉から約180ミリリットルの青汁が絞れることから、青汁用に広く栽培されています。
日本における青汁の歴史は、食糧難に陥った戦後まもなく、
「健康維持には清浄野菜を食べるべきだが、食べられる量には限度がある。
野菜を青汁にして飲用すれば、バランスのとれた栄養がたくさんとれる」
と訴えた岡山県倉敷市の遠藤仁郎博士によって、栄養補給を目的とした病院食や給食用にと考案されたのが始まりです。
当初は青汁の材料としてキャベツ、小松菜、水菜、ダイコン葉などが試されましたが、やがて栄養のバランスがよく、周年栽培が可能で、収穫量の多いケールが、代表的な青汁のもととして定着するようになったといわれています。
緑黄色野菜の多彩な健康効果が丸ごととれる!
緑黄色野菜であるケールは、キャベツに含まれる各種栄養素の量をはるかに上回っています。
とくに、豊富に含まれるβ−カロテンがビタミンAの抗酸化効果を高めて、過剰に発生した活性酸素の消去(スカベンジ化)をはじめ、動脈硬化の予防、視力の回復・向上、呼吸器や消化器の粘膜細胞を強化するなど、多彩な健康効果が期待されます。
緑黄色野菜の有効成分をそのまま絞ったケールの青汁は、便秘や下痢を改善する整腸作用のある食物繊維、造血・血栓予防に効果があるといわれる葉緑素、ストレスに強いビタミンCなどを丸ごととることができます。

クロレラ − 体内の毒素を除去し、免疫力を高める
生命誕生と共に発生の淡水性プランクトン

クロレラは、地球上に生命が誕生した30億年以上前から海中に棲息している緑藻類の一種で、淡水性のプランクトンです。
クロレラという名前は、ギリシャ語のクロロス(chlor=緑色)と、ラテン語のエラ(ela=小さなもの)を合成して作られたものです。
その大きさは人間の赤血球よりも小さく、わずか2〜10ミクロンほどですが、1つの細胞が約20〜24時間ごとに4分裂しながら増殖し続けるという、驚異的な増殖力と生命力をもっています。
また、クロレラの光合成能力は、ほかのどの植物よりもすぐれています。
1890年、オランダの学者・バイリンクによって発見されたクロレラは、地球上に無尽蔵に存在する植物性プランクトンとして、また良質なタンパク質として、ドイツなどヨーロッパ諸国ではおもに食糧源への研究開発が進められました。
その後、1931年にノーベル医学賞を受賞したオット・ワールブルグ博士が生物学研究の対象にクロレラを取り上げたことから、第二次大戦後の米国で本格的な研究が始まりました。
当初は米航空宇宙局(NASA)が宇宙開発に利用する計画があり、「宇宙食」としての期待が高まった時期もあったようです。
しかし、現在では良質なタンパク質の供給源だけでなく、細胞を賦活化して生活習慣病を防ぐサプリメントとして、大きな注目を集めるようになりました。
クロレラの特有成分「CGF}の抗老化作用
日本では1951(昭和26)年、米国カーネギー研究所のすすめを受けた東京大学・田宮博教授が徳川生物学研究所においてクロレラの研究に着手し、現在のようなクロレラの大量培養、サプリメント開発への確かな道を拓くことにつながっています。
おもな成分はその約60パーセントが良質タンパク質、約20パーセントが炭水化物、約5パーセントが葉緑素であり、そのほか、ビタミンA・B群・C・E、主要ミネラル、核酸をはじめ、独特の抗疾病作用が期待されるファイトケミカル(微量植物化学物質)を多く含んでいます。
クロレラは生命活動に必要な成分の合成を、1つの細胞内で活発に行いますが、細胞分裂・増殖を繰り返す過程の中で、独特の成分であるクロレラエキスが多量に生じます。
米国老化防止研究所所長・スチーブン博士はこのエキス成分をCGF(クロレラ・グロス・ファクター)と命名、アミノ酸・ペプチド・ポリサッカライド・ビタミン・核酸などが複合されたものであろうと考察し、その抗老化作用(アンチ・エイジング)に着目しています。
とくに、CGFに含まれるS−ヌクレチドペプチドには、造血作用をうながす働きがあり、貧血の改善に有効だといわれています。
アルブミンが毒素を除去し、免疫力を高める
最近の研究では、クロレラが血中タンパクのアルブミン値を上げることが判明しています。
強力な抗酸化作用をもつアルブミンは、体内のビタミン、ミネラル、脂肪酸などの必須物質を運搬する役目のほか、体内の毒素を細胞から除去して肝臓に運び、肝臓で解毒して体外に排出する働きをバックアップしています。
また、アルブミンが不足すると、肝臓や腎臓の働きが低下し、免疫システムがうまく機能しなくなります。
英国の医学専門誌『ランセット』に発表された研究では、アルブミン値が低い人ではガンや心臓病に雁患する確率が高いということが指摘されています。

黒酢 − コレステロール値を下げ、血流を改善する
醗酵・熟成に1〜3年をかける天然の醸造酒

酢には殺菌効果、食欲増進作用、血糖値抑制作用のほか、コレステロールや中性脂肪の減少作用による「血液をサラサラにする」働きがあります。
天然の醸造米酢の中でも、黒酢は発酵・熟成にかける期間が1〜3年と長く、すぐれた血液サラサラ効果を発揮します。
人間のからだには全長10万キロメートル、地球を2回りする長さの血管が網の目のように張りめぐらされています。
その約90パーセントは、微細循環と呼ばれる内径が30〜40ミクロンの細い血管で、さらにその先は内径5ミクロン以下の毛細血管に枝分かれしています。
毛細血管の終点は行き止まりではなく、その末端から、それぞれの部位の細胞への栄養供給や酸素・二酸化炭素ガス交換を活発に行っています。
黒酢がしなやかな赤血球の変形能を取り戻す
健康な血液を1万5000倍の顕微鏡で拡大すると、赤くてきれいな丸い赤血球が活発に動いています。
生体に必要な酸素や栄養成分を運ぶ赤血球の細胞膜はピンと張り、輪郭もはっきりしています。
肺で受け取った酸素を動脈血によって全身の細胞に供給し、細胞から回収した二酸化炭素を含む静脈血を再び肺に送り返す過程で、赤血球のヘモグロビン(血色素)が酸素の運び屋をしています。
しかし、運搬役のヘモグロビンの量が減ると、全身の細胞が酸欠に陥ります。
これが「貧血」の状態で、赤血球の大きさが大小不同になったり、真ん中が薄くくぼんだ(標的赤血球)ようになります。
ふだんは直径7ミクロンほどの赤血球ですが、内径5ミクロンの毛細血管を通るときには、細長く変形して通り抜ける変形能を発揮します。
年齢とともに赤血球のしなやかさ(変形能)が失われやすく、酸素が隅々まで供給できにくくなりますが、幸いなことに、黒酢には赤血球の変形能を改善し、血液をサラサラにする働きがあるのです。
ドロドロの血液が循環器病の引き金になる
食事から約30分たった血液を1万5000倍の顕微鏡で見ると、細かい中性脂肪の粒が雪のように降っています。
健康な人ではしばらくすると消えるのですが、高脂血症や脂肪肝の患者の血液では、常に中性脂肪が降るように見える状態で、ところどころに小さい脂肪・糖分のプラーク(かすの固まったもの)が見られます。
このプラークが大きくなると血栓となり、心臓や脳の毛細血管に詰まって心筋梗塞や脳梗塞を起こします。
このような「血液ドロドロ」の状態が、循環器系の病気の引き金となるのです。
中医学(中国の伝統医学)では、人間のからだを構成する3つの要素「気・血・水」の調和が崩れると病気になると考えています。
とくに気と血の関係を「気がめぐれば血もめぐる。気が滞れば血も滞る」と説明しています。
ストレスによる緊張状態が長く続くと「気の滞り」を招き、血管が収縮して血液が流れにくくなり、全身の新陳代謝も悪くなるので、ネバネバ・ドロドロの汚い血液になるというのです。
悪玉コレステロール、中性脂肪率が低下する
ストレスや食生活の偏り、慢性的な運動不足からくる血液の汚れや粘り気を、中医学では「疾血(おけつ)」といいます。
中国では、中医学と西洋医学のよいところを融合しようとする「中西医結合」運動が盛んですが、西洋医学でいう総コレステロールや中性脂肪が高く「粘性のある」血液の状態を、中医学では「疾血」と呼んでいるのです。

黒酢には中性脂肪を低下させ、悪玉(LDL)コレステロール値を下げつつ、善玉(HDL)コレステロール値を上げるという、「血液をサラサラにする」効果があるのです。
グルコサミン − 腰痛、膝の痛み、関節炎などに効果
グルコサミン不足が関節の痛みを引き起こす

グルコサミンは、カニやエビの殻(キチン質)やヤマノイモのネバネバ成分(ムコ多糖体)に多く含まれている成分で、糖とアミノ酸(タンパク質の構成成分)が結びついた天然のアミノ酸の一種です。
グルコサミンには、生体内で細胞同士を結びつける結合組織の生成をうながす働きがありますが、軟骨や爪、腱、執帯、皮膚などに広く分布しています。
人間は年をとる(加齢)にしたがって、グルコサミンの体内での生成能力が衰えてきます。
その結果、軟骨は関節にかかる体重や重力の衝撃をやわらげる役割を果たせなくなります。
車社会、飽食時代のただなかにいる現代人がはからずも抱えることになった、高齢化、慢性的な運動不足、過食による肥満などの原因によって、からだじゅうの関節で軟骨の破壊・摩耗、再生不良、炎症などが発生し、腰痛や膝の痛み、関節の腫れを引き起こすのです。
ガンの急激なやせ、食欲不振改善への期待
関節機能を支える軟骨を補強するためには、グルコサミンは欠かせない栄養素なのです。

