卵黄油 − 動脈硬化・心筋梗塞の改善、アルツハイマー病の予防
民間療法のバイブル「赤本」に解説あり

卵黄油は鶏卵の黄身を約2時間、じっくりトロ火で煎ると最後に残る、ごく少量の油です。
鶏卵さえあればすぐに作れる卵黄油ですが、民間療法としての歴史は古く、その発祥は奈良時代とも伝えられています。
また、江戸時代には将軍が愛飲していたともいわれています。
古くから卵油とも呼ばれる家庭療法として用いられ、大正14年に発刊された『家庭における宴際的看護の秘訣』(通称「赤本」)にも、心臓病、若白髪などが改善された実例をはじめ、血行の改善、肩こり・腰痛の緩和、疲労回復、活力増強など多数の用例が紹介されています。
同書には、卵油の効用として
- 筋肉によい栄養源となる。
- 筋力だけでできている心臓の働きによい。
- 血のめぐりをよくしてハゲや白髪を防ぐ力がある。
- 血行不良が原因となる肩こり、筋肉の改善に役立つ。
- 外用すれば、痔にも有効である。
- 女性が最も気にする自然の美肌づくりにも大いに役立つ
など、おもに血液の循環をよくする働きがあげられています。
手軽にできる卵黄油の作り方レシピ紹介
参考までに、卵黄油の作り方を紹介しておきましょう。
はじめに鶏卵の黄身を10〜20個、フライパン、柄の長いしゃもじを用意します。
作り方の手順は、
(1)黄身をフライパンに入れ、トロ火にかける。
(2)煎り卵を作る要領でよくかき混ぜ、黄身がポロポロになってきたら、しゃもじで押しっぶしながら、平均に焼けるようにかき回す。
(3)さらにかき混ぜると、全体が狐色から、やがて濃い茶色に変わり、濃い異臭が出てくる。
(4)黒くポロポロになった黄身を押しつぶすようにすると、徐々にベトベトになり、黒い液体がにじみ出てくる。
(5)充分に油が出たところで火を止め、焦げないうちに黒い液体(卵黄油)を容器に保存する。
卵黄のレシチンがサラサラにする
卵黄油には細胞膜の構成成分であるリン脂質が約30パーセント含まれています。
このリン脂質の中にはレシチンが含まれています。
レシチンには血液中のコレステロールを乳化させる働きがあり、コレステロールなどが血管壁に付着して、動脈硬化を促進したり、血栓を形成するのを防ぐ効果があります。
レシチンにはさらに、血中の中性脂肪や悪玉(LDL)コレステロールを減少させ、善玉(HDL)コレステロールを増加させる働きがあります。
その結果、過酸化脂質の増加による血栓の付着を防止して、血管の内腔(通り道)を広くすることから、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの循環器疾患を予防します。
血中の脂質か減少することで、血液かサラサラになり、全身の血行もよくなるので、冷え性やのぼせなど更年期の不快症状、低血圧、肩こりなどにも大きな効果が期待されています。
また、レシチンには筋肉を強化する効果があり、とくに心筋(心臓を動かす筋肉)を強化して心臓の機能を高める作用があり、動悸・息切れや心筋梗塞の予防に効果を発揮します。
コリンとDHAがアルツハイマー病を防ぐ
やはりレシチンを構成するコリンは、脳の中に届いて脳の伝達物質であるアセチルコリンに変化し、神経細胞間で生化学的な情報をやりとりする重要な媒体となります。
また、近年の分析研究では、卵黄油にDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれることが判明しています。
アセチルコリンもDHAも、ともにアルツハイマー病への薬理効果が研究されており、卵黄油に含まれるコリンやDHAをとることは、痴呆症の予防にも有効であると考えられます。
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