ハトムギ − イボとり、美肌効果、抗がん作用
ジュズダマは硬く、ハトムギはやわらか

ハトムギは中国南部からインドシナ半島など、熱帯アジアを原産とするイネ科の一年草です。
ハトが好んでその実を食べることから、明治以降にこの名前がついたといわれています。
夏に穂状の花序をつけ、秋にはジユズダマに似た直径1センチメートルほどの実をつけます。
同じイネ科のジユズダマによく似ていますが、
(1)ジュズダマは多年草、
(2)ジユズダマの花序は上向きなのに対して、ハトムギは垂れる、
(3)ジュズダマの実はホウロウ質で硬く、指で押してもつぶれないが、ハトムギはやわらかく、指で簡単につぶせる、
などの違いがあります。
ジュズダマの根は川穀根(せんこくこん)といい、リウマチ、神経痛、肩こりに煎じたものを服用します。
川穀(せんこく)と呼ばれるジュズダマ(種子)は、あとで述べる「よくいにん=ハトムギの生薬名)」の代用として使われることもあったようです。
ハトムギにあるすぐれた利尿・健胃作用
薬用としてのハトムギの歴史は長く、中国の古書『神農本草経』にも「久しく服すれば、補虚、益気、軽身などの効果がある」などの記述があります。
わが国でも古来より薬用植物として栽培されており、『民間薬用植物誌』には、
- 根を煎じて通経剤とする、
- 実を煎じて利尿・健胃剤とする、
- 臓を丈夫にし、胃を強くし、食欲を増進する、
- 脚気にもよく効く、
- ノドがほれて痛むときには粉を吹き込むとよい、
などの効用が書かれています。
明治時代以前までは淘1反歩(約用アール)で4石(約180リットル)もの収穫があることから、四石麦(しこくむぎ)と呼ばれるほどでした。
戦後間もなくの食糧難時代には、救荒食物としての役目も担っていました。
漢方処方に用いる生薬・よくいにんの効き目
ハトムギは、コメやムギよりもカロリーが高く、良質のタンパク質、ビタミンB1、カルシウム、鉄分などが豊富で、食物繊維などはコメの約8倍も含むというすぐれた食品です。
また、利尿作用があることから、むくみなどの症状を改善し、神経痛やリウマチによる筋肉のこわばり(拘縮)をやわらげる効果が期待されます。
漢方では古くから、ハトムギの種子の外皮をむいたものをよくいにんと呼び、消炎、利尿、鎮痛、健胃、排膿、強壮作用のある生薬として、体内の水分代謝や血液の流れをよくして、新陳代謝を活発にし、解毒・排泄を促すよくいにん湯、麻杏薫甘湯などの漢方処方に配合されています。
コイクセノライドのイボとり抗がん剤
ハトムギといえば「イボとり」の民間療法でも有名で、とくに青年性イボによく効きますが、老人性の硬いイボにも有効だといわれています。
イボとりには少し濃いめに煎じたお茶や、皮をむいたハトムギを混ぜて炊いたお粥を食べると効果があるといわれています。
ハトムギ茶は昔から美肌茶としても定評があり、吹き出物などトラブル体質の肌を改善したり、荒れ性肌をつやのある滑らかな肌にする、すぐれた美容効果が人気を集めています。

1984年の日本癌学会総会では、国立予防衛生研究所の沼田光弘技官らが「ハトムギの中にガン細胞を抑える物質がある」と発表して話題になりました。
従来の動物実験でも、ハトムギにだけ含まれるコイクセノライドに抗ガン作用が認められており、ある種の腫瘍である「イボ」をとる効果も、コイクセノライドの働きによるものではないかと考えられています。
お気に入りのブックマーク・RSSに登録 »
関連記事
サイトマップトラックバック(0)
http://yg-away.biz/mt/mt-tb.cgi/1347