サプリメント用のグルコサミンは、カニやエビの殻を原料としたキチン質を、塩酸または硫酸で加水分解して作られているので、甲殻類アレルギーが見られる人は注意が必要です。
また、愛媛大学・奥田拓道教授がマウスで行った実験では、ガン細胞から放出されるトキソホルモンというガン毒素をグルコサミンが阻害し、食欲不振を改善することから、ガン患者の急激なやせや全身衰弱を食い止める効果が期待できるという報告もあります。
クエン酸 − 疲労回復効果、血流改善、免疫力強化
疲労回復にはレモン、梅干を食べると良い

クエン酸は、酢や柑橘類に含まれる、さわやかな酸味の成分です。
とくにレモン、ライム、グレープフルーツなど柑橘類の果汁に多く含まれていますが、梅干し、梅肉エキス、各種の酢にも含まれています。
大きめのレモン1個には約4グラム、梅干し1個には約0.35グラムのクエン酸が含まれています。
クエン酸は水に溶けやすく、熱に弱い性質があり、加熱すると壊れてしまいますので、くれぐれも加熱しないようにしてください。
多忙な現代人は、日ごろから働きすぎ、食べすぎ、飲みすぎなど、さまざまなストレスにより、クエン酸回路の循環が鈍くなっており、どうしても疲労がたまりやすくなっています。
日本人は昔からハードな仕事やスポーツの後などに、レモンを丸ごとかじったり、梅干しを食べるなど、肉体の疲れをとる健康食として、疲労回復効果のあるクエン酸を利用してきました。
クエン酸回路の発見
クエン酸における最大の健康効果は、肉体の疲労回復を早めることにあります。
しかし、クエン酸はどのような働きによって疲労をとるのでしょうか。
1953年、英国の化学者クレブス博士によって「約60兆個の細胞内でのエネルギー(ATP)を放出するプロセス」が発見され、彼はノーベル賞を受賞しました。
その名を冠してクレブス回路ともいわれる、クエン酸(TCA)回路の働きが明らかにされました。
クエン酸回路とは、食べ物として取り込まれた栄養素を、アデノシン三リン酸(ATP)というエネルギーに変えるためのシステムです。
細胞内にあるミトコンドリアという小器官の中で、呼吸で取り入れた酸素と腸管から吸収されたブドウ糖を利用して行われます。
クエン酸回路がエネルギー(ATP)を生む
腸管から吸収された栄養素をエネルギーに変える方法には、解糖作用とクエン酸回路の2つがあります。
体内に取り込まれた食べ物に含まれる糖質、タンパク質、脂質などの栄養素は、人間の体細胞が利用しやすいブドウ糖、アミノ酸、グリセリン、脂肪酸などに分解されますが、ブドウ糖はさらにピルビン酸(乳酸)に分解されていきます。
これを解糖作用といいます。
解糖作用の最終段階でできたピルビン酸は、クエン酸回路に入ると、クエン酸、アコニット酸、イソクエン酸、α−ケトグルタール酸、コハク酸、フマール酸、リンゴ酸、オキザロ酢酸へと、
順次さまざまな酸に変化しながらエネルギー(ATP)を産生し、最終的には炭酸ガスと水になって体外に排出されます。
また、オキザロ酢酸はピルビン酸と反応して、クエン酸を再生します。
クエン酸回路には何よりもクエン酸の補給と、エネルギー代謝に欠かせないビタミンB群が必要であり、クエン酸回路が正常に機能していれば、疲労物質である乳酸が体内にたまりにくくなるのです。
金属ミネラルの体内への取り込みを促進する
そのほか、クエン酸には体内に取り込まれた鉄、マグネシウムなどの金属ミネラルを、はさみ込んで吸収しやすくするキレート作用があります。
キレートとはギリシャ語で「カニのはさみ」を意味する「ケーレー」が語源ですが、クエン酸がこれらのミネラル分をはさみ込んで、キレート化合物(鉄をヘム鉄)に変えることで、生体がより吸収しやすい形になるのです。
また、最近ではクエン酸の、血流をサラサラにして、心筋梗塞や脳梗塞を予防したり、全身の免疫力を強化する働きが注目されています。
グァバ − 糖尿病の改善、ダイエット効果
グァバ茶の有効成分はポリフェノールだった

グァバは東南アジアや熱帯アメリカ原産で、フトモモ科に属する常緑樹です。
高さ3〜4メートルほどの低木で、樹皮はサルスベリ(百日紅)のようにスべスベしています。
日本ではバンジロウ、中国では蕃石榴(ばんせきりゅう)と呼ばれています。
近年、熊本県や宮崎県など、九州南部でもグァバの温室栽培が盛んになりましたが、洋ナシ型の果実が生食、ジュース、ジャムとして利用されるほか、
乾燥させた葉は糖尿病の予防やダイエットに効果が期待される「グァバ茶」として人気を集めています。
近年、グァバの葉に含まれる有効成分の「グアバ菓ポリフェノール」に、血糖値を下げる働きがあることが判明しました。
糖尿病の治療に使われるインスリン(血糖降下ホルモン)ほどの即効性はありませんが、ラットを使った実験では血糖降下の効果が確かめられています。
ブドウ糖に分解する酵素の働きを阻害する
私たちが食事で体内に取り込んだ食べ物の栄養素のうち、小腸から分泌される消化酵素の働きで、食べ物に含まれる糖質(炭水化物)がブドウ糖に分解されて、腸管から吸収されたブドウ糖が血糖値を押し上げるのを調整しようとして、膵臓からインスリンが放出されます。
インスリンは膵臓組織内のランゲルハンス島から分泌されるホルモンで、細胞へのブドウ糖の取り込みを促進し、それをエネルギーとして利用したり、肝臓でブドウ糖をグリコーゲンに変換して貯蔵する働きを高めます。
したがって、インスリンの分泌が旺盛な健康な人の場合には、結果的に血糖値(血液に含まれるブドウ糖の含有量)が下がってくるのです。
ところが、ふだんから血糖値の高い糖尿病患者などでは、過剰な血糖値を下げるために、インスリン分泌が頻繁に繰り返されているうちに、しだいにインスリンの分泌機能そのものが衰えてしまいます。
すると、インスリンの血糖降下作用が働かなくなり、血糖値が高いまま推移して、やがて糖尿病へと移行する可能性が高くなります。
インスリンの過剰分泌をコントロールする
グァバ葉ポリフェノールには、小腸で食べ物に含まれる糖質を分解してブドウ糖に変換する酵素の活性を阻害する働きがあります。
血糖値とは血液中に含まれるブドウ糖の含有量のことであり、糖質はブドウ糖に分解されなければ小腸から吸収されません。
その点、グァバ葉ポリフェノールにはブドウ糖への分解を阻害する働きがあるので、ブドウ糖の腸管からの吸収を遅らせ、血糖値の上昇を抑えます。
その結果、小腸から吸収されるブドウ糖の旦里が減少し、血糖値が上がりにくくなることから、インスリンの過剰分泌が抑えられるだけでなく、余分に取り込まれたブドウ糖の体内脂肪への変換(脂肪合成)も少なくなるので、ダイエット効果も大いに期待されています。
軽度の糖尿病患者を対象とする臨床試験でも、有意に血糖値の改善が見られたという報告があります。
葉に含まれる豊富なタミンCの抗酸化作用
グァバの葉には、ポリフェノールのほかにも、葉緑素、葉酸、ビタミンA、ビタミン説、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、各種の多糖類(食物繊維)が含まれています。
なかでも、豊富に含まれるビタミンCの抗酸化作用には、血管壁を強化して心筋梗塞や脳梗塞の原因になる動脈硬化や、紫外線によるメラニン色素の生成を抑えて皮膚の老化を防ぐ働きがあります。
キャッツクロー − 免疫力の増強、関節の痛みをとる
巨大なつる状植物の樹液と樹皮を煎じたお茶

南米ペルーのジャングルに自生し、直径20センチメートル、長さ30メートル以上にも達するアカネ科のつる性一年草で、小枝から出る葉柄の付け根にネコの爪のような鈎が突き出ているところから、現地ではスペイン語でウニヤ・デ・ガド(ネコの爪)と呼ばれています。
ペルーの先住民であるインディオは、つるを切ったときににじみ出る樹液を飲んだり、樹皮を煎じてお茶として飲用していました。
インカ帝国の時代から神経痛、腰痛、リウマチ、関節痛などの痛みをとる秘薬として、何世紀もの間、貴重な伝承薬として用いられてきました。
1974年、オーストリアのケンブリガー博士が、キャッツクローから抗腫瘍物質を発見、さらに1990年にはその根から6種類のアルカロイドを抽出することに成功しました。
植物で作られる窒素を含んだアルカリ性の化合物であるアルカロイドには、生体の免疫力を増強して、侵入した病原性の細菌やウイルスを撃退し、ガン細胞の発生を抑える働きがあります。
アルカロイドの多彩な免疫力を増強する働き
これらのアルカロイドの中でも、とくに
- イソテロボディン(白血球の貧食作用を活性化させて、免疫力を高める働きがある)、
- イソリンコフィリン(血管を拡張して、血圧を下げる働きがある)、
- リンコフィリン(抗血小板凝集作用、抗血栓作用があり、脳梗塞、心筋梗塞を予防する)、
の働きが、最近の研究で確かめられています。
このほかにも、ペルーやイタリアの学者によって、抗酸化性、抗炎症性、抗腫瘍性をもつ成分などが明らかにされています。
キチン・キトサン − 血液循環、脂質代謝の改善

