プロポリス − 抗菌・抗炎症作用、期待される抗ガン効果

巣の内部を無菌状態に保つ抗菌ペイント
プロポリスはミツバチの巣から取り出される樹脂状の物質で、「ハチヤニ(蜂脂)」とも呼ばれます。
水に1滴垂らすと、水の表面でさっと広がって、ヤニ特有のにおいが漂います。
ミツバチは松などの樹木から集めた樹液に、自分が分泌する唾液(酵素)を混ぜ合わせ、さらにミツロウ(蜜蝋=ピー・ワックス)や花粉(ピー・ポーレン)を加えたものを、巣の入り口や通路の内側に塗りつけます。
ミツロウとハチヤニ(プロポリス)は混同されやすいのですが、全く違う物質です。
ミツロウはミツバチの下腹部から分泌された脂肪が固まったもので、ロウソクや口紅の材料、建物の内装用ワックスとして使われています。
巣の内側に塗られるワックス状のプロポリスは、外敵から巣を高度な無菌状態に保ちます。
樹木は外敵から身を守るための抗菌成分を樹液に含んでおり、プロポリスにも当然すぐれた抗菌力があるのです。
ひとつの巣には5万匹以上のミツバチがいますが、外から帰ってきた働きバチは抗菌ペイントされた通路を通るたびに、プロポリスの関所で消毒されていたのです。
プロポリスの名前は、ギリシャ語のプロ(前面を)、ポリス(都市国家)を語源としており、ミツバチがこれを巣の入り口に塗ることで、内部に外敵や雑菌が入らないようにする防御物質としているのです。
プロポリスの効用は古代ギリシャ、ローマ時代からよく知られており、アリストテレスは『動物誌』の中で皮膚疾患、切り傷、感染症に効果があると書いています。
ヨーロッパや南米のブラジルでは、プロポリスが火傷、ニキビ、イボ、帯状庖疹などの民間薬として古くから使われていました。
しかし、わが国のプリポリスの歴史は意外と浅く、1985年に開催された国際養蜂会議において、関節炎や感染症にプロポリスを用いた治験報告がなされたことをきっかけに、プロポリスの薬理作用などの解明が一気に進みました。
40種類以上のフラボノイド成分が効く
プロポリスに含まれるおもな成分は、樹脂、ミツロウ、精油、花粉、フラボノイド類、微量の有機酸やビタミン・ミネラル分などです。
40種類以上も含まれるフラボノイド(色素成分)には、毛細血管を強化して、動脈硬化を予防し、免疫を高める作用があるといわれています。
これまでの研究で、プロポリスの抗菌性、鎮痛・抗炎症作用、細胞組織の再生促進、抗酸化作用、免疫力増強、麻酔効果などが次々に明らかになっています。
抗生物質耐性菌の出現で困惑する医療現場でも、耐性菌の心配が少な星プロポリスの強力な抗菌力が注目されています。
産地やミツバチの種類で効き目がある
1991年、第50回日本癌学会総会において、「プロポリスから抗ガン物質を発見した」という国立予防衛生研究所・松野哲也氏らの報告があったことから、抗ガン作用への期待が大きくふくらむことになり、
その後も動物実験などの基礎研究や臨床報告が積み重ねられています。
プロポリスの含有成分は、原産地の樹木やミツバチの種類によって微妙な差があるといわれています。
プロポリスの原料としてミツバチが採取した樹木(樹液)の種類が、抗菌・抗炎症作用や免疫強化の成分を含むユーカリやポプラか、
あるいは外傷や皮膚炎に効く成分を含む針葉樹かによって、それぞれのプロポリスの効果が異なると考えられています。
わが国では、早くから輸入されてきたブラジル産のプロポリスが、一般に広く使われているようです。
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