ナタマメ茶 − 歯槽膿漏、口内炎、蓄膿症の改善
腎臓に形が似ているナタマメが腎臓病に効く

ナタマメはマメ科ナタマメ属、熱帯アジア原産のつる性一年草で、マメ科にしては少し大きめの花(3〜4センチメートル)と、平たく長いさやに10個ほどの白いマメ(長さ約3センチメートル)が含まれます。
日本では鹿児島県など九州を中心に暖かい地方で栽培されています。
ソラマメより少し大きく、成熟したマメは人間の腎臓によく似た形をしています。
漢方医学には「臓器に似た(形の)ものを以て、臓器を養う(治療する)」という考え方があります。
ナタマメの形が腎臓に似ていることから、漢方ではおもに腎臓の機能を高める生薬「刀豆」として用いられてきました。
腎臓の機能が衰えると老廃物め排泄作用も低下しますが、ナタマメには利尿作用があり、体内の解毒作用をつかさどる腎臓の働きを助けます。
日本における薬用植物、薬史学の泰斗、星薬科大学の伊沢一男名誉教授は、『薬用植物大百科』の中で、ナタマメの名前の由来について興味深い例証をあげています。
そのひとつ、中国からナタマメがわが国に渡ってきた江戸時代初期の『新刊多識』(寛永8年・1631年)には、「刀豆今案那多末米異名挟叙豆」との記述があり、この時代にはすでに漢名の刀豆を和名でナタマメ(那多末米)と呼んでいたことがわかります。
さらに『本朝食鑑』(元禄10年・1697年)には、
「わが国では刀の字をなたと読む。
木を伐る刀をなたというが、それがこの豆の形に似ているので、名づけたのであろうか」
と説明されていると紹介されています。
ナタマメの英語名はSwordBean(剣の豆)、学名の小種名gladiataもラテン語で剣をあらわすgla-diusに由来することから、東も西も同じ剣(刀)の名前がつけられたということは、実に興味深いシンクロニシティ(共時性)ではないでしょうか。
「ジャックと豆の木」は、ジャックが牛と交換した「魔法の豆」をまくと、たちまち雲の上の鬼の城まで伸びたというイギリスの昔話ですが、そのモデルはナタマメだともいわれています。
種子を煎じる時は、十分にアク抜きをする
ナタマメは東海地方以西で、古くから民間療法としてよく使われていました。
脱肛、出血、痔の痛みなどに、種子を煎じた液(乾燥したナタマメの種子4〜6個が1日の限度量)を1日数回に分けて服用、または直接患部に塗布して用います。
ただし、成熟したナタマメの種子にはアミグダリンという有毒成分があり、青梅にも含まれる青酸「シアン化水素」などを発生させることもあるので、よくアク抜きをしてから使う必要があります。
抗がん作用が期待されているコカナバリンA
ナタマメにはマメ類に多い食物繊維、サポニン、ビタミンB群、鉄分、亜鉛、マグネシウムのほか、話題の有効成分として、カナバニン、ウレアーゼ、コカナバリンAがあります。
アミノ酸の一種であるカナバニンには、体内にたまった膿を排出する作用があり、膿のたまる病気である歯槽膿漏などの歯周病、口臭、蓄膿症、痔などを改善する働きがあります。
ウレアーゼは尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解する酵素で、腎臓の機能を高めて血圧を下げ、むくみ(浮腫)をとる働きがあります。
コカナバリンAにはガンの発生を防ぐ働きがあり、ガン細胞を注入したマウスの実験では、コカナバリンAの投与によって、初期ガンの増殖を抑制するという成果が得られました。

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