「キチン」は、カニやエビの甲殻や昆虫の外皮、キノコなど菌類の細胞壁の主成分を構成する直鎖型の多糖類で、ギリシャ語で「封筒」の意味をもっています。
キチンは水にも酸にも溶けない、とても堅固な分子構造をしています。
しかし、熱した濃いアルカリ溶液に浸しておくと、その分子からアセチル基が脱落して、アミノ基に入れ替わった「キトサン」に変わることがわかりました。
このキチンとキトサンを総称して「キチン質」と呼ぶこともあります。
まだキチンの化学処理方法がわからなかった時代には、地球上に無尽蔵に存在する、この物質を利用することができませんでした。
しかし、1970年代からアメリカで始まった「未利用生物資源の活用」のひとつとして、キチンが注目されるようになりました。
1980年代に入ると、日本でも大量に排出される缶詰用ベニズワイガニの殻の再利用が研究の対象となりました。
医療用の人工皮膚や手術用縫合糸にも使用
その後、産業界の各方面でキチンの再利用に関する基礎研究と技術開発が急速に進みました。
現在では畜産や漁業用の餌料、殺虫・殺菌剤、汚水処理剤などのほか、各種の膜やラップ、医療用の人工皮膚、手術用の縫合糸など、広い分野で利用されるようになりました。
とくに生体適応性の高い人工皮膚は、重症の火傷などでの皮膚移植に目覚ましい成果を上げています。
一般に利用されるキチン質は、入手しやすいカニ殻から作られています。
前述の化学処理工程のように、カニ殻から炭酸カルシウム、タンパタ質、色素成分などを取り除き、精製したものがキチンですが、さらにキチンからアセチル基を外して抽出精製したものがキトサンです。
しかし、カニ殻から化学処理してキトサンを取り出すのですが、どうしても残ったキチンがキトサンと混じった状態になるので、キチン・キトサンと2つの物質名を重ねて呼んでいます。
腸管からの食べ物の脂肪吸収をストップする
キチン・キトサンは食物繊維に似た性質をもつ物質で、体内で消化されることがありません。
さらに、キチン・キトサンが小腸を通過するときに、腸内にある食べ物の脂肪と結合して、自重の4倍もの脂肪を吸着したまま体外に排出されるので、腸管からの脂肪の吸収を阻害し、余分な体脂肪の蓄積を防ぎ、肥満の改善や予防に大きな効果が期待できます。
ただし、キチン・キトサンは脂肪の体内吸収にストップをかけると同時に、脂溶性ビタミンであるビタミンE・A・D・Kの吸収まで邪魔をすることになるので、長期間の連用を控えるか、必ず食事などで脂溶性ビタミンや必須脂肪酸(リノール酸、アラキドン酸、γ−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸など)を補うように心がけてください。
マウスの実験で抗がん作用が注目されている

最近の研究によると、マウスに発ガン物質入りの餌を食べさせる実験で、キチン・キトサンを混入した餌を食べたマウスは、発ガン物質だけが入った餌を食べたマウスに比べて、結腸の前ガン性病変が少ないことが判明しました。
1986年には鳥取大学・平野茂博教授らが血中コレステロールおよび中性脂肪値の減少効果を動物実験で確認し、
さらに1992年には愛媛大学の奥田教授らが食塩摂取による血圧上昇を抑制する効果を発表しています。
しかし、キチン・キトサンは特定の臓器や疾患に対して効果を発揮するのではなく、全身の血液循環、脂質代謝を改善することで、さまざまな病気をはね返す働きをすることがわかってきました。
菊イモ − 血糖値の上昇を抑え、糖尿病を予防
菊イモの主成分は難消化性多糖類のイヌリン

菊イモは北アメリカ原産、キク科ヒマワリ属の多年草です。
秋にヒマワリに似た黄色い花を咲かせますが、根の先端が肥大化してイモ(芋)のような根塊になることから、この名前がついたといわれています。
生命力が強く、栽培も容易なことから、戦中戦後の一時期には食糧難を補うために、菊イモが栽培され、その根を食糧として利用していたこともあるそうです。
この菊イモが一躍脚光を浴びたのは、主成分であるイヌリンという難消化性の多糖類(食物繊維)に、糖尿病を改善する働きがあることが判明したからでした。
イヌリンはフルクトース(果糖)が約30個つながった多糖類で、体内に入っても吸収されにくく、ブドウ糖のように血糖値を上げることがありません。
そもそも、菊イモの糖質にはデンプンが含まれておらず、たとえば菊イモをたくさん食べるようにすれば、デンプンを分解してできるブドウ糖の生成が起こらず、インスリンの過剰分泌や肥満の心配もないのです。
善玉ビフィズス菌を増やして便秘を改善する
また、イヌリンの一部は胃の中で水分を含んでゲル状となり、摂取した糖質や脂肪の腸内への吸収を阻害して、そのまま体外に排泄するように働くので、血液中の血糖値や中性脂肪値、コレステロール値の上昇が起こりません。
さらに、残りのイヌリンはビフィズス菌など、腸内善玉菌の餌となるフルクトオリゴ糖に変わります。
その結果、善玉菌優位の腸内環境が整えられ、腸の蠕動運動が活発になり、便秘の解消、肥満の改善によい影響が得られるのです。
ガラナ − 疲労回復、肉体的耐久力、スタミナ増強

アマゾン川流域に自生するつる性植物で、房の小さな赤い実をつけます。
何千年もの間、アマゾン川流域に住む先住民は、神からの贈り物、疲れ知らずの万能薬として、ガラナの実が熟してはじけ出た黒い種を乾燥させてお茶にしたり、ペースト状につぶして食べたりしていたそうです。
ガラナの薬としての利用法は、興奮剤、鎮痛剤、下痢の治療薬が主だったようですが、祭りのときなどはガラナ茶を飲んで3日3晩寝ないで踊り明かしたということです。
ガラナの原産国であるブラジルでは、市場に出回っている4分の1以上の飲料が主成分にガラナを含んでいるといわれるほどポピュラーなサプリメントです。
2002年のサッカー・ワールドカップでも、ブラジルの代表選手たちが愛飲していたことで大きな話題になりました。
カフェインの含有量は約3倍ある
ガラナの化学的な分析を最初に行ったのは、ドイツの植物学者セオドア・フォン・マルティウスですが、白い水晶のような苦い物質をガラナの種子から取り出すことに成功して、それをガラニンと命名しました。
これが後にカフェインと呼ばれるようになるのですが、ガラナの種子に含まれるカフェインは最大で5パーセントで、コーヒーの約3倍も含まれています。

ガラナには興奮作用をもつカフェインのほかに、鎮痛作用のあるアルテオフエリン、神経興奮作用のあるテオブロミンが含まれています。
とくにスポーツ選手の間では、ガラナの疲労回復効果、肉体的耐久力、スタミナや集中力の増強などに大きな関心が集まっています。
花粉(ビーポーレン) − 前立腺疾患にも有効な完全食品
外国の長寿者は花粉を食べている

ミツバチが花の蜜を吸いながら、花粉を蜜やハチの唾液でだんご状に丸めて巣に持ち帰るもので、「花粉だんご」ともいいます。
花粉の成分に唾液に含まれる酵素を加えたもので、働きバチたちはこれを食べることで、女王バチの食物となるローヤルゼリーを分泌しているのです。
古代ギリシャでは「神々の食べ物」として珍重され、また自然が作り出す極めて栄養価の高い食品として、ヨーロッパでは「パーフェクト・フーズ(完全な食品)」とも呼ばれています。
生物学者のニコライ・ティシティンが、長寿者が多いことで知られるコーカサスのグルジア族を調査した際に、100歳以上の長寿者の大多数が養蜂家であり、花粉の混じったハチミツ原液を常食していることが明らかになったことから、長寿食としての関心が高まりました。
前立腺炎、前立腺肥大症での治療効果が判明
おもな成分としては、タンパク質を約35パーセント(その半分が吸収されやすい遊離アミノ酸)、各種の糖分を約40パーセント、そのほかに各種ビタミン、ミネラル、酵素、補酵素などをまんべんなく含んでいますが、とくにビタミンC、ビタミンB群を多く含んでいます。
花粉の効用としては、腸の機能の正常化(下痢や便秘の改善)、血中ヘモグロビンの増加(貧血の改善)、滋養と体力回復、精神安定などがよく知られています。

最近では抗生物質的に働く成分、ホルモン的成分、成長促進物質などが明らかにされていますが、とくに前立腺炎や前立腺肥大症にも治療効果があることが判明し、花粉だけを使った薬剤が開発されているほどです。
カテキン − 強力な抗菌力・抗酸化力の緑茶成分
玉露や番茶より、上級煎茶に多く含まれる

