慢性病に対する三つのアプローチ
身体の恒常性を維持するシステム
私たちの身体は、細胞や臓器の集合体でできていますが、それらはお互いが緩衝し、連携し合って働いています。
細胞や臓器をつなぎ、維持するために三つの恒常性ネットワーク系が存在しています。
それが、異物から自己を守る「免疫系」、体内の情報伝達経路である「神経系」、さまざまなホルモンを分泌する「内分泌系」です。
そしてこれらを支えているのが外部から命の糧を取り込む「代謝系」です。
「細胞・臓器系」「ネットワーク系(免疫系、神経系、内分泌系)」「代謝系」の三つのシステムがそれぞれを支え合ってひとつの生命体をつくっていると考えられます。
西洋と東洋の考え方の違い
こうした身体の仕組みに対して、病気を治すために働きかける医療のアプローチ法には大きく分けて二つの考え方があります。
手術や薬剤、放射線療法などを中心とした「西洋医療」と、漢方薬や鍼灸などを中心とした「東洋医療」です。
西洋と東洋では、人体に対する見方そのものに違いがあります。
西洋は解剖学を基盤として、細胞・臓器レベルで人体を「部分」から解明するのに対し、東洋は本草学を基盤として恒常性を維持するためのネットワークシステムに注目し、全体のバランスを重視します。
現代日本では、西洋医療が主流ですが、ここ却年は東洋医療の役割が拡大しつつあります。
病気と自己治癒能力の闘い
細胞・臓器を発端に障害が発生すると、そこからそれに関わるさまざまなシステムが連鎖反応的にゆっくりと着実に障害されていきます。
それを感知したネットワーク系はそれを修復しようとネットワークシステムを活性化してその障害に常時対崎しています。
つまり私たちの身体は、ただ漫然と無抵抗に慢性疾患が進行していくのを許しているのではなく、常にその慢性疾患を治癒しようという力を働かせているのです。
この二つの力関係で病状の進行度や治癒度が決まっているのです。
西洋治療は、病気の根源を叩くことを重要視し、「細胞・臓器系」を障害する原因を除去したり、細胞・臓器が失った機能の補完を第一義的に行います。
これに対して東洋治療は、「代謝系」「ネットワーク系」全体の強化を図り、自己治癒能力を高めて慢性疾患の力と対時しようとします。
医療者ではない、あなた自身が行うセルフ・メディケーションは、西洋治療や東洋治療がするように、手術や投薬によって体内の「細胞・臓器系」「ネットワーク系」に直接働きかけることはできません。
私たちに唯一できることは、食と運動を改善し、「代謝系」を正常に保ち続けることなのです。
慢性疾患の予防・症状改善、治療は、西洋、東洋の医療と、セルフ・メディケーションの三つがお互いに補完し合ってはじめて、十分なものになるといえるのです。
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