カテキンはポリフェノールの一種、植物に含まれる苦味(渋味)成分のことで、その強力な抗菌力、抗酸化力から、近年大きな注目を集めるようになりました。
とくに緑茶や柿渋の渋味成分としてよく知られるタンニンのうち、すぐれた効能をもつ緑茶タンニンをほかのタンニンと区別して、化学名のカテキン(緑茶カテキン)と呼ぶようになりました。
緑茶カテキンの含有量は乾燥茶菓の8〜15パーセントで、上級煎茶に最も多く含まれ、上級の玉露や下級の番茶では少ないようです。
緑茶に含まれるおもなカテキンには、約半量がエビガロカテキンガレード、そのほかエビガロカテキン、エビカチキン、ガロカテキンなどがあります。
緑茶と同じ茶葉から作られる紅茶やウーロン茶でもカテキンをとれますが、強力な効果を発揮するエビガロカテキンガレードの含有量では、緑茶のほうが圧倒的にすぐれています。
優れた殺菌・抗菌効果、消臭効果を発揮する
かつて、病原性大腸菌、0−157の幼稚園児、お年寄りへの感染が問題になったときに、緑茶カテキンの殺菌・抗菌効果が話題になりましたが、
風邪のひき始めなどに緑茶を飲んだり、うがいをすれば、カテキンの殺菌作用で風邪の症状を軽くすませることができるといいます。
昔から生の魚や貝を食べるおすし屋さんでは最後に「あがり(濃い緑茶)」が出ますが、なまものを食べながら緑茶を飲む習慣は、カテキンが食中毒予防などの殺菌作用を発揮しています。
また、緑茶カテキンには腸内の乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を増やし、ウエルシュ菌などの悪玉菌を減らす効果や、口臭や体臭を少なくするすぐれた消臭効果があります。
胃がんの原因となるピロリ菌を除菌する
緑茶の生産地で知られる静岡県中川根町では、日常的に緑茶をよく飲む習慣があり、日本人に多い冒ガンによる死亡率が全国平均の5分の1にすぎなかったという報告もあり、緑茶カテキンの抗ガン作用についての関心も高まっています。
米国国立ガン研究所(NCI)ガン予防開発部では、
1996年ごろから緑茶カテキンのガン予防効果に注目しており、米国テキサス大学のガンセンターでは、すでにフェーズ�Tの臨床試験で人間への安全性や最大投与量の確認を終了し、さらにその効果を調べるフェーズ�Uの臨床試験へと進んでいます。
緑茶カテキンの抗菌作用は、胃ガンの危険因子であるピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)にも大きな効果を上げています。
静岡県立大学短大と浜松医療センターの共同研究によれば、実際にピロリ菌に感染した患者34名を対象にカテキンを1ヶ月間投与した結果、半数以上の患者でピロリ菌が不活性化し、6名の患者では除菌されていることが確かめられています。
活性酸素消去力は、ビタミンEの約50倍
過剰に発生する活性酸素は、過酸化脂質(細胞膜の脂質を酸化してもろくする)や皮膚のシミ・シワ、白内障の発症、さらには遺伝子のDNAを傷つけて細胞のガン化などを引き起こす恐れがあります。
生物はさまざまな抗酸化物質(スカベンジャー=掃除屋)によって、活性酸素の害からからだを守っています。
緑茶カテキンもそのひとつで、代表的な抗酸化物質であるビタミンEと比較すると、約50倍のスカベンジ能力(活性酸素消去力)をもっています。

また、2003年の日本栄養・食糧学会では、緑茶カテキンを高濃度で継続的に摂取すると内臓脂肪が著明に減少するという発表があり、緑茶のダイエット効果が注目を集めています。
核酸 − 新陳代謝の促進、老化やボケの予防
一生を支配する遺伝的性質に関与する

動植物すべての細胞には、細胞壁に包まれた細胞質の中に浮かぶように核があり、さらにその核の中に染色体があります。
染色体は親の形質を子に伝え、ひとつの細胞が誕生し成長(分裂分化)して、さらには死に至るまで、生物の一生を支配する遺伝情報を保持した物質で、DNA(デオキシリボ核酸)とRNA(リボ核酸)、そしてタンパク質からできています。
1869年、スイスの化学者ミーシャーによって発見された「細胞の核に含まれる高分子有機化合物」が、酸性を示すことから「核酸」と名づけられました。
その後、遺伝的性質に関与する物質として核酸の研究が進み、20世紀前半には「遺伝子の本体である」DNAと「DNAの遺伝情報を写しとってたんぱく質を合成する」RNAが含まれていることが解明されました。
旺盛な新陳代謝に必要な新しい核酸の補給
1962年には、DNAとRNAの分子構造を明らかにしたJ・ワトソン、F・クリックがノーベル生理・医学賞を受賞しています。
さらに、1976年、米国の開業医、B・フランクが臨床経験をもとに、核酸を多く含む食品の摂取が医学的にも有益であると発表したことから、健康食品への応用が一躍クローズアップされるようになりました。
現在ではサケの白子から精製される高分子の核酸が、サプリメントの主流になっています。
私たちのからだの中では脳や心臓の細胞などを除く、ほとんどの細胞が常に新陳代謝を練り返しており、約200日で全身の細胞が新しく生まれ変わっています。
新陳代謝の過程でたくさん消費される核酸は、肝臓で生合成(デノボ合成)されるか、食品中の核酸から再合成(サルベージ合成)する形で補給されています。
核酸の補給不足が細胞の老化やガン化を防ぐ
成長期までは旺盛であった肝臓での生合成機能は、20歳を過ぎるころから衰えてきて、食べ物から再合成される核酸への依存度が高まってきます。
しかし、普通の食べ物に含まれる核酸の成分の量では腸で消化されてしまうために、再合成の役に立ちにくいのです。
その点、サケの白子やビール酵母などの核酸は、高分子ゆえに腸で最後まで分解されることなく、低分子の状態で吸収され、そのまま全身の細胞に運ばれて、再合成の原料になります。
つまり、食べ物による核酸の補給が不充分であると、再合成のスピードが遅くなり、とくに新陳代謝が活発な皮膚や毛髪などの若々しさが失われ、老化が進むことになります。
また、過剰な活性酸素は細胞内の核酸を酸化して、DNAの遺伝情報を傷つける恐れがありますが、核酸が不足すると傷ついた遺伝子の修復に不具合を生じ、細胞のガン化を招く恐れがあります。
サケの白子やビール酵母に多く含まれている
核酸を多く含む食品には、いりこ、乾燥海苔、ハマグリ、大豆、ブタ(レバー)などがありますが、飛び抜けて多いのがサケの白子で、フグの白子、ビール酵母がそれに次いでいます。
核酸に期待される効果は次のようなものです。
- (1)新陳代謝を促進して、シミ・シワ・白髪・脱毛の予防など、皮膚や髪の若々しさを保つ。
- (2)末梢血管の血流循環をよくして、脳梗塞・心筋梗塞を予防し、肩こりや冷え性を改善する。
- (3)活性酸素による細胞の老化(ガン化)、白内障、動脈硬化を防ぐ、強い抗酸化作用がある。
- (4)脂質の吸収を遅らせ、肥満を防ぐダイエット効果や、糖尿病を改善する効果が期待される。
- (5)子どもの記憶力・集中力を高め、高齢者の記憶力減退、痴呆症を改善する働きが期待できる。
オレガノオイル − 精油成分の殺菌・鎮静効果、抗炎症作用
古代エジプト時代には天然の抗生物質

オレガノは地中海地方原産のシソ科のハーブで、夏に淡い桃色の小さな花をつけるワイルドマジョラムの通称です。
強い芳香と甘味の中にピリッとした特有の苦味があります。
ギリシャ語で「山の喜び」を意味するオレガノは、古代エジプト時代から天然の抗生物質として使われてきたハーブで、古代ギリシャの時代には防腐剤や解毒剤として用いられていました。
オレガノオイルにはさまざまな化合物が含まれていますが、その主要な精油成分はカルバクロールとチモールで、いずれも強力な殺菌・鎮静効果があります。
ヨーロッパでは牛舎にオレガノの枝をつるして、牛乳のバクテリア繁殖を防いだ時代がありましたが、近年の研究で抗バクテリア特性が認められ、これが迷信ではなく科学的な対策であったことがわかりました。
カルバクロール、チモールの殺菌・鎮静作用
オレガノオイルに含まれるカルバクロールには殺菌・鎮静作用があり、気管の不調を改善したり、消化機能を高めて食欲を増進させる、頭痛やイライラを抑えるなどの効果があります。
また、チモールの防腐・殺菌・鎮痛作用は、肌に直接オレガノオイルを塗ることで皮膚から吸収され(経皮吸収)、関節炎やリウマチの痛みに効果を発揮します。
このように、オレガノオイルには抗炎症・殺菌作用があるので、打ち身や捻挫の患部に擦り込んだり、火傷や傷に直接塗布するなど、その回復を早めるすぐれた効果が期待できます。
大麦若葉エキス − 活性酸素を無毒化するSOD酵素
ホウレンソウを上回るミネラルの含有量

大麦は新芽の「麦踏み」を何度も行うことで、株分けをうながしながら成長する、強い生命力をもった植物です。
大麦若葉エキスは、早春から初夏にかけて20〜30センチメートルの草丈に伸びた大麦の若葉を刈りとり、洗浄・搾汁して抽出した若葉の有効成分を濃縮したエキス液(青汁)、またはそれを常温で乾燥粉末化したものです。
大麦若葉エキスには、ビタミンB1、ビタミンC、ビタミンEなどの各種ビタミン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、銅、亜鉛、鉄などのミネラル、第6の栄養素といわれる食物繊維、緑色の色素成分である葉緑素(クロロフィル)もたっぷり含まれています。
代表的な緑黄色野菜であるホウレンソウのビタミン・ミネラル分と比較しても、
大麦若葉エキスのビタミンCは約33倍、
β−カロテンは約6.5倍、
カリウムは約18倍、
カルシウムは約11倍、
マグネシウムは約4倍も含まれています。
ビタミンB1は牛乳の約30倍もあります。
豊富なカリウムが血圧の上昇を防ぐ
疲労が蓄積すると、ナトリウムが増加してカリウムが減少し、慢性的なカリウム不足に陥ります。
大麦若葉エキスに豊富に含まれるカリウムは、血中のナトリウム分を排出して、血圧の上昇を防いでくれます。
マグネシウムは血小板が固まるのを防いで、骨のスムーズな代謝を維持します。
銅は血管壁を強化して、ヘモグロビンの生成をうながす働きがあります。
また、大麦若葉に豊富に含まれる天然の葉緑素は、マグネシウムイオンと結合しているので、ヘモグロビンなどの血色素に近い分子構造をしており、
- (1)コレステロール値を下げて、血栓をできにくくする、
- (2)血圧を低下させる、
- (3)貧血を改善する、
- (4)細胞壁を強化する、
- (5)解毒・整腸作用、
- (6)炎症を抑える、
- (7)抗ガン作用
など、多彩な働きが期待されています。
スーパー・オキシド・ディムスターゼ酵素
何よりも、大麦若葉エキスにはSOD(スーパー・オキシド・ディムスターゼ)という酵素が多く含まれていることに注目が集まっています。
大麦若葉エキスに含まれるβ−カロテン、ビタミンC、ビタミンE、フラボノイドなどの抗酸化物質が、SODを触媒とすることで効率よく活性酸素を消去するようになります。
なかでも、アトピーやガン、高脂血症などの元凶と目される、過剰な活性酸素を抑えるフラボノイド、グルコシルイソビデキシンの抗酸化作用は強力で、大麦が発芽して3週間前後で刈りとった大麦若葉エキスに多く含まれています。
活性酸素を無毒化し、過酸化物質の生成を防ぐ
ふだん私たちは、呼吸で取り入れた酸素を利用して栄養素を燃やし、生命活動に必要なエネルギーを作り出しています。
ところが、酸素を体内で利用する過程で有毒な活性酸素(フリーラジカル)が発生します。
白血球が細菌など異物を攻撃するときには活性酸素が使われるのですが、一方で過剰に発生した活性酸素は細胞のDNAに傷をつけて、細胞のガン化やアトピー性疾患、高脂血症などの原因になると考えられています。

大麦若葉エキスに含まれるSOD酵素と抗酸化物質が連繋プレーをすることで、過剰な活性酸素をふつうの無害な酸素に戻す働きが行われるのです。
大麦若葉エキスがもつ強力な抗酸化パワーを活用して、からだの中で悪さをする活性酸素を無毒化することで、生物の老化を進める過酸化物質の大掃除ができるというわけです。-----
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エキナセア − 感染症の予防、免疫力強化
北米の常備薬

エキナセアは北米原産、紫色の花を咲かせるキク科の多年草です。
北米のネイティブアメリカンの間で、ヘビの岐傷・化膿した傷の洗浄や治療(浄血薬)に用いる、根を噛んで歯やのどの痛みをとる、また風邪の治療に使うなど、古くから重用されていた代表的なハーブです。
19世紀末にはドイツの科学者がこれを持ち帰り、ヨーロッパでのユキナセア栽培と薬理効果の研究が始まりました。
戦後、ミュンヘン大学などが中心となり、成分分析や臨床試験を実施して、それまで経験的に知られていた風邪やインフルエンザなど感染症の予防と治療、
高い抗菌性などの研究によって、気管支炎、鼻粘膜の乾燥、アレルギーに対する、抗バクテリア作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用などが次々に認められるようになりました。
腸から吸収されて、免疫力を高める
とくに1992年、ドイツで行われた風邪やインフルエンザに感染しやすい108人対象のユキナセア投与試験では、風邪をひく回数の36パーセント減少、治るまでの期間の短縮、症状の大幅緩和・軽減などが確かめられています。
現在、ドイツを中心に医薬品として流通し、アメリカでも「免疫機能を高める最強のハーブ」として高い人気を博しています。
最近では、ユキナセアに含まれるさまざまな多糖類が、好中球やマクロファージなどの免疫細胞を活性化させて、ウイルス感染に対抗するインターロイキンなどの免疫応答物質の産生をうながしたり、NK(ナチュラルキラー)細胞の働きを助けることなどが確認されています。
梅肉エキス − 疲労回復、血液サラサラ効果

梅は学名をブルムス・ムメというバラ科サクラ属の落葉樹で、原産地は中国・揚子江上流の山岳地帯といわれています。
日本では7世紀、奈良時代に遣唐使の小野妹子が中国から持ち帰った薬用の「烏梅(うばい)」が、最初だといわれています。
日本ではやわらかい梅干しがふつうですが、中国ではいまでも乾燥梅干しを用いています。
もっぱら薬用に使われる烏梅は、かまどの上に置いた未熟な梅の実を、ゆっくりワラ火の煙でいぶして乾燥させて作ります。
黒い燥製梅の色がカラスの羽のようであるところから、烏梅と呼ばれるようになったといいます。
日の丸弁当が「白いごはんと赤い梅干し」の組み合わせであることからも、日本人と梅干しとの相性はなかなかよいようです。
ちなみに梅干しの赤紫色は、紫のシソ葉に含まれるアントシアニン系色素「シソニン」です。
この赤紫色の水溶性色素は、塩汁に漬けた梅の果肉から塩分が浸透圧で吸い上げたクエン酸などの有機酸にふれ、鮮やかな紅色色素に変化するのです。
強力な抗菌作用
また、梅干しや梅酒の原料となる梅の産地、紀州(和歌山県)では、古く江戸時代から各家庭で自家製の梅肉エキスを民間薬や調味料として広く利用してきました。
強力な抗菌作用を発揮する梅肉エキスは、おなかの調子が悪いときなどの家庭薬として重宝されてきたのです。
ドロッとした黒褐色の液体で、なめると強い酸味があります。
豊富な有機酸がもたらす疲労回復、健康効果
梅肉エキスの作り方は、まず傷のない新鮮な青梅を選び、果肉だけ(青梅の種は必ず取り除く)を削りとってミキサーにかけ、すりつぶしたものを布で包んで絞り、その絞り汁を弱火で焦がさぬように煮詰めます。
1キログラムの青梅から、わずか20〜30グラムしか作れない貴重なものです。
梅の果肉には、クエン酸、リンゴ酸、ピクリン酸、カテキン酸、コバク酸、酒石酸など、強い殺菌作用をもつ有機酸が含まれています。
なかでもクエン酸は筋肉の中にできる疲労物質(乳酸)の発生を抑え、クエン酸サイクルを活発にして疲労の回復を助けます。
また、カテキン酸は胃腸の働きをうながし、ピクリン酸は肝臓の機能を活性化して、全身の新陳代謝を活発にします。
ピクリン酸が肝機能を向上させることによって、からだに入ったアルコールの分解を早めるなど、二日酔いの回復効果があります。
このほかにも、多彩な健康効果が期待されます。
- ○マクロファージ(大食細胞)を活性化することで、細菌やウイルスの侵入から生体を守る。
- ○ストレスの原因となる副腎皮質ホルモンやACTH(副腎皮質刺激ホルモン)の分泌を抑えるカテコールアミンを増やし、ストレスからくる心身の症状を緩和する。
- ○胃潰瘍や胃ガンとの関連が指摘される、ピロリ菌の増殖を抑制する働きがある。
- ○カルシウムの体内への吸収率を高める働きがあり、更年期以降の骨租髭症を防ぐ。
梅肉エキスのムメフラールが血流を改善

クエン酸は、梅肉エキス、梅干し、梅酒にも多く含まれますが、梅肉エキスだけに含まれるムメフラールが注目されています。
これは梅の果肉を煮詰めるときに、加熱することでクエン酸と糖の一部が結合してできる、梅肉エキスならではのすぐれた成分であり、クエン酸との相乗効果によって、血液の流れをサラサラにして、動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞など循環器系の病気を防ぐ効果が期待されています。
ウミヘビ脂質 − 関節痛の緩和、糖尿病の予防
沖縄ではエラブウナギと呼ばれている

ウミヘビは学名をラチカウダ・セミフアシアタといい、東南アジアやオーストラリア、インド洋の暖かい海の沿岸域や、わが国では奄美大島や沖縄の島々の海中に生息しています。
体長が1〜2メートルで、尾が扇平な形をしていることから、沖縄地方では「イラブー」または「エラブウナギ」と呼んでいますが、海中生物でありながら、陸上のヘビと同様に肺で呼吸をし、体表にはウロコがあります。
また、産卵の時期には陸に上がって卵を産むという習性があります。
マムシやハブなどの毒蛇と同じヘビの仲間(爬虫類)で、その牙にはハブをしのぐ強力な神経毒があります。
このウミヘビを煮たり焼いたりまたは燻製にしたものを、沖縄ではイラブー料理といい、精力増強、疲労回復のスタミナ特別食として珍重されてきました。
海中の食物連鎖でEPA、DHA蓄積
中国の薬物書『本草拾遺』(741年)には「蛇婆」の名前で、
「蛇婆は塩味があり無毒である。
熱が高く、赤色白色の便のある下痢、寄生虫による肝硬変、血便をともなう腹水性疾患、房事過度による精力の低下、潰瘍化した悪性の腫瘍に効果がある。
東海に生息し、蛇のように水上を浮遊する。
あぶって食用にしたり、焼いた粉末2〜3グラムを服用する」
と記されており、その薬効は高く評価されていました。
ウミヘビの薬効はその脂質に含まれるすぐれた成分にあります。
一生を海中で生息するウミヘビの脂質は、体重1キログラムのうちわずか10〜1.5グラムですが、不飽和脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエエン酸)、DHA(ドコサへキサエン酸)が豊富であること、人間の皮脂に近い組成のパルミトレイン酸、脂溶性ビタミンD3の含有量が多いことなどです。
なぜ、青背魚の油に多いEPAやDHAがウミヘビに含まれているのでしょう。
それは海中生物の食物連鎖(植物プランクトン → 動物プランクトン → 小魚 → 中型魚 → 大型魚)の中ほど、小魚を食べることでEPAやDHA(魚の油)がウミヘビの体内に蓄積されるためなのです。
血液サラサラ効果で関節の痛みを改善
ウミヘビ脂質に含まれるEPAは、
- (1)血栓ができるのを防ぐ血小板凝集抑制作用(血液サラサラ効果)がある、
- (2)悪玉(LDL)コレステロールを減らし、善玉(HDL)コレステロールを増やして、動脈硬化を防ぐ、
- (3)中性脂肪を減らし、高脂血症や脂肪肝を予防する、
などの働きがあります。
DHAにはEPAと同様、血液サラサラ効果のほかに、
- (1)記憶力を向上させる、
- (2)痴呆症を予防する、
- (3)視力を回復させる、
などの働きがあります。
肩こり、腰痛など関節の痛みにもウミヘビ脂質が有効だといわれますが、それはEPA、DHA、パルミトレイン酸の血液サラサラ効果によって、痛みが改善されると考えられます。
また、カルシウムの吸収や骨の発育に欠かせない脂溶性ビタミンD3が、青背魚の油の2倍以上も含まれており、高齢者の骨粗鬆症の予防にも大きな期待が寄せられています。
ウミヘビ脂質で血糖値、中性脂肪低下
2001年の国際脂肪学会、日本脂質栄養学会で、「海蛇脂質に血糖降下作用」(食品総合研究所・鈴木平光博士ら)の研究発表がありました。
マウスをラード(牛脂)食群、ウミヘビ脂質食群、混合魚油食群に分けて4ヶ月間飼育したところ、ウミヘビ脂質食群ではラード食群に比べて血糖値が約55パーセントと有意に減少し、総コレステロール、中性脂肪、リン脂質も有意に低下したという結果が得られました。
ウコン − 肝機能の改善、抗ガン作用
インドではカレー料理の重要な辛材料
ウコンはショウガ科の多年草で、アジア、アフリカ、中南米の熱帯から亜熱帯の高温多湿な地域にかけて広く自生しています。
東南アジアでは香辛料(ターメリック)としてカレー料理などに広く利用され、アーユルベーダ(インドの伝統医学)では長年重要な役割を果たしてきました。
ウコンの原産地、東インド地方では、紀元前970年ごろから栽培が始められました。
日本におけるウコンの歴史は、中国から琉球にウコンが伝えられた16世紀(戦国時代から江戸前期)、現在の沖縄に琉球王朝があったころにさかのぼります。
当時、琉球王朝では王朝専売品(高貴薬、着物の染料、食品の着色料)として、民間での栽培が許されなかったほどの貴重品でした。
その後、1969年に琉球王朝が薩摩藩の支配下に入ると、琉球産のウコンが着物を黄色く染める染料、根茎を煎じて飲む生薬として、全国的に流通するようになりました。
春ウコン、秋ウコン、紫ウコンがある

現在、世界中に50種類ほどのウコンが見つかっていますが、そのうち日本でおなじみのウコンには、春ウコン、秋ウコン、紫ウコンの3種類があります。
春から初夏にかけて赤い花を咲かせる春ウコンは、生薬名を姜黄(キョウオウ)といい、沖縄の西表島に自生しています。
根茎の断面はレモン色をしています。
初夏から秋にかけて白い花を咲かせる秋ウコンは、沖縄で広く栽培される代表的なウコンで、根茎の断面がオレンジ色をしています。
沖縄ではウッチンと呼ばれる秋ウコン
一般にウコンといえば、沖縄ではウッチンの愛称で呼ばれる秋ウコンのことを指しています。

とくに秋ウコンには、着物の染料(ウコン染め)だけでなく、カレー粉やタクアンの色づけにも用いられる黄色成分(ターメリック)が多く含まれています。
白シャツについたカレーの黄色が洗濯しても落ちにくいのは、ターメリックがもともと染料であるためなのです。
初夏にピンク色の花を咲かせる紫ウコンは、生薬名を莪朮(ガジユツ)といい、根茎の断面が紫色をしています。
春ウコンや秋ウコンが肝臓の働きを高めるクルクミン(ターメリックから抽出される成分)を多く含むのに対し、
紫ウコンには健胃・殺菌・防腐作用のあるシネオール、神経の興奮・強心作用のあるカンファーなど、多彩な精油成分が豊富に含まれており、古くから芳香性健胃剤として用いられてきました。
ウコンの主成分であるクルクミンは、強力な抗酸化パワーをもち、体内の活性酸素を除去する力が強いので、以下のような効果が期待されています。
- ○肝臓機能強化(胆汁の分泌を促進し、肝臓の解毒作用を強め、肝臓の働きを改善する)
- ○健胃作用(胃の働きを活発にする、ストレス性胃炎を改善する)
- ○抗ガン作用(皮膚ガン、乳ガン、結腸ガンなどの発症・進行を抑制する)
- ○血中コレステロール低下作用(動脈硬化を防いで、脳卒中・心臓病を予防する)
クルクミンの抗酸化パワーで抗がん作用

近年とくに、ウコンの抗ガン作用に注目が集まっています。
アメリカのラトガース大学での動物実験では、皮膚に発ガンさせたマウスにクルクミンを塗布したところ、表皮ガンの発生が有意に抑えられたという報告があります。
名古屋大学と国立がんセンターとの共同研究でも、クルクミンの抗酸化パワーが「発ガンを促進する活性酸素を消去する」メカニズムが明らかにされています。
イチョウ葉エキス − 血行促進、痴呆症の改善
ヨーロッパでは医薬品

イチョウは中国原産の落葉高木で、日本には平安時代に中国の高僧によって伝えられたといわれています。
千年以上の樹齢をもつ生命力の強い長寿木であり、昔から神社やお寺のシンボルツリーとして親しまれています。
その実(ギンナン)は中国では銀杏、白果という生薬名で治療に用いられ、日本でも古くから民間薬としてセキ止めや下痢止めに使われていました。
イチョウの葉が注目されるようになったのは、イチョウ葉に含まれるフラボノイドという成分に血行促進効果が認められたことからです。
フラボノイドには、血管を拡張して動脈硬化を改善したり、神経を鎮める、血糖値を正常に保つ、ガンを予防するなどの働きがあります。
血液循環の効果がとくに高い「二重フラボン」
とくにイチョウ葉に含まれるフラボノイドには、2つのフラボノイドが重なった「二重フラボン」が特有の成分として6種類も含まれており、その血液循環効果はほかのフラボノイドに比べて約3倍も高いのです。
その後、1965年にドイツでイチョウ葉エキスが医薬品として登録されたことから、ヨーロッパではイチョウの青葉から採ったエキス(イチョウの葉を乾燥させて、アルコールで有効成分を抽出する)の研究が急速に進み、
アルツハイマー病および脳血管性痴呆症、末梢動脈閉塞症、耳鳴り・めまいなどに有効性が認められています。
現在ではドイツ、フランスをはじめ、世界55ヶ国で医薬品となっています。
日本ではまだ一般食品(健康食品)の扱いですが、アメリカではダイユタリー・サプリメント(栄養補助食品)として、科学的な根拠(EBM)に基づく健康表示をすることが許されています。
主成分はフラボノイド、ギンコライド
イチョウの葉に含まれる主成分としては、すぐれた抗酸化作用があり、毛細血管を強化するフラボン、カテキンなど30種類以上のフラボノイド類、からだを活性酸素の害から守ってくれるイチョウの特有成分であるギンコライドがとくに注目されています。
フラボノイドには、血管の材料であるエラスチンやコラーゲンの酸化を抑制して、しなやかな血管を作り、毛細血管など末梢の血管を広げるので、全身の血行をよくする働きがあります。
また、悪玉(LDL)コレステロールが酸化するのを抑えて、血栓をできにくくしたり、動脈硬化を防いでくれます。
ギンコライドには、抗PAF(血小板活性化因子)があり、血管に炎症を起こしてアレルギーの原因を作ったり、血栓が血管壁にとりつくのを邪魔する働きがあります。
痴呆症の改善にイチョウ葉エキスが力を発揮
近年の研究で、女性ホルモンがアルツハイマー病の発症を抑えるらしいことがわかってきていますが、「イチョウ葉エキスがホルモン分泌をさかんにし、母乳の分泌をうながす」点に注目した徳島大学薬学部の村上光太郎助手(薬学博士)は、イチョウ葉エキスのホルモン分泌促進作用が、痴呆症の改善に力を発揮するのではないかと考察しています。

ギンコライドには活性酸素の発生を抑制し、神経細胞へのダメージを防ぐ働きが注目されていますが、記憶力を左右する脳の海馬にも優先的に働き、脳細胞の萎縮を抑えることが動物実験で明らかにされています。
痴呆症にはアルツハイマー型と脳血管型の2つがありますが、イチョウ葉エキスはどちらのタイプにも症状を改善する働きがあるといわれています。
イソフラボン − 更年期の症状改善、肌の美白・保湿作用、抗ガン効果
EPA・DHA − 血栓を予防し、血液をサラサラにする
マイナス45度でも固まらない魚肉の油

EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は、サバやイワシ、サンマ、マグロ、カツオなど、青背魚の脂肪(油)に多く含まれる多価不飽和脂肪酸です。
ウシやブタなど獣肉の脂は常温で固まりやすい飽和脂肪酸ですが、魚肉の油は常温では固まらない不飽和脂肪酸です。
とくに水温の低い北の海にすむ魚では、体内の油が固まってしまったら、それこそ命取りです。
マイナス45度まで固まらずに液体を保つ特徴をもつ、固まりにくい不飽和脂肪酸を体内に蓄えることで、血液の流動性を高めながら、自分のからだを守っているのです。
魚肉の油の健康効果が脚光を浴びるようになったのは、デンマークのダイアベルグ博士らによる、グリーンランド北西岸のユマナクというイヌイット(エスキモー)村落での疫学調査でした。
「極北に住むイヌイットの人たちは、魚やオットセイ、アザラシなど動物性食品を主食としているのに、やはり肉食中心のデンマーク人に比べて、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの病気(虚血性疾患)にかかるリスクが低い」
という事実が明らかになったのです。
血栓を作らせない魚肉の油が心臓病を防ぐ
この医学的な調査は10年間続けられ、デンマーク人(白人)とイヌイットの血液中の脂質(脂肪酸の構成比)に大きな違いがあることが判明しました。
ウシやブタの肉、野菜を常食し、あまり魚を食べないデンマーク人の血液中には、AA(アラキドン酸)という脂肪酸が多いのに対して、
魚、クジラ、アザラシなど海の動物を常食するイヌイットの血液中には、AAよりもEPAが多く含まれていたのです。
ダイアベルグ博士らは、
「魚の油に多く含まれるEPAが、血栓をできにくくして動脈硬化を防ぐのであろう」
という画期的な仮説を発表しました。
これに驚いた世界の研究者たちは追試を行い、同じ肉食でもイヌイットが虚血性疾患にかかりにくい理由は、彼らが常食する魚肉に含まれる油(EPA)にあるという仮説を裏付けました。
血栓を予防し、血液をサラサラにするEPA
魚肉の油に含まれるEPAには、血栓を作らせない(血小板凝集抑制)成分が多く、サラサラの血液にして流れをよくするのです。
不飽和脂肪酸の仲間には植物性のリノール酸やオレイン酸がありますが、血栓を防ぐ効果はEPAのほうがはるかに高いことがわかっています。
EPAには大きく3つの健康効果があります。
- (1)血栓が固まるのを防ぐ「血栓を作らせない(血小板凝集抑制)」作用があり、血栓が血管に詰まる脳梗塞、心筋梗塞を予防する。
- (2)悪玉(LDL)コレステロールを下げ、善玉(HDL)コレステロールを上げる作用があり、血管の動脈硬化を予防する。
- (3)中性脂肪を下げる働きがあり、高脂血症、脂肪肝を予防する。
記憶力向上、視力低下防止効果があるDHA
DHAは、とくに眼の網膜や脳の灰自質に多く含まれ、青背魚では目玉の油に含まれています。
血液をサラサラにする作用ではEPAと同様ですが、DHAには老人性痴呆症の予防、視力改善に効果があります。
マウスによる実験でも学習効果(記憶力や学習能力の向上)など、DHAが脳神経のシナプス部分で神経伝達に重要なかかわりをもち、脳機能維持・向上に役立つことが認められています。
血栓を作らせない(抗血栓)作用ではEPAがまさり、総コレステロール値や中性脂肪を下げる働きではDHAがまさるといわれますが、EPAとDHAをともに含む魚を食べる習慣が大切です。
アラビノキシラン − ガンを攻撃する免疫調整力
米ぬかに含まれる食物繊維の一種

コメ、ムギ、トウモロコシなど、イネ科植物の細胞膜を形成するヘミセルロースの主成分が、アラビノキシランです。
しかし、白米にはほとんど含まれていません。
玄米から精白する過程で取り除かれる米ぬかの中に、ごくわずかの量のアラビノキシラン(米ぬか1キログラム中に3〜5ミリグラム程度)が含まれているのです。
従来、アラビノキシランは、米ぬかから分離抽出されたヘミセルロースを、さらに酵素反応などによって小さく切り出す方法で作られていましたが、最近ではトウモロコシからも作られるようになりました。
アラビノキシランの強力な免疫調整物質としての働きが注目されています。
食物繊維の一種であるヘミセルロースそのものは腸では消化されず、そのまま排泄されますが、分子構造が小さいアラビノキシランは小腸でよく吸収されて血液中に入ります。
NK(ナチュラルキラー)細胞を活性化、ガンへの攻撃力を強める
すると、血液中のマクロファージやNK(ナチュラルキラー)細胞が活性化され、全身の免疫レベルが高まるのです。
なかでも、NK細胞はアラビノキシランの刺激でインターフェロンγを産生し、さらに細胞内のパーフォリンの形成をうながして、ガン細胞への攻撃力を強めることがわかってきました。
アメリカの免疫学者、マンドー・ゴーナム博士によれば、
ガンの患者に米ぬかから作られたアラビノキシランを投与した結果、いずれも病状の回復や自覚症状の改善、薬物治療(抗ガン剤)の副作用の軽減などの有用性が認められたということです。
フコイダン - 免疫力を高めるモズクのヌルヌル成分

フコイダンのがん細胞自滅プログラム
フコイダンは、モズク、コンブ、ワカメなどの海藻が、潮の流れから身を守るために作り出したヌルヌル成分で、海中の微生物に食べられないよう、バリアの役目もしています。
1996年、JFKメディカルセンター、デーリック・デシルバ博士が「海藻のヌルヌル成分のフコイダンが、ガン細胞のアポトーシス(細胞のプログラム死)を起こさせる」という研究を発表しました。
細胞は分裂・分化を繰り返す過程で、あらかじめ「自滅する」ことが遺伝子に組み込まれています。
たとえば、オタマジャクシがカエルになるときに尻尾がとれるなど、すべての細胞は自分の役目を終えると、遺伝子に組み込まれた自滅プログラムにしたがって死ぬのです。
ところが、ガン細胞ではアポトーシス機能が狂って、うまく働かなくなっているのです。
自滅プログラムをオフにしたガン細胞は、際限なく分裂・分化を繰り返し、どんどん増殖することによって、正常な細胞の居場所を侵食し、人間を死に至らしめようとします。
アポトーシスをうながす強力2段攻撃!!
デシルバ博士は、ガン細胞のアポトーシスに働きかける経路は、2つあるとしています。
(1)からだに入ったフコイダンが、ガン細胞に接触すると、細胞膜の表面にあるアポトーシスの自滅スイッチが押される。
ガン細胞の核に自滅プログラム信号が送られて、ガンのDNAが破壊され、ガン細胞が死滅する。
これがフコイダンの第1次攻撃である。
(2)ガン細胞の自滅スイッチを押しても、アポトーシスが作動しないことがある。
そのとき、フコイダンは第2次の直接攻撃をしかける。
ガン細胞の表面に穴をあけて、細胞の中で「パーフォリン」という毒素を発生させ、それによってガンのDNAが破壊される。
ガン細胞のみが自滅、正常細胞は無傷
日本でも三重大学の天野秀臣教授、田口寛教授らの共同研究で、フコイダンのガン細胞に対するアポトーシス効果が明らかにされています。
メカブのフコイダン1種類、モズクのフコイダン2種類を溶かした生理的食塩水を、ヒトのガン細胞が入った培養液に加えたところ、だんだんガン細胞の輪郭が崩れ始め、24時間でほとんどのガン細胞が自滅しました。
フコイダンのアポトーシスを起動させる働きは、ガン細胞を自滅させる場合のみに限られており、正常細胞にはアポトーシスが起こらないという点が、理想的なガン退治法といえます。
数年前から、胃潰瘍や胃ガン発生の原因のひとつとされる、ピロリ菌(ヘリコバクダー・ピロリ)の除菌が話題になっています。
このピロリ菌は一度感染すると、強力な除菌をしない限り、一生胃の中に棲みつくおそれがある、とてもやっかいな病原菌なのです。
ピロリ菌を吸収し、押し流すウコイダン効果

ヌルヌル成分であるフコイダンは、多糖体と呼ばれる、たくさんの糖同士が分子レベルで統合したものですが、とくに人間の胃の粘膜となじみやすい特徴をもっています。
フコイダンは胃に入るとすぐにヌルヌルパワーを発揮して、胃の表面に浸透して粘膜を保護します。
同時に、フコイダンがもつ重要成分の硫酸基が粘膜を刺激して、マクロファージ(大食細胞)の働きを活性化させて、胃潰瘍や慢性胃炎などで生じた、胃粘膜の炎症部分(冒ガンになることもある)を修復します。
さらに、胃の中のピロリ菌をフコイダンの硫酸基に吸着して、小腸、大腸へと押し流す、強力な除菌作用があります。
杜仲茶 - 高血圧の改善、ダイエット効果
「神農本草経」の中で「上薬」とされた杜仲

杜仲は中国南西部の原産で、高さ20メートルにも達するトチュウ科の落葉高木です。
古代中国の薬学書『神農本草経』には、当時収録されていた365種類の生薬のうちで、杜仲(樹皮)を「上薬」(薬効と副作用の有無によって上・中・下に分類した)としています。
上薬は不老長寿、無病息災を目的に飲む薬とされ、毎日服用すれば長生きでき、しかも万人に副作用の心配がない保健薬のことです。
上薬には高麗人参、甘草、地黄、柴胡、桂皮、寮香(雄ジャコウジカの生殖腺分泌液を乾燥させたもの)などの植物生薬や動物生薬があります。
また、「中薬」は病気を予防し、体力をつける薬であるが、副作用の有無に注意して用いる薬のこと、「下薬」とは長期間続けて使うと副作用があらわれる薬のことをいいます。
ところで、『神農本草経』を著した神農とは、古代中国の神話に登場する人身牛頭の姿をした農業神で、人々に農耕の技術を教えるかたわら、「百草の滋味を嘗め、一日にして七十毒に遇う」など、自らのからだを実験台としながら、その植物が医薬として使えるかどうかを確かめた伝説上の人物です。
また「本草」とは、紀元前の前漠の時代から始まった薬草学のことです。
中国では乾燥葉を健康茶として飲んでいた
わが国の『本草和名』上巻(918年)にも杜仲の漠名で出ており、奈良時代後期から平安時代に中国から伝えられ、貴族の間で滋養強壮、不老長寿の高貴薬とされていたようです。
中医学へ中国の伝統医学)では杜仲の樹皮を、「肝や腎の機能を高め、陰気を去り、精をつける」生薬として用います。
しかし、樹皮の産出量には限りがあることから、中国では古くから杜仲の若葉を乾燥させて焙じたものが、健康維持のための健康茶として飲まれていました。
杜仲を明治中期に林業試験場で栽培したという記録(『樹木和名考』)はありましたが、本格的に長野県などで栽培されるようになったのは、つい25年ほど前のことです。
葉にすぐれたダイエット効果が確かめられた
その後、杜仲の葉にダイエット効果や、「皮膚細胞の結合組織であるコラーゲンの新陳代謝をうながす」成分があるという日本大学薬学部・高橋周七教授らの研究発表がきっかけとなり、一気に「杜仲茶」が大ブレイクしたのです。
このラットを用いた実験は、高脂肪・高コレステロール食飼育のラットを、杜仲茶(抽出エキス)を与えた群と与えない群の2グループに分けて、35日間飼育しました。
そして、杜仲茶を与えなかった群と比べて、杜仲茶投与群では腹腔脂肪が約35パーセント、血清総コレステロール値が約20パーセント、中性脂肪値が約70パーセント(肝臓組織内の中性脂肪値では約50パーセント)少ないという結果が得られました。
高血圧、動脈硬化、高脂血しょうを防ぐ有効成分
杜仲の樹皮(漢方生薬で使う部分)を折ると細く白い糸を引きます。
やや厚手の杜仲の葉を折ると、やはり折り口から白い糸を引きます。
この成分はグッ夕ペルカで、天然ゴムのような弾力性があり、水に溶けない(不溶性)良質のグッ夕べルカは歯科用の仮封剤に使われますが、残念ながら特段の薬効は見つかっていません。

注目される杜仲茶の有効成分としては、血圧降下作用があるリグナン類のピノレジノール・ジグルコサイドのほか、副交感神経系に作用してストレスをやわらげ、高血圧や高脂血症、高コレステロール血症、動脈硬化を改善する働きがあるゲニポシド酸などが含まれています。
アロエ - 便秘の改善、健胃作用、美肌効果
古代からの薬用植物

アフリカ原産、ユリ科の多年草であるアロエは、古代エジプト時代にも使われていた薬用植物で、中国では「産沓(ろかい)」と呼ばれる健胃・便通作用の漢方生薬として用いられてきました。
アロエの代表的な種類には、ケープアロエ、キダチアロエ、アロエ・ベラがあります。
このうち、ケープアロエはおもに南アフリカで栽培されている、葉が厚く、硬いとげの多い種類です。
株分けや挿し木で増やすことはできず、種子で増やします。
アロインという薬理成分(常習性便秘に対する排便促進作用)があり、日本薬局方に収載されている医薬品の原料専用で、食品や化粧品などへの使用が禁止されています。
キダチアロエの原産地は南アフリカですが、日本に伝わるまでに寒さや湿気に強くなって、株分けや挿し木で容易に増やせるようになりました。
いまでは日本の特産種となっています。
「医者いらず」の常備薬
独特な苦味のある葉を食べたり、葉肉のヌルヌルを患部に塗るなど、昔から「医者いらず」の常備薬として用いられ、各家庭に1鉢のキダチアロエが育てられていたものです。
小型種ながら有効成分のアロインも多く含まれており、ケープアロエ同様に便秘を改善する緩下作用があります。
そのほかにも、健胃作用、抗菌作用、日焼け止め(メラニン形成阻害)作用などがあり、胃腸薬、ひび・あかぎれ・やけど改善など、美肌効果も古くから定評のあるところです。
アロエ・ベラはジェル部分を用いる

ギリシャ語で「真実のアロエ」という意味を持つアロエ・ベラは、西インド諸島にあるバルバドス島の原産で、大きな葉は1枚の長さが1メートル、重さが3キログラムになるものもあります。
おもにアメリカで生産されているアロエ・ベラは、アメリカの薬局方に記載されていることから、食品や化粧品に利用するためにアロインが含まれる菓皮が除去され、葉肉のジェル部分がジュースなどに加工されています。
ジュースとして飲用するほかに、直接肌に塗るなどの利用法があります。
アロエ・ベラはキダチアロエに比べて寒さに弱く、日本の主要な生産地である気候の温暖な伊豆地方でも、戸外では冬を越せないので、ハウス内で栽培されているほどです。

厚い葉肉のジェル部分には、ヌルヌルした多糖体(ムチン質)が多く、保水作用(保湿性)にもすぐれていることから、日焼け止めジェルや化粧(保湿)液の原料などに利用されています。
アロエの薬効成分(アロイン)はほとんどが緑色の皮(葉皮)に含まれていますが、葉肉の半透明なジェルにも、抗炎症作用や保湿作用の成分(多糖類)が含まれています。
ケープアロエやアロエ・ベラを食品や化粧品に用いるには、アロインが含まれる菓皮を取り除く必要があります。
キダチアロエは日本薬局方に収載されておらず、全部丸ごと使用できる特徴があります。
胃潰瘍や慢性胃炎にすぐれた健胃作用
生のアロエに独特の苦味は、アロインとアロエエモジンという成分によるもので、胃液の分泌をうながし、胃腸の働きを活発にします。
アロインは腸の動きを活発にして、腸管からの水分の分泌を増やし、腸の蠕動運動を盛んにして、便秘を改善する効果があります。
また、アロエの葉を切ったときに出る粘液には、アロエウルシンという抗潰瘍・抗炎症作用のある成分が含まれており、傷ついた胃や十二指腸の粘膜に作用し、胃潰瘍や慢性胃炎など治りを早める効果が期待されています。
アガリクス - 免疫力アップ、抗ガン効果
原産地で行った長寿の調査がきっかけ

アガリクスは、学名をアガリクス・ブラゼイ・ムリル、和名はカワリバラタケという、ブラジル原産のバラタケ属バラタケ科のキノコです。
昭和40(1965)年に、最初は食用として日本に持ち込まれ、その後人工栽培されるようになったアガリクスをヒメマツタケと呼ぶようになりました。
原産地はブラジルのサンパウロ郊外にあるピエダーテの山地ですが、この村には昔から長寿者が多く、ガンや生活習慣病の雁患率が低いことでよく知られていました。
そのことに注目したアメリカの研究チームが調査を行ったところ、この地方に自生するアガリクス茸を常食していることがわかりました。
その後、アメリカで薬理作用が次々に解明されるようになりました。
なかでも注目されるのが抗ガン効果で、ガン細胞を縮小させたり、消失させるなどの研究報告が、これまでに世界各国で多数なされています。
マクロファージ活性を高めるβ-Dグルカン
キノコに含まれるガンに有効な成分は、β-Dグルカンなどの多糖体ですが、体内に吸収されると細胞を活性化し、全身の免疫力を高めて、すぐれた抗腫瘍作用を発揮します。
アガリクスは高分子多糖体であるβ-Dグルカンをとくに多く含むことから、ガンの増殖を抑える免疫賦活作用が期待されています。
昭和55(1980)年、三重大学医学部によるアガリクスの免疫活性成分の発見を経て、その後の動物実験の結果でも抗魔境作用が認められるようになりました。
アガリクスの免疫活性作用を調べる実験は、異物が体内に侵入したときに真っ先に攻撃し、異物の情報を免疫システムに伝えるマクロファージ(大食細胞)の活性化を、グルコース(ブドウ糖)の消費量の変化で見たものです。
マクロファージの動きが活発になると、盛んにグルコースを消費するので、その消費量が高いほどマクロファージの活性化される度合いも高く、全身の免疫システムも賦活化されることになります。
キノコの本体は「菌糸体」パワーにある
アガリクスの免疫活性成分としては、もちろん子実体(エキス)でもマクロファージは活性化されますが、菌糸体(エキス)のほうが、すぐれた免疫活性作用を発揮します。
キノコというと上部の笠と、その下に伸びた柄の「食べる」部分を思い浮かべますが、これは「子実体」と呼ばれる地上部分です。
植物でいえば種にあたる胞子が発芽すると、「菌糸」ができます。
菌糸はいくつもの菌糸と融合し、細胞分裂を繰り返しながら、疑い糸状の菌糸となります。
この菌糸が生育に適した環境に出会うと、菌糸から子実体が地表に伸びてきます。
やがて子実体から胞子が作られ、そこから菌糸がまた生まれて……。
この循環によってキノコは子孫を増やすのですが、目には見えにくい「菌糸体」がキノコの本体ともいえる部分なのです。
動物実験で確かめられたガン抑制効果
三重大学医学部によるヒメマツタケ(アガリクスの近縁種)菌糸体多糖の投与実験では、ザルコーマ180固形ガンを移植したマウスに菌糸体多糖の投与でガン抑制率94.2パーセント、腹水ガンのマウスでは16匹中12匹のガンが完全消失するという結果が得られました。
ほかの抗ガン剤との併用でも、ガン抑制率が2~7倍も高まることがわかっています。
アガリクスにはこのほか、高血圧、自律神経失調症、更年期症状、アレルギー疾患などへの改善効果も研究が進められ、その結果が期待されています